('A`)ドクオが自殺をしに行くようです
- 1 名前: ◆uoeCB.pYtA :2006/05/22(月) 00:13:47.91 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「今日も独り、明日も独り・・・」
ドクオは考え込んでいた・・・。
('A`)「一生独りなのかな、俺は・・・。
『一人』じゃなくて『独り・・・』」
( ^ω^)ξ゚ー゚)ξ(´・ω・`)
昔の友達の顔が、瞼の裏に現れる。
もっとも、今は『友達』と呼べる間柄の人は存在しないが・・・。
そう、ドクオは死のうとしていた。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:16:30.54 ID:Z+8VQoJg0
- 何となく続けている仕事。目標の無い毎日。
4人兄弟の中で兄も弟も優秀だが、
自分だけが高校中退で親・親戚からの風辺りが強く落ちこぼれと言う現実。
そして、最愛の人との別れ・・・。
何もかもが如何でも良くなったドクオ。
('A`)「生きてても、良い事はない・・・」
('A`)「最後にバーチャンの手料理が食べたかった・・・」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:20:47.85 ID:Z+8VQoJg0
- 〜5日前〜
(‘ー`川「ドク・・・オ・・・」
(;'A`)「がんばれ! バーチャンがんばれ!!」
(‘ー`川 「バーチャンね、もう、駄目みたい・・・」
(‘ー`川「バーチャンのぶんも…たくまし…く……」
ピー・・・・・
(;'A`)「バーチャァァァァァん・・・・!!!!!」
二人の兄に、弟からも軽蔑されていたドクオ。
高校中退してからは家には居場所が無く、親からはゴミ扱い。
だがそんなドクオにもバーチャンだけは優しかったのだ・・・。
そのバーチャンも、もういない・・・。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:21:47.34 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「バーチャン、ごめん・・・。言い付け、守れそうにもないよ・・・」
準備をするドクオ。
自殺の方法は決めていた。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:22:50.52 ID:Z+8VQoJg0
- >>電車飛び込み。
家族にJRから大量の請求書が来る恐れが有るので却下。
>>飛び降り自殺。
下にいる人にでも当たったら大変だ。
そこで、樹海に向かって『餓死』だ。
樹海での死を選んだ人達の「美しい死に方」のイメージと現実の間には、
少なからぬギャップがある。
彼らは自らの死後の無惨な姿を客観的に想像し行為に及ぶのだろうか。
樹海の中で死ねば、肉体は鳥獣に食い散らかされ腐乱していく。
この様な事は少し想像すれば誰でも分かる事だ。
無論、ドクオにも例外なく分かっていた・・・。
だが、それで良いのだ。腐乱死体になって自分等消えてしまえば良い
ドクオはそう思っていたのだ・・・・。
昔、バーチャンとキャンプに行って楽しかった
青木ヶ原の樹海で死ぬ事を既に決めていたドクオ。
('A`)「樹海で眠ったら……バーチャンに会えるかな……」
('A`)「生まれ変われば、アイツを越せるかな。俺を愛してくれるかな・・・。」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:23:40.88 ID:Z+8VQoJg0
- ドクオが今日を自殺日に決めたのも、
単なる偶然の様に見えるが、実は必然なのである。
と言うのは、今日が05/22 月曜日だからである。
自殺者が多い曜日は月曜日である。これはブルーマンデーの影響があると見られる。
逆に少ない曜日は土曜日で、男女ともに同じ傾向である。
ドクオも、無意識の内に月曜病≠フ影響を受けて実行を決意したので有ろう・・・。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:24:53.16 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「そーだ・・・ネット友達にも別れを告げなきゃ・・・。」
そー言って、自分が常駐している馴れ合い掲示板のスレッドに、
『今から死にに行く。お前ら世話になった』
と言った書き込みを残すドクオ。
リアルタイムで心配のレスが返って来る。
が、今のドクオには全てが事務的な偽善めいた事に見えるのだった・・・。
('A`)「何、心配したフリしてやがんだコイツ等・・・」
('A`)「ネットで出会った奴を本気で心配なんてする分けネーだろ・・・。」
気になっていた女性HNのレスが目に止まる・・・
『お 願 い 死なないで。帰って来て・・・』
('A`)「・・・・・・ 」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:25:48.10 ID:Z+8VQoJg0
- ドクオは、この女性HNと仲が良かった。
スレッドでのやり取りやメールをしてる内に想いを寄せていたのだ。
日に日に彼女への想いが強くなっていったドクオ。
だが、彼女はドクオの気持ちには答える事は出来なかった・・・。
あくまでも友達といたいと告げられたのだ。
ドクオは極度の対人恐怖症からか電話が苦手だった。
彼女と電話をしたら怖くて切ってしまうのだ。
そこで自問自答をしていた。
『なんで好きなのに電話が出来ないんだ・・・』
『俺じゃ彼女を幸せに出来ない。守れない』
自分の無力さを痛感したのも自殺を決意した一つの要因だった。
それほどまでに彼女への想いは本物だったのだ・・・。
ネットで出会った、文字だけの繋がりの彼女を・・・。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:26:29.37 ID:Z+8VQoJg0
- 彼女との出会いは、ドクオが以前にふとした事で自殺を決意し、
某掲示板に『今から死にます』と言うスレッドを立てた事だった。
その時、野次や煽りも無論有ったが、懸命に止めてくれた板住人達・・・。
彼女もその中の一人だった。
住人達の説得により自殺を止めたドクオ。
そして、次第にその人に想いを寄せて行くのだった・・・。
叶わぬ恋だとは知らずに・・・。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:28:47.42 ID:Z+8VQoJg0
- ドクオは、その人とメールやチャット等で交流を取るようになった・・・。
だが、段々気づいて来たのだ・・・。
彼女がドクオへの同情や哀れみでメール等をしてくれていた事・・・。
彼女の想いが自分には向いていない事を・・・。
ドクオは敏感に察知してしまったのだ・・・。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:29:45.63 ID:Z+8VQoJg0
- 彼女は別の男HNの事が好きな事を知ってしまったドクオ・・・。
自分の事は友達としてか見てくれない事も・・・。
そして、その男HNとリアルで会った事も、互いに住所を知っている事も・・・。
そして、それらを隠されてる事も・・・。
それらの事実はドクオには余りにも大きかったのだ・・・。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:30:27.51 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「○○○(女性hnの名前)・・・愛してたよ・・・。結婚したかった・・・。守りたかった。」
('A`)「君は、幸せになってね・・・。」
泣きながらタイピングをするドクオ。
('A`)「『君の為に帰って来るよ』・・・と」
ドクオは、心配させぬ為なのか騒ぎを大きくせぬためなのか知れないが、
そう書き残して、家を後にするので有った・・・。
もう、帰らぬつもりで・・・。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:31:36.18 ID:Z+8VQoJg0
- 電車の中で、家族連れと同席になったドクオ。
(,,・д・)「ブーーーーーーーン」
子供が無邪気に暴れている
(,,゚Д゚)「ゴルァ!静かにしてろ」
(*゚ー゚)「ど、どーもすいませんね。」
('A`)「あ、い、いえ・・・」
('A`)「・・・(家族・・・か)」
ふと、一つの思いが脳裏を過ぎる。
('A`)「俺も、○○○と幸せな家庭を作りたかった・・・。」
('A`)「でも、俺はいちゃ駄目なんだ・・・。俺じゃ幸せに出来ない・・・。」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:32:19.04 ID:Z+8VQoJg0
- (,,・д・)「・・・ちゃん・・・」
子供がドクオに声を掛けてくる。
('A`)「え?」
(,,・д・)「お兄ちゃん、顔色悪いの?これあげるから元気出して?」
そー言ってドクオにハイチュウ(コーラ味)を差し出す子供。
('A`)「あ・ありがとう・・・いいんですかね?」
(*゚ー゚)「貰ってあげてくださいな。何かすいませんね。」
('A`)「あ、いえ・・・はい。」
(,,゚Д゚)「所で、一人旅か何かですか?」
('A`)「ええ・・・まあ、自分を見つめ直す旅って言うか・・・。」
ドクオは言葉に詰まった。それもその筈だ。『自殺しに行く』等と言える筈無いのだから…。
(,,゚Д゚)「そーですか。若いとは財産ですね。何でも出来る。」
('A`)「・・・」
('A`)「(何でも・・・出来る・・・) 」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:33:24.81 ID:Z+8VQoJg0
- でも・・・もう遅いんだよ・・・
21年間生きて来て 何も良い事なんて無かったからな
家族からは見向きもされない・・・。
職場ではいてもいなくても対して困らない存在・・・。
そして、好きな人も幸せに出来ないクズ野郎・・・。
俺なんて、死んだ方が良いんだよ・・・。俺なんて・・・。
誰から愛されない。誰かを愛する資格も無い。
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:34:01.86 ID:Z+8VQoJg0
- 家族連れは先に降りるようだ。
(,,・д・)「お兄ちゃん!!バイバイ!!」
('A`)「う・うん・・・。」
('A`)「あ、あの・・・。」
(,,・д・)「?」
('A`)「ハイチュウ・・・。ありがとうね。」
(,,・д・)「うん!」
・・・電車は、ドクオの目的地に付こうとしていた・・・。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:35:11.18 ID:Z+8VQoJg0
- 近辺の歩道橋には
『命は親から頂いた大切なもの もう一度静かに両親や兄弟や子供のことを
考えて見ましょう 独りで悩まず相談して下さい』
(実際に現地にはこう言った看板が実在する。)
と言った、自殺志願者に呼びかける偽善めいた看板を頻繁に見かける。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:35:59.85 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「さてと・・・。旅館は向こうか・・・。」
('A`)「(最後の晩餐・・・か)」
ドクオは、最後の一夜を昔よくバーちゃんと泊まりに来ていた旅館で過ごそうと決意していたのだ。
その時、1人の老人が目に止まる。
/ ,' 3「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
重そうな荷物を持って苦しそうだ。
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:37:03.99 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「あ、だ・大丈夫ですか。家はお近くですか・・・?良かったら持って行きます。」
見かねて駆け寄るドクオ。
('A`)「・・・?」
/ ,'3「あ、どうもすいませんね。お願いしていいですか。」
('A`)「あ、は・・・はい。」
('A`)「(この人、目が不自由なんだ・・・)」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:37:34.73 ID:Z+8VQoJg0
- ドクオは、老人宅まで荷物を運んで来た。
/ ,' 3「助かりました。まあお礼に上がってお茶でも。」
('A`)「あ、いえ・・・急いでますので・・・」
/ ,' 3「まあまあそう言わず・・・」
('A`)「え、あ・・・はい・・・」
断りきれない性格のドクオ・・・。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:39:04.28 ID:Z+8VQoJg0
- 家に上がるドクオ。
('A`)「1人暮らしでらっしゃるんですか・・・?」
/ ,' 3「ええ・・・馬鹿息子がいたんですけど・・・」
急に重い表情になり口を開く老人。
/ ,'3「去年の春に、自ら命を絶ってしまいましたわ・・・。」
('A`)「!!」
驚きを隠せないドクオ。それもその筈だ。
自分もその息子と同じ運命を辿ろうとしているのだから…。
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:40:33.99 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「そ・そーなんですか・・・」
ドクオは至って冷静に気にしてない様に振舞う。
('A`)「あ、あの・・・」
/ ,' 3「?」
('A`)「こんな事聞いちゃいけないと思いますけど・・・」
ドクオは少し躊躇しながら切り出す。
('A`)「息子さんが亡くなられた時、勿論悲しかったですよね?」
/ ,' 3「ええ、もちろんです。」
ドクオは、何故こんな当たり前の事を聞いてるのか自分でも分からなかった。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:41:14.23 ID:Z+8VQoJg0
- / ,'3「自殺する者は、残った者の事などお構いなしですよ。」
老人は淡々と淋しげに語る・・・。
/ ,'3「残った者の悲しみなど・・・。身勝手に死ぬのですよ。」
('A`)「じゃ、じゃあ・・・あの」
声が少し震えているドクオ。だが、質問を止めようとはしない・・・。
/ ,' 3「はい」
老人は静かな口調で聞き返す。
('A`)「死んでも、悲しむ人がいない人は・・・」
('A`)「悲しむ人がいない人は・・・自殺しても問題ないって事ですよね?」
/ ,' 3「ふむ・・・。それは私には分かりかねませんが」
('A`)「・・・」
/ ,' 3「少なくても、貴方が死ねば私は悲しみますよ。」
('A`)「!!」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:42:11.20 ID:Z+8VQoJg0
- / ,' 3「それでは駄目でしょうか?」
老人が強い口調で問い返してきた。
('A`)「え・・・!?」
ドクオは戸惑いを隠せない。
老人は、全てを見通してる感じで有ったと言う。
まるで、ドクオがこれから樹海に向かい命を絶つ事を分かっているようだ・・・。
夕飯にも誘われたが、丁重に断り、
ドクオは戸惑いながら、老人宅を後にする。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:43:14.46 ID:Z+8VQoJg0
- 旅館に着き、手続きを終わり部屋に入るドクオ。
('A`)「懐かしいな・・・」
('A`)「・・・」
ドクオはふと○○○の事が気になって、例の馴れ合い掲示板へ携帯から繋ぐ。
すると・・・。こんな書き込みが・・・
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:44:00.07 ID:Z+8VQoJg0
- 592 :○○○:2006/05/22(月) 21:33:49 ID:???
私は信じてる・・・。○○(ドクオのHN)ちゃんは私の為に帰って来るって言ったもん。
自惚れでも良い。私は信じて待ってる・・・。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:44:17.90 ID:Z+8VQoJg0
- 愛する○○○の書き込みだ・・・。
文面からもドクオを心配してるのが伺える。
('A`)「・・・」
('A`)「ごめんね・・・。ごめんね・・・。」
ドクオは涙を流している。
('A`)「でも、もう良いんだ・・・。俺は終わりにする・・・。」
('A`)「俺が死んで悲しむ人なんていないんだ・・・。」
('A`)「○○○は、幸せになってね・・・。」
ドクオの精神状態はもはや普通では無かったのだ。
誰が止めようがもはや聞く耳持たないと言った感じだ。
決意は硬かった。
電車での家族連れの事も、あの老人の言葉も既に忘れているのだろうか。
そして、愛する人からの言葉も届かないのだろうか・・・。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:45:20.47 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「降りて・・・。飯を食うか。」
ドクオは食事の為、下へと降りていく。
『最後の晩餐』を終え風呂に入り眠りに付くドクオ。
その夜、ドクオは夢を見た・・・
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:46:09.46 ID:Z+8VQoJg0
- 母「みんなー。準備出来たわね。」
次男「わーい。焼肉は久しぶりだー。」
四男「ねえ、アイツは・・・?」
長男「ドクオはほっとけ。バーチャン家で遊ぶ方が楽しいんだろ。
それに、あんなクズはいない方が楽しいだろ?」
四男「それもそうだね☆」
母「あんな奴の話はいいから早く行くわよ。」
父「落ちこぼれが・・・」
ドクオは小学校から不登校を続けており、フリースクールに通っていた。
その事を良く思わない両親や親戚からは疎外されていた。
だが、バーチャンだけは違った…。
『ドクオはドクオらしく生きて欲しい』と
学校に行く事を強要したりしなかったのだ・・・。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:47:29.83 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「バーチャン!!」
(‘ー`川「あら、ドクオ・・・今日はみんなで遊びに行ったんじゃなかったの?」
('A`)「俺、バーチャンといる方が楽しいからいいんだ。」
(‘ー`川「ドクオ・・・。」
こうやって遊びに来てくれるのは四人兄弟の仲でドクオだけだ。
バーチャンにはそれがたまらなく嬉しかった。
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:48:35.96 ID:Z+8VQoJg0
- 元旦にはバーチャンの家に親戚中が集まる。
その時もドクオは肩身が狭かった。
学校に行ってない落ちこぼれと言う事で、
親戚からの風当たりが強かったのだ。
叔父「ほら、お年玉だぞ三人とも。」
長男「はい。有難うございます。」
次男「ありがとございます。」
四男「ありがとうオジちゃん」
お年玉もドクオだけは貰えなかった。
('A`)「・・・」
(‘ー`川「いらっしゃいドクオ。」
そう言ってドクオにお年玉を渡すバーチャン
('A`)「バーチャン・・・ありがとう。」
(‘ー`川「いいのよ、ドクオはドクオだから。バーチャンはドクオの味方よ」
('A`)「バーチャン・・・」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:49:41.23 ID:Z+8VQoJg0
- 叔父「それよりドクオ。お前ふりーすくーるとか言う分けの分からん施設に通ってるそうだな?」
伯父「なんで学校に通わん?あ?」
親戚で集まると決まってこのような質問をされるドクオ。
('A`)「あ、いえ・・・その・・・」
伯父「ハッキリ言わんか?何故学校にいかん?」
「あんな洗脳組織に行きたくない。」
「フリースクールの方が楽しい。」
そう言いたかったドクオ。だが、言う事が出来なかった・・・。
何より、フリースクールが馬鹿にされた事が悔しかったが、
ドクオはただ泣く事しか出来なかった・・・。
伯父「泣けば済むと思ってるのか!」
ドクオに手をあげる伯父。
家族も従兄弟もニヤニヤしながら見てるだけだ。
その時・・・
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:50:50.33 ID:Z+8VQoJg0
- バーチャンがドクオを身を挺して庇った
('A`)「バーチャン!!」
祖父「母さん。退いてくれ。その軟弱者を鍛え直すんだ。」
(‘ー`川「止めて下さい・・・ドクオは優しい子です。」
そう言って祖父わ睨み付けるバーチャン。
祖父「う・・・」
(‘ー`川「ドクオを傷付ける人は許しません・・・。
ドクオは私の可愛い孫です。」
止むを得ず椅子に座る祖父。
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:51:48.90 ID:Z+8VQoJg0
- ('A`)「バーチャン・・・?大丈夫・・・?」
(‘ー`川「大丈夫よドクオ。言ったでしょ?バーチャンはドクオの味方だって。」
('A`)「バーヂャン・・・ありが・・ど・・・」
涙で上手く言えないドクオ。
(‘ー`川「ほらほら、男の子でしょ。泣かない泣かない。」
家族からも親戚からも疎外されていたドクオ。
だが、バーチャンだけは違った。
ドクオは、そんなバーチャンが大好きだった。
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:52:43.46 ID:Z+8VQoJg0
- そんな大好きだったバーチャンが亡くなったのは5日前だ・・・。
死ぬ前に1度だけ目を覚まし思い出したように
(‘ー`川「ごめんね バーーチャンのぶんも…たくまし…く……」
と言った。
ドクオは一言「ありがとう」と言おうとしたが、
最後までその一言は声にならなかった。
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:53:53.04 ID:Z+8VQoJg0
- 魘されてるドクオ・・・。
激しい呼吸をしながら目覚める。
('A` )「夢か・・・」
('A` )「バーちゃん・・・。」
バーチャンの事を思い出し悲しくなるドクオ。
だが、不思議と涙は出ない・・・。
('A`)「ごめんね・・・。俺も、もうすぐそっちに行くからね。会えるからね・・・」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:54:48.98 ID:Z+8VQoJg0
- ふと時計を見ると、時刻はまだ1時だった。
('A`)「まだちょっと早いな・・・。もう一眠りするか・・・。」
ドクオは、再び夢を見た・・・。
愛する○○○の夢だ・・・。
彼女が自分の事を心配している夢を・・・。
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