( ^ω^) はあそびにんのようです
50 名前:ロマリアの愚王編 エピローグ :2006/08/24(木) 00:20:20.93 ID:A7Kcpg6J0

 潮騒がさんざめく――
 アリアハンに巡る季節は夏。異形の襲来より、一月ほどが経っていた。
 城下町の復興は順調だった。
 
 民の顔にも笑顔が戻り始めていた。
 それに何より貢献したのは、盟友ロマリアの存在だろう。
 王城復旧によるロマリア王の帰還を惜しみ、オルテガの旅立ち以来最も盛大な歓待が行われた。

 そして、別れは彼らにも訪れる。



52 名前:ロマリアの愚王編 エピローグ :2006/08/24(木) 00:21:35.17 ID:A7Kcpg6J0

( ^ω^) 「……ほんとに、ほんとに行っちゃうのかお?」
川゚−゚) 「ああ。言ったろう。私は傭兵だぞ―― 一つところに留まるのは、戦がある時だけさ」

 旅の扉を抱く祠の前に、四人はいた。
 そう。ブーン、ギコ、クー、ジョルジュである。


53 名前:ロマリアの愚王編 エピローグ :2006/08/24(木) 00:22:33.10 ID:A7Kcpg6J0

( ゚∀゚) 「俺は助太刀に来ただけだからなあ。それによ、こんなトコにいちゃあ…俺の拳が鈍っちまわあ」
( ゚Д゚) 「……チッ! あんたはいつも、一言多いんだゴルァ」
( ゚∀゚) 「ははは……! お前が俺のスタミナ抜いたら、ありがたく拝聴しましょうかねえ」
( #゚Д゚) 「あんだと! 口の減らねえ親父だな!」 

 ぎゃあぎゃあとわめく二人に、クーの晴朗な笑いがかぶさった。
 呆気に取られるギコと、揺れる乳房を凝視するジョルジュとブーン。

 何もかもが眩く澄明な、南の楽園。
 振り返らぬ女のつま先は、どこへ向くのか。
 振り向く男が描く景色は、いかなるものか――

 二人の少年に去来した思いは、果たして。
 

54 名前:ロマリアの愚王編 エピローグ :2006/08/24(木) 00:24:10.30 ID:A7Kcpg6J0
 



 ―― それは、とある少年が、旅立つ半年前の物語。 

 「おきなさい。 おきなさい わたしの かわいい ――や……」


                                   draboon quest V /  ロマリアの愚王  ―完―

56 名前:巻末言 :2006/08/24(木) 00:24:48.84 ID:A7Kcpg6J0

 ―― 英傑の没後より十を数える双子の月、美しきロマリアの都にて、
     黒風疾りて邪を喰らう。暗雲払われ、王は盟友を知る。
     然して喜び長くは続かじ。その邪悪、これより天を覆いつくす災厄の、
     きわめてささやかなあらわれでしかないゆえに。

                                        ――― 託宣者



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