( ^ω^)ブーン達は街に生きるようです
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:35:42.26 ID:pZXo+YlG0
( ・∀・ )「どうもこんばんわ。モララーです」

( ・∀・ )「さて、第2回の主役はシャキンさん。彼は人生に焦りを感じているようです。一体何故なのでしょうか」

( ・∀・ )「人生は長いようで短い。短いようで長い。不思議なもの・・・」

( ・∀・ )「おっと・・・喋りすぎですね。では第2話をどうぞ」

・・・
・・


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:36:56.41 ID:pZXo+YlG0
第2話『バーボンハウス』


(`・ω・´)「レポートレポート!書かないと!!」

彼の名はシャキン。一流の高校、大学と順調に進んでおり、いわゆるエリートの道を目指している

そんな彼は予定がたてこんでいたため、自宅に帰るのが遅くなってしまった

(`・ω・´;)「一流に!一流に!!エリートに!!」

シャキンはVIP街を駆け抜けている

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:38:11.14 ID:pZXo+YlG0
(*゚ー゚)「でさぁ・・・」

川゚听)川「アハハ、それ面白いね。でもいらないわ、帰っていいよ」(ファサッ)

女の子はハンカチを落とした。が、気づいていないようだ

(`・ω・´)「アリャ!?ちょっとそこの君、ハンカ」

シャキンが落としたハンカチに気づき、声をかけようとした途端だった。
軽自動車が勢いよくシャキンと衝突、シャキンは吹っ飛ばされてしまった・・・

<;丶`∀´>「しまったニダ!!チョッパリを轢いてしまったニダ!」

(`-ω-´;)(バタッ)「ウウウ・・・」

・・・
・・


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:39:37.31 ID:pZXo+YlG0
(パチッ)

(`・ω-´)「あれ・・・ここはどこだ?」

シャキンが目を覚ました所、そこは病院のベッドの上ではなかった。
目の前には大きな川が流れていた。天気は晴れている

(`・ω・´)「たしか俺はハンカチを拾って・・・それから・・・」

(`・ω・´)「確か・・・そうだ。車に轢かれたんだ!」

(`・ω・´)「それで目の前には川ってことは・・・」

(`・ω・´;)「死・・・ん・・・だ・・・」

予想外だった。あれほど努力したのに、結果はこれだったなんて
自分はこれから出世していって、お金持ちになろうと思っていたのに・・・

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:40:55.14 ID:pZXo+YlG0
シャキンはここに居続けても仕方がないと判断し、トボトボと歩き出す
しばらくすると、ひとつの店が見えた

(`・ω・´)「ん?あれは・・・」

(`・ω・´)(とりあえず、入ってみるか)

(カランコローン)

( ´∀`)「いらっしゃいモナ」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:42:23.98 ID:pZXo+YlG0
30代前半くらいか。とても穏やかな顔つきをした男が一人いた。どうやら店長のようだ

(`・ω・´)「あの・・・すいません」

( ´∀`)「なんだいモナ?」

(`・ω・´)「ここはどこですか?」

( ´∀`)「・・・注文もせずに用件を聞くことはできないモナ」

(`・ω・´)「じゃあ、コーラで」

(;´∀`)「ここは喫茶店じゃないモナ・・・まぁわかったモナ」

店長らしき人は手早くコーラをいれ、差し出す

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:43:56.45 ID:pZXo+YlG0
( ´∀`)「・・・君の名前はなんだモナ?」

(`・ω・´)「シャキンです」

( ´∀`)「そうかモナ。用件の答えは、まぁわかっていると思うけど・・・あの世だモナ」

(`・ω・´)「そうですか・・・」

( ´∀`)「どうしたモナ?死んだら来るのは当然モナ」

(`・ω・´)「ですが・・・その・・・」

( ´∀`)「君は事故死だと思うモナ。当たっているかモナ?」

(`・ω・´;)「なんでわかったんですか?」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:46:06.47 ID:pZXo+YlG0
( ´∀`)「現世に未練タラタラだからモナ。それに、自分が死んだことに自信が無い所も考えると」

(`・ω・´)「でも俺、帰りたいんです。まだまだやりたいことあるし」

( ´∀`)「そんなこと言っても君の他にもやりたいこと、しなきゃいけないことを残してあの世に来る人はたくさんいるモナ。君だけが帰れるなんて甘いルールは無いモナ」

(`・ω・´)「そう・・・ですよね。でも、色々と心配なことが・・・」

( ´∀`)「どうしたモナ?よければ聞かせてくれモナ。そのかわり、コーラの代金はタダにしてあげるモナ」

(`・ω・´)「じゃあ・・・」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:47:12.06 ID:pZXo+YlG0
彼は店長らしき人に話した。自分は周囲の人間からエリートになってほしいと

家族は無いお金を無理矢理捻出して援助してくれていること

そんな自分はエリートになることで恩返しをしたい、と

(`・ω・´)「俺は両親に大きな重りを着けさせているんです。だから・・・」

( ´∀`)「・・・重りを着けているのは君もじゃあないかモナ?」

(`・ω・´)「・・・何故?」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:48:42.33 ID:pZXo+YlG0
( ´∀`)「だって『エリートにならないといけない』っていうことに縛られているみたいだモナ。そこに君の意思・・・やりたいこととか、なった後の目標とかはあるのかモナ?」

(`・ω・´)「それは・・・」

( ´∀`)「もうすこし軽く考えてみるモナ。何もエリートになることが全てじゃあないモナ」

( ´∀`)「僕だってあの世とこの世の繋ぎ目・・・つまりこの三途の川の船頭なんだモナ」

( ´∀`)「でも副業でバーボンハウスを開いたんだモナ」

(`・ω・´)「・・・バーボンハウスは、面白いですか?」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:50:15.01 ID:pZXo+YlG0
((*´∀`)「当然だモナ。死者と雑談するのは楽しいモナ。死者はたくさん来るからお話のレパートリーがすごいんだモナ」

店長は嬉々として語る

(*´∀`)「君も頭が良いんだったら、バーボンハウスを開いてみるのを考えてくれモナ。もちろん来世で」

(`・ω・´)「そうですか・・」

シャキンはいつの間にか聞き手になっていた

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:51:57.36 ID:pZXo+YlG0
(`・ω・´)「でも俺、死んだ気がしないんですよ。今しがた気づいたんですが、なんかこう・・・引っ張られるような感覚が」

(;´∀`)「アリャリャ!!それまだ死んでないだがや!」

(`・ω・´;)「えっ!?」

(;´∀`)「引っ張られるのは肉体が魂を必要としているからだモナ!!」

(;´∀`)「ちょっと待ってろモナ!今確認するから!!」

店長は奥にある電話機を取り、どこかに連絡をとる

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:53:09.50 ID:pZXo+YlG0
(;´∀`)「え〜と・・ここだモナ!」

(ピポパピポペポ)

(ガチャ) 【ハイ、こちら管理局ゥ】

(;´∀`)「おお!その声はフサギコ!ちょっと調べてくれモナ!そちらにシャキンという男の死亡確認書類は来てるモナか??」

【おう、ちょっと待てよ・・・・・・ああ、来てないな。それがどうかしたか?】

(;´∀`)「dクスだモナ!!詳細は後で言うモナ!」

(ガチャリ)

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:54:59.83 ID:pZXo+YlG0
(;´∀`)「良かったモナ!君はまだ死んでいなかったモナ!!」


(`・ω・´)「マジすかwwwwwww帰ったら俺霊丸撃てるかもwwwwww」


(`・ω・´)「うはwwwwwwww幽☆遊☆白書ktkrwwwwwwwwwwwwww」


( ´∀`)「いや、それは無理」


(`・ω・´;)「ですよねー」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:56:29.85 ID:pZXo+YlG0
( ´∀`)「そうと決まったら・・・」

( ´∀`)「とりあえず外を見るモナ」

店長が指差す方向・・・バーボンハウスの窓の外には、三つの船が川に浮かんでいた

( ´∀`)「左から、普通のボート、モーターボート、豪華客船だモナ」

( ´∀`)「どれか一つに乗って現世に帰るんだモナ!」

(`・ω・´;)「ちょ・・・豪華客船て・・・」

(`・ω・´)「じゃあモーターボートで」

( ´∀`)「ごめんモナ。モーターボートはエンジンの調子が悪かったモナ」

(`・ω・´)「じゃあ豪華客船で」

( ´∀`)「それもハリボテだったの忘れてたモナ」

(`・ω・´;)「じゃあ始めっから置いとくなよ・・・」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:58:33.61 ID:pZXo+YlG0
(#´∀`)なにか文句でも?」

(`・ω・´;)「いえ・・・なんでもありませぇん・・・」

シャキンは結局、普通のボートに乗りこむことにした

(`・ω・´)「どうも、店長。あなたに相談したらなんか気が楽になりました」

( ´∀`)「どういたしましてだモナ。バーボンハウスは客の気持ちを癒すことも仕事なんだモナ」

(`・ω・´)「俺・・・帰ったらバーボンハウスを建設したいです。店長の話しを聞いてたら俺もやりたくなっちゃって」

( ´∀`)「それは良かったモナ!頑張って資金を稼ぐといいモナ!」

店長はとても喜んでいた

そしてボートは動きだす・・・

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 00:59:55.16 ID:pZXo+YlG0
(`・ω・´)「そういえば店長、あなたの名前を聞いてなかった」

( ´∀`)「僕はモナーだモナ!シャキン君、また死んだら来てくれモナ!」

(`・ω・´;)「わ・・・わかりました」

ボートのスピードは増していく

(´∀`)ノシ「バイバイだモナー!!」

(`・ω・´)ノシ「ホントにアリガトウ!!また行きますからー!」

ボートは三途の川を下っていく

(`・ω・´;)「ちょwwwww三途の川下りkoeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!」

三途の川の終わり・・・谷底に落ちていく

(`・ω・´;)「うわっ・・・うわーーーーーーー!!!!!!」

シャキンの視界は真っ暗になった・・・

・・・
・・


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 01:01:14.47 ID:pZXo+YlG0
(`-ω-´)「う〜ん・・・」

(`・ω・´)(パチッ)「・・・ここは・・・」

(;゚Д゚)「シャキン!!起きたか!!」

J( ;'ー`)し「シャキン・・・良かった」

シャキンが目を覚ました所、そこは病院のベッドの上だった

(`・ω・´)「ギコ・・・カーチャン・・・」

(;゚Д゚)「お前が事故に遭ったから、急いできたんだぞ!!」

J( 'ー`)し「お前が轢かれてからもう二日が経っているんだよ」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 01:03:42.69 ID:pZXo+YlG0
後で聞いたことによると、自分は生死をさ迷う重体だったそうだ

友達のギコ、カーチャンはこの二日間、ほとんど着きっきりだったらしい

自分を轢いた犯人は逃亡してしまった・・・

だが、この経験は自分にとって良かったことかもしれない。何故なら『バーボンハウス』
を建設したいという夢・・・目標ができたからだ

(`・ω・´)「カーチャン・・・俺、店を開くんだ・・・いつか」

J( 'ー`)し「そう・・・そのためには早くケガを治さないとね」

(`・ω・´)「うん・・・」

今はまだベッドの上。でもいつか絶対にバーボンハウスを建てる!
絶対治して頑張るぞー!

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 01:05:38.21 ID:pZXo+YlG0
・・・10年後・・・


シャキンは働いて貯めた資金を元手に、VIP街にバーボンハウスを建てた。

まだまだ広いとは言えないが、シャキンは生き生きと、楽しくやっている。

店の入りもなかなかで、帰っていく客達は皆気持ちが癒されるとのこと・・・

(カランコローン)

(`・ω・´)「やぁ、ようこそバーボンハウスへ。このコーラはサービスだからまず落ち着いてほしい」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/17(木) 01:07:15.17 ID:pZXo+YlG0
( ・∀・ )「一つの出来事が人生を変えていくのはおもしろいですね」

( ・∀・ )「限りなく存在する未来・・・それが全て正しいか、そうでないかはあなた次第」

( ・∀・ )「それを踏まえて、今後の人生を有意義に生きていくべき、という所ですか」

( ・∀・ )「シャキンさんは良い方向に向かって行くでしょう・・・自分のやりたいことが見つかったのですから・・・」

( ・∀・ )「それではまた会いましょう・・・」

第2話 終


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