( ^ω^)ブーンが閉じこめられたようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 19:48:05.65 ID:RDmZpTwPO
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深夜の山道。
トンネルの前にある古ぼけた電話ボックス。
携帯電話が普及した昨今、姿を見かけるのも珍しくなったこの箱の中に、とある男が立っていた。
( ^ω^)「……」
(;^ω^)「……開かないお」
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 19:51:14.70 ID:RDmZpTwPO
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(;^ω^)「ど、どーなってんだお!!」
押しても引いても叩いても。
揉んでも舐めても弄くり回しても開く気配はない。
次第に焦りを感じてきた彼は、ここが電話ボックスである事に気付いた。
(;^ω^)「そ、そーだお。電話すればいいんだお」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 19:54:53.99 ID:RDmZpTwPO
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ポケットの財布から小銭を取り出す。
受話器を持ち上げ、唯一覚えている自宅の番号を押した。
(;^ω^)「……?」
受話器からは発信音は聞こえない。
小銭を追加投入する。無情にも、受話器は沈黙を続けていた。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 19:57:47.33 ID:RDmZpTwPO
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(;^ω^)「そうだ、この赤いボタンを……」
警察・消防につながる非常用のボタン。
嫌な予感を感じてたはいたが、やはりうんともすんとも言わなかった。
(;^ω^)「……携帯……意地張らずに買っとけばよかったお……」
不意に、親友のドクオの顔が浮かぶ。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 20:03:25.85 ID:RDmZpTwPO
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('A`)『お前なぁ、今の時代に携帯持ってないとかどんだけだよ』
('A`)『全く……連絡手段に困るこっちの身にもなってみろっての』
( ^ω^)『うっさいお!! ブーンはそんなものに縛られる生活はまっぴらごめんだお!!』
('A`)『はぁ……』
(;^ω^)「ドクオ……」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 20:10:48.14 ID:RDmZpTwPO
- 深夜の山道。
それでも車が一台でも通ることを期待していたが、それも叶わぬ夢だった。
(;^ω^)「どうなってんだお……」
理解出来ぬ事態に頭を混乱させるブーン。
そんな彼をあざ笑うように、
(;^ω^)「うわっ!?」
沈黙を続けていた電話が鳴り始めた。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 20:14:57.24 ID:RDmZpTwPO
- (;^ω^)「なななななな……」
呆然と電話を見つめる。
そんなことお構いなしに、狂ったように鳴り続ける電話。
ブーンは直感的に、「この電話は出てはいけない」と感じた。
(;^ω^)「……」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 20:24:05.81 ID:RDmZpTwPO
- 一分程電話を見つめていると、諦めたかのように電話が止まった。
あたりを静寂が包む。
ブーンは高鳴る心臓を押さえ、ずるずると尻餅をついた。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 20:28:17.24 ID:RDmZpTwPO
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(;^ω^)「……出ればよかったかお」
冷静に考えてみれば、あれは助けを呼ぶチャンスだったかもしれない。
もしかしたらこの立て付けの悪い電話ボックスに、差し伸べられた救助の電話だったかもしれない。
次かかってきたら電話に出ようと決心したその時。
タイミングを見計らったかのように再び電話が鳴り始めた。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 20:31:12.74 ID:RDmZpTwPO
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(;^ω^)(だ、誰か見てるのかお!?)
ドッキリの撮影かと思い、ブーンは周りの様子を伺った。
電話ボックス内に小さいカメラでもあるのかと疑ったが、何も発見出来なかった。
素人目にはわからないのかもしれない。
なんにせよ、ブーンに出来ることは電話に出ることだけだった。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/31(木) 20:39:13.34 ID:RDmZpTwPO
- (;^ω^)「……」
恐る恐る手を伸ばす。
周りの音が消える。
受話器を耳にあてた。
(;^ω^)「……もしもし」
ブーンは電話をとったことを、早くも後悔していた。
第一話終わり
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