('A`)ドクオが自殺をしに行くようです
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:55:20.07 ID:Z+8VQoJg0
〜翌朝〜・・・

('A` )「やっぱ、夢か・・・」

('A` )「俺の事なんて、心配する分けないしな・・・。」

('A` )「バーチャン、俺ももうすぐそっちに行くからね・・・。○○○。幸せになってね・・・。」

手続きを終え、この旅の最終目的地の樹海へと向かうドクオで有った・・・。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:56:09.79 ID:Z+8VQoJg0
('A` )「ジュース、買っていくか・・・。」

ドクオは樹海の近くのバス停付近でジュースを買った。

樹海のすぐ傍にはバス停があるのだが、
その周辺でジュースを買って樹海の中に入っていくというのが自殺者に多いパターンだ。

これは樹海の中で睡眠薬で服毒自殺をする人が多いからだそうで有る。

ドクオも、例外では無かった・・・。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:58:08.11 ID:Z+8VQoJg0
('A` )「こっちか・・・。」

樹海の中に入るには、自然公園内の遊歩道を外れればよい・・・。

至って簡単である。自殺の名所として、こんなに簡単に入れるのは問題かもしれない。

しかし、遊歩道の至る所に、自殺者に呼びかける看板が存在する。

『〜ちょっと待て〜君の人生は楽しいか、それとも苦しいか。
 世の中は苦しい事ばかりではない。楽しい事も多いはずだ。
 人生を楽しく過ごす為にもう一度よく考えよう。必ず何かがあるはずだ。
 たった一つの命を大切にしましょう。困ったら下記へ相談を。
 ○○田村役場自殺防止連絡会 00−0000』

等と…。

しかし、自殺をする者達にはこの立て看板が見えないのか、
はたまた見えていても確固たる意志をもって入って行くのだろうか・・・。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 00:59:22.67 ID:Z+8VQoJg0
道沿いには廃車がいくつかある。

この車は不法投棄されたのだろうか・・・

それとも、持ち主が樹海に入ったきり帰って来ないのか・・・。

真実は闇の中だ・・・。

ドクオは、廃車を横目に樹海へと向かう・・・。


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:01:02.87 ID:Z+8VQoJg0
富士山の北西麓、山梨県南部の富士河口湖町、鳴沢村、
上九一色村にまたがる青木ヶ原樹海。

この青木ヶ原樹海は、富士の山麓に残っている人の手が加えられていない
原始林の中では最も面積が大きく30km2〜40km2ともいわれ、
その一部は「富士の原始林」として国の天然記念物にも指定されている。

その成り立ちは今から約1,100年前にも遡る。
平安時代、貞観6年から7年末(864年〜866年初頭)の
富士山中腹に位置する長尾山が大噴火して流れ出した溶岩を基盤として、
長い年月をかけて形成された。

溶岩の土壌にコケなどの植物が生えだしたのは14世紀に入ってからだと考えられている。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:01:24.42 ID:Z+8VQoJg0
昭和60年に松竹により映画化もされた「波の塔」(松本清張・著/昭和59〜)
が樹海での自殺により締めくくられたことを契機に、
60年代以降この森の名は自殺の名所として広く世に知られることになる。

それまでにも自殺名所と呼ばれる地は多数あったが、
ここ樹海だけは、さしたる増減もなく年間30〜50体の遺体が発見されてきた。

その後も、「完全自殺マニュアル」(93)において
『誰にも見つかることのない自殺場所』として紹介され、
03年には遂に遺体発見数が100体を超えてしまった。

しかし、発見された遺体の身元が判明するケースは、
僅か10%程度なのである…。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:02:10.07 ID:Z+8VQoJg0
樹海内に突入するドクオ。
まわりは完全に闇だ・・・。

遊歩道がどれだかよく分からない。

明かりなしで置いてきぼりにされたら
普通の人間なら発狂しそうな状況で有る。 

しかも、5月だと言うのに異常な寒さで有る・・・。

('A`)「・・・」

そんな事は気にもせず進み続けるドクオ

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:04:12.69 ID:Z+8VQoJg0
('A` )「なんか、色々落ちてるな・・・。」

樹海の中には色々な落し物が落ちている。

傘・衣服・ガラス瓶・靴・カード類・椅子・ロープ
手袋・カセットコンロと鍋・ナイフと手錠・リュック
ネクタイ・眼鏡と目覚まし時計・鞄とペットボトル
ウエストポーチ・テープ・コンタクトレンズ
マネキュア・カバン・がまぐち・朱肉・お菓子・下着
使い捨てカメラ・セカンドバック・ビニール袋・酒、薬等・本類
ジャンパー・ビニールシート・ヒモ・燃えかす・カセットテープウォークマン
ビニール紐・意味不明な事が書かれた謎のメモ・ブーツ・衣類・ベスト
千円札・帽子・シャツ・瓶・遺書・タイヤ・缶類・一斗缶・新聞紙ダンボール・水筒
エ ロ 本

携帯電話・印鑑・免許証
樹海内ではよくカード類が切られたり、燃やされたりしているが、
それは拾った者による悪用を防ぐためにしているのだろうか。
それとも二度と樹海の外には戻らないという強い意志の表れなのだろうか…。

そして、かの有名な『完全自殺マニュアル本』だが湿気でビチョビチョに濡れている・・・。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:05:11.58 ID:Z+8VQoJg0
実に色々な物が落ちてある・・・。

自殺志願者たちは森の奥深くに入る時、
手に持っているバッグなどの荷物を一つ一つ捨てていくそうである。

身元をわからなくするという単純な意味の行動ではなく、
そうする事で、この世への未練を断ち切ろうとしているのだろうか・・・。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:06:34.17 ID:Z+8VQoJg0
落し物だけでは無く、樹海には色々な謎のものが有る・・・。

樹海内には『呪ってやる』『もう生きていけない』
などと書いてあるテントが存在する。

これはただの落書きで有る。
多分面白がって書いた物で自殺志願者の残した物ではない。

まわりにはペットボトル、フライパン、カルビが入っていた袋などが散乱しており
明らかにただのキャンプの跡である。
これを放置した人間のマナーの悪さには呆れる。

また、『2ch』とカラースプレーで書かれた木等が存在する。
これを書いた人間は一体何がしたくてこんな無意味な行為をしたのだろうか・・・。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:07:37.95 ID:Z+8VQoJg0
('A`)「ついた・・・。」

入り口前には女性が立っていた。

(。・-・)「・・・」

女性は軽く一礼して来た。

('A`)「・・・。」

ドクオも軽くペコリと頭を下げる。

女性は中へと向かって行く・・・。

('A`)「(あの人も、死ぬのか・・・)」

('A`)「あれ、あの人・・・何処かで・・・。」

その時、ドクオの脳裏に愛する人が過ぎる・・・。

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:09:09.03 ID:Z+8VQoJg0
愛しの人とメールをしていた楽しい思い出が・・・

朝から番までメールをしていた時の事を・・・。

仕事中にも合間を取ってメールをしていた。

電話が苦手な事を分かっていてくれたので、優しく

「焦らないで、少しづつ克服して行けば良いじゃない・・・」

と言ってくれた事を・・・。

「違う・・・。彼女は俺の事なんて嫌いなんだ・・・。」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:09:52.76 ID:Z+8VQoJg0
なんで・・・俺は君の事を好きなのに分かってくれないの・・・
俺は君がいなきゃ駄目なのに・・・君がいるから生きて来れたのに・・・

「ずっと友達でいましょう・・・」

その一言で俺がどれだけ傷付いた事か・・・。

分かってた・・・。分かってたんだよ・・・。
俺とメールしてたのは同情や哀れみから。

君の気持ちは俺じゃなくてアイツに向いていた事も・・・。

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:10:36.31 ID:Z+8VQoJg0
俺が誕生日プレゼントを贈ってあげたいと言った。

でも、君は断った・・・。友達だから貰えないと・・・。

アイツには住所も教えたのに、俺には教えてくれないんだね・・・。
バレンタインにチョコを送る程の関係だと言う事も知っている・・・。
去年のクリスマスにアイツと会った事も知っている・・・。

そして、それらを全て俺に隠している事も・・・。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:11:37.30 ID:Z+8VQoJg0
('A`)「でも、良いんだ・・・。もう、良いんだ・・・」

ドクオは呟いている。

('A`)「君は幸せになってね・・・。
   21年間生きて来て、こんなに人を愛したのは初めてだったよ・・・。」

ドクオは愛に飢えていた。
時にはネットで出会って想いを寄せた彼女に愛情を強要する事も有った。
他の男とはメールしないように告げ、束縛した事も有った・・・。

それを彼女が嫌がっている事も分かっていた・・・。

それが悪い事だとは自覚していたが、
それ程までに歪んだ愛だったのだ・・・。

歪んだ強き愛。なんと皮肉なのだろうか・・・。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:12:10.78 ID:Z+8VQoJg0
('A`)「もう、行こう・・・。」

だが、ドクオを止めるかのように更に色んな人が脳裏を過ぎる・・・。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:13:07.53 ID:Z+8VQoJg0
(‘ー`川「バーーチャンのぶんも…たくまし…く……」

大好きだった、バーチャンの事が・・・。

(,,゚Д゚)「そーですか。若いとは財産ですね。何でも出来る。」

(,,・д・)「お兄ちゃん、顔色悪いの?これあげるから元気出して?」

電車の中で会った家族連れの事が・・・。

/ ,'3「残った者の悲しみなど・・・身勝手に死ぬのですよ。」

偶然出会ったあの老人の事が・・・。

そして・・・

(。・-・)「・・・」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:14:11.90 ID:Z+8VQoJg0
('A` )「さっきの・・・女の人・・・?」

(。・-・)「・・・」

('A` )「君は、どーして死ぬの・・・?」

('A` )「そして・・・俺はなんで死ぬの?」

('A` )「なんで、死ななきゃ・・・いけないの・・・?」

ドクオは泣いている。何故泣いているのかは自分でも分からない・・・。

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:15:22.29 ID:Z+8VQoJg0
「バーチャンはなんで死んだの・・・?」

「オジイさんの息子さんはなんで死んだの・・・?」

「君はなんで死ぬの・・・?」

「俺は、なんで死ぬの・・・?」

「俺は・・・俺は・・・」

「俺は・・・」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:16:24.17 ID:Z+8VQoJg0
この日 ドクオは 自殺した 




そう 彼は、樹海で死んだのだ。



今までの 彼は・・・死んだのだ・・・




ー終わりー

































76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:21:00.07 ID:Z+8VQoJg0
いつものようにお気に入りに登録して有る掲示板に繋ぐプリン。

だが、信じられない書き込みを見るのだった・・・。

(。・-・)「え・・・」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:21:19.36 ID:Z+8VQoJg0
450:○○:2006/05/22(月) 07:25:22 ID:???

今から死にに行く。お前ら世話になった

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:21:58.09 ID:Z+8VQoJg0
プリンはその書き込みを見て驚愕した・・・

(。・-・)「なんで・・・嘘・・・止めて・・・」

慌ててレスを返すプリン。


『お 願 い 死なないで。帰って来て・・・』
と・・・。
すると、『君の為に帰って来るよ』 と帰って来た。

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:22:50.14 ID:Z+8VQoJg0
いくらメールをしても繋がらない。
受信拒否されてるようだ・・・。

(。・-・)「○○ちゃん・・・。帰って来てね・・・。」

プリンは泣き出した。


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:23:47.01 ID:Z+8VQoJg0
(。・-・)「違うの・・・勘違いしてるよ・・・。彼はただの友達なの・・・」

(。・-・)「私は、誰にも恋愛感情が持てないの・・・」

(。・-・)「でも、でも・・・友達として一番好きなのは貴方なのよ・・・。」

(。・-・)「だから、だから・・・。帰って来て・・・。」





○○ちゃん・・・帰って来て・・・。

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:25:13.63 ID:Z+8VQoJg0
('A` )「やっぱ、夢か・・・」

('A` )「俺の事なんて、心配する分けないしな・・・。」




この後、樹海でドクオの妄想が具現化した彼女の姿を見る事になる・・・。

そこには存在しないはずの彼女の姿を・・・。

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:26:27.43 ID:Z+8VQoJg0
樹海から帰って来たドクオを待っていたのは醜い現実であった・・・。

店長「君ねー。なんで無断欠勤した分け・・・?」

ドクオはうどん屋に勤務している。

('A` )「す、すいません・・・。」

店長「止めるんなら止めるで良いんだよ?無駄な給料払わなくて良いからね
   君なんていてもいなくても一緒だからね。」


誰からも、必要とされない・・・

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:28:03.56 ID:Z+8VQoJg0
('A` )「ただいま・・・」

母親「ああ忙しい。退いてよね。」

母親をドクオを押し退き職場に向かう。

父親「・・・」

父親をドクオをチラっと見て言葉を掛けずに通り過ぎる。

弟「待ってよママー。学校まで乗せて行ってよー」

弟もまるでドクオを透明人間かの様に無視して学校へ。


家族はドクオが帰って来た事についても特に関心を持たないようだ。
いや、そもそもドクオが樹海に向かった事も知らないのだろう・・・。

('A` )「・・・」


誰からも、愛されない・・・。

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:30:01.79 ID:Z+8VQoJg0
部屋に入り掲示板へ繋ぐドクオ。
そして書き込みをすると歓喜のレスが帰って来る。


『○○、帰って来たのか!!』
『待ってたんだぞこのヤロー!!』
『俺に無断で死ぬんじゃねーよ・・・』

そして、愛する人からも・・・。

『○○ちゃん・・・お帰りなさい・・・』


('A` )「みんな・・・。」


ドクオは涙を流した・・・。

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:31:16.55 ID:Z+8VQoJg0
だが、それはあくまでも『掲示板』と言う名の不透明な場所での
表向きの発言で有った・・・。

実際は正反対の事を思っているのだった・・・。

『なんで帰って来たんだよ・・・』
『うぜー。死ねよ。』
『ゴミが一人減ったぐらいどーって事ねーんだよ。』

そして、愛する人も本心では・・・。

『キモイわ・・・。私またストーカーされるのかしら・・・。
 折角、邪魔者がいなくなって○○タンと仲良くやれると思ったのに・・・。』

何も知らずにお礼を言うドクオ・・・。

('A` )「みんな、ありがとう・・・。」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/22(月) 01:33:26.61 ID:Z+8VQoJg0
誰からも必要とされない 誰からも愛されない


ドクオが生きてる世界は天国 それとも地獄?


何故生きるの?幸せなの?

あの時死んだ方が良かったんじゃない?






・・・完・・・


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