(#゚;;-゚)でぃがヒマワリをさがしているようです
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:00:42.22 ID:O6eimVGT0
- つぎのひ、でぃはまたかめさんのところにいきました。
「かめさん」
「おやおや、ヒマワリはあったかい」
「それが、やっぱりにんげんからはもらえないです」
「そうか……」
「どうにかして、にんげんからもらわずにヒマワリのはなをてにいれられないでしょうか?」
「うーん」
さすがのかめさんも、このしつもんにはうでをくんでかんがえだしました。
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:02:47.12 ID:O6eimVGT0
- 「かめさん、おねがいします」
「あるにはあるが、とてもかくりつがひくい……」
「かまいません、おねがいします」
でぃがそういうと、しぶしぶといったようすで かめさんは はなしはじめました。
「にんげんのおはかに、もしかするとあるかもしれん」
「にんげんの おはかですか?」
「そう、ヒマワリがすきなひとのおはかになら、きっとあるとおもうが……」
「ありがとう、かめさん」
でぃはまたすぐにまちへとはしりだしました。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:04:52.56 ID:O6eimVGT0
- まちのおはかのばしょは しっています。
おはかにつくと、すぐに一つ一つそのおはかをみてまわりました。
ひゃくちかいかずの おはかを さがしおわるころには、もう ひはおちるすんぜんでした。
「ない……」
ひとつのみおとしもないように、しっかりとさがしました。
それでも、ヒマワリのはなはありませんでした。
でぃががっかりしながらかえろうとすると、まえからにんげんがきます。
そのてにきいろいはながあるのをみのがしませんでした。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:07:07.81 ID:O6eimVGT0
- でぃは そのにんげんに ちかづきました。
「すみません、そのはなは なんというなまえのはなですか」
「なにこのねこ」
にんげんはでぃをにらみつけると、すぐにけりとばしました。
むかしのきずがいたみます。
くじけそうになりましたが、あきらめれません。
しぃのために、がんばらないといけません。
「おねがいします、ヒマワリだったらいただけないでしょうか」
またけられました。
でぃはまたころがりました。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:09:13.30 ID:O6eimVGT0
- おなかがじんじんといたみます。
それでもしぃのためです、がまんしてでぃは にんげんをうしろからみていました。
そしてにんげんがかえったことをかくにんして、きいろいはなのところへ ひらりとジャンプしました。
「ざんねん……」
そのはなはヒマワリではありませんでした。
しかしでぃはきづきました。
これからくるにんげんを ひとりひとり かくにんすればよいのです。
よるにはゆきがふりましたが、でぃはおじぞうさまのとなりでねました。
すごくさむいですが、しぃのためです。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:11:24.45 ID:O6eimVGT0
- つぎのひ、ゆきがまだうっすらとつもるなかにんげんがきました。
たいようはまだでていません、それでもでぃはおきると にんげんのあとをついていきました。
そしてにんげんがかえると、そのはなをかくにんしました。
「これもちがうわ」
しぃのため、ひとりのにんげんも のがしません。
でぃはあさはやくにおきてから よるおそくまで おはかをみはりました。
よるはゆきのふるさむいなか、ひとりでからだをまるめてねました。
こんなときは、しぃのあたたかさがよみがえってきます。
そうおもうたび、でぃはがんばろうとおもいました。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:13:30.78 ID:O6eimVGT0
- それからすうじつがたちました。
でぃのからだは もうがりがりです。
はたからみれば しんでいるようなかっこうでしたが、でぃはあきらめずに がんばっていました。
そんななか、にんげんのおやこがあるいてきました。
みてわかりました、そのてにはヒマワリのはながあります。
でぃはそのばしょでおどりたいようなきもちになりましたが、がまんしてそのおやこをみていました。
「おとうさん、どうぞ」
こどもがむじゃきに、おとうさんのおはかにヒマワリをさしました。
かぞくは てをあわせると、すぐにかえっていきました。
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:15:35.46 ID:O6eimVGT0
- でぃはピョンとそのおはかのまえにたつと、はなをかくにんしました。
「やっぱりヒマワリだ、だけど……」
でぃはなやみました。
じぶんとおなじで、たいせつなひとのためにそなえたはなを とっていいものだろうか。
すこしなやむと、でぃはちかくで きいろい ちいさいはなをみつけて くちにくわえてきました。
ヒマワリをもらうと、かわりにそれをおそなえしました。
そしておはかにいのります。
「ごめんなさい、ほんとうにごめんなさい……」
くちにヒマワリをくわえると、でぃはひらりとじめんにおりて すぐにはしりだしました。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:17:39.09 ID:O6eimVGT0
- でいはあしをがくがくにしながら、それでもがんばってはしりました。
ここすうじつなにもたべてないので からだはひめいをあげています。
それでもでぃはえがおでした。
そらにおおきくかがやく たいようが まぶしいですが、かおをそむけません。
ヒマワリのように、しょうめんからしっかりとたいようにむかって はしっていました。
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 18:19:43.91 ID:O6eimVGT0
- たいようのひかりが うえからさすなか、まっきいろのきれいなヒマワリを しぃのおはかにそえました。
「しぃ、これがヒマワリっていうのよ、おおきいでしょう」
ずっとでぃは、おはかにむかって えがおではなしをしていました。
そしてゆうひがおちるころに、さよならをいって スキップでいつもの きのしたにかえりました。
ひさしぶりのじぶんのいどころです。
きのみをかじりながら、ここすうじつのつかれをとるように でぃはねむりにつきました。
「……さむい」
そのひもよるはゆきでした。
戻る | 次へ