( ^ω^)ブーンが特殊部隊になったようです
- 52 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:34:42.87 ID:Hbub/psI0
- chapter8.埋伏
―――ランリッツベルグ・南東ブロック―――
北西方向に現れた敵の集団はどんどん数を増していた。
30人、50人、80人・・・今では100人を超えていた。
(´・ω・`)「こちらショボン。ジョルジュ、敵の集団はまだ増えてるよ」
ショボンは校舎の上階に陣取り、やってくる敵を監視していた。時おり別の方角を見ては、敵の侵入をチェックする。
クーとブーンがいれば、監視はドクオが肩代わりしてくれて幾らか楽なのだが。
だが敵は北西方向からしか来てなかった。
- 53 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:36:40.84 ID:Hbub/psI0
-
( ゚∀゚)「了解。北西以外からの敵の侵入は?」
(´・ω・`)「ないね。数に任せて多方向から来たらいいのにね」
( ゚∀゚)「こいつは素人かもわからんぜショボン」
(´・ω・`)「だね」
そのうちに、全く動くもののいない校舎を不審に思った敵が歩み始めた。
ゆっくりと、いささか各員の距離を詰め過ぎながらこちらに迫ってくる。
('A`)「!敵集団接近」
( ゚∀゚)「ショボン、要注意は幾つある」
(´・ω・`)「えーと・・・RPGが4、軽機が5・・・うん!?」
( ∵)「どうした?」
- 55 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:38:46.64 ID:Hbub/psI0
-
(´・ω・`)「・・・呆れたね。彼ら、軽機を前面に出して前進してる」
('A`)「mjd?」
通常、軽機関銃は後方から味方の援護を行うものだが、テロリスト達は機関銃手も一緒に散開し前進していた。
( ゚∀゚)「おいおい、ロクな訓練受けてねえんじゃないのか?」
从゚∀从「ですよねー。ってことはホントに素人さんの集まりですかー」
( ゚д゚ )「・・・それでも容赦はしませんがね」
('A`)「そろそろ来るぞ!」
ジョルジュ達は、ショボンを除いて各員がそれぞれの担当範囲を受け持つ形で、クレイモアの起爆スイッチを持っていた。
起爆するタイミングを慎重にうかがう。その間にも敵は迫ってくる。
- 56 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:39:21.42 ID:Hbub/psI0
-
('A`)「まだか?」
( ∵)「まだ待て・・・そうだ・・・こっちに来るんだ」
敵は無謀にもどんどん殺傷地域に足を踏み入れていく。
ジョルジュが、まるでゴキブリホイホイだなと冗談を飛ばす。
敵は足音が聞こえるほど近くに来ていた。
('A`)「ビコーズ!まだか?」
( ∵)「よし。行くぞ!」
( ∵)「3・・・」
( ∵)「2・・・」
- 58 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:41:20.23 ID:Hbub/psI0
-
( ∵)「1・・・点火!」
敵の1人が、ドクオに気づき、あ!と声を上げる。
ジョルジュ達は一斉に、手元の起爆クリップを握る。
次の瞬間、M18クレイモア指向性地雷は爆発し、700個の鉄球を放出した。
火薬で撃ちだされた700個の鉄球の威力は筆舌に尽くしがたい。例えれば、大粒の散弾を全身に喰らったようなもので、
ドクオを発見したテロリストを初めとする、有効射程内にいた敵は、まるでボロ雑巾のように吹き飛ばされた。
上半身ごと、腕ごと、頭ごと、あらゆる残酷な死に様がそこにはあった。
一斉に起爆したクレイモアは、扇状の殺傷範囲内にいた敵をほぼ無力化した。
愚かにも、前面にいた軽機関銃は全滅した。
- 59 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:43:48.30 ID:Hbub/psI0
-
( ゚∀゚)「ミルナ!やれ!」
( ゚д゚ )「了解!」
ミルナは、グレネードランチャーから照明弾を発射した。
それはテロリストたちの頭上で煌々と輝き、あたりを昼間に変えた。
( ∵)「撃て!」
从゚∀从「りょうかーい!」
一番端に陣取るハインリッヒがMINIMIを連射して、敵を逃がさないように、的確に倒してゆく。
ジョルジュもMk48を連射して、2つのマシンガンの射線が敵を蹂躙する。
次々と敵を薙ぎ倒す。
- 61 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:45:36.01 ID:Hbub/psI0
-
(´○ω・`)「1・・・2・・・3・・・」
ダン ダン ダン
ショボンはテロリストに気付かれない位置から狙撃していた。
味方を援護しようとしているRPGの射手、軽機関銃手から優先して倒していく。
全て左胸をぶち抜いていた。こういう時に半自動の狙撃銃は強いんだよね。ショボンはそう思った。
('A`)「リロード!」
ドクオは仲間にそう告げて、弾倉を交換する。入れ換え時の隙を味方にカバーしてもらう為の知恵だった。
( ゚д゚ )「・・・」
ミルナはドクオが弾倉を交換している間、発砲の間隔をやや短くする。
ふと、くぼみに隠れている複数の敵を発見する。とっさに左手で弾倉を握り、
グレネードランチャーの引き金を引いた。40mm榴弾がど真ん中に着弾し、まとめて始末した。
- 62 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:47:36.51 ID:Hbub/psI0
-
一挙に多数を失った敵は、銃を連射しながら数に任せて突っ込んでくる。
ある意味ジョルジュ達が一番恐れていたことだった。
(;゚∀゚)「やばい!ビコーズ、気をつけろ!」
ジョルジュもマシンガンを連射するが、時おり敵の反撃があり、そのときは銃撃が止ってしまう。
ショボンのお陰でRPGが飛んでくることは無かったが、それでも敵はビコーズ達に突進して行く。
('A`)「弱いのか強いのか分からんぜこいつ等!」
押し寄せる敵をM4で撃ちながらドクオが叫ぶ。
- 63 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:49:50.85 ID:Hbub/psI0
- 「うおおおおおおおおお!!!!!」
「わああああああああああ!!!」
絶叫しながら、撃ち漏らした数人の男が横に飛び降りてくる。敵愾心をむき出しにしてドクオに向き直る。
('A`)「クソ!」
確実にM4で頭を貫き、数人を倒す。そこで弾丸が尽きた。
弾倉を交換する暇はない。そこで腰のホルスターからシグ・ザウエルを抜いて2発ずつ撃ちこむ。
左の敵を全て倒すと、こんどは右から敵の気配がした。
('A`)「このやろう!」
振り返り、同じように拳銃弾を叩き込んだ。すると拳銃も弾切れを起こした。
- 64 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:52:24.53 ID:Hbub/psI0
-
('A`)「リロォード!!!」
ズサッ
背後に着地音がする。ドクオが振り返ると、またしても男達がいた。
ただ、決定的にまずいのは、ドクオは今発砲可能な火器を持っていないことだ。
アサルトも拳銃も弾が切れている。
(;'A`)(ヤバ・・・!!)
从゚∀从「お兄ちゃんどいて!!!!そいつ殺せない!!!!!」
(;'A`)「うおっ!!」
ドクオが慌てて伏せると、ハインリッヒが男達をまとめて蜂の巣にした。
器用に、ビコーズに当たらないように連射し、そのまま前面の掃射に戻る。
- 65 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:54:33.28 ID:Hbub/psI0
-
(;'A`)「誰だよお兄ちゃんって!」
从゚∀从「さー?気にしない気にしない」
('A`)「・・・」
ハインリッヒが敵を抑えている間に、ドクオは拳銃とM4に素早く弾を込めた。
ドクオが再び戦列に戻る頃には、敵はほとんど沈黙していた。逃げようとするものをショボンが容赦なく狙い撃っていた。
かつては子供達が目を輝かせて学び、遊んでいた小学校。生の輝きに満ちていたその場所の外は、
今や人体が散乱する死の世界になっていた。
あたり一帯に火薬の臭い、血や脂の臭いが漂っていた。それも彼らチームVIPには慣れっこな光景だった。
- 66 名前:642 ◆y2aT3ezeJ6 :2006/08/17(木) 21:57:33.78 ID:Hbub/psI0
-
(´・ω・`)「こちらショボン。ジョルジュ、敵集団はほぼ壊滅したよ」
( ゚∀゚)「了解。ショボン、降りてきていいぜ」
( ゚∀゚)「HQ、こちらチームVIP。敵集団を殲滅した。墜落地点に移動する」
戦闘が終わって初めて、作戦本部に連絡する。
ξ゚听)ξ「・・・了解しました。出来るだけ迅速にお願いします」
( ゚∀゚)「了解」
( ゚∀゚)「全員西に移動しろ!墜落地点に急ぐぞ!」
( ∵)('A`)从゚∀从( ゚д゚ )(´・ω・`)「了解!」
ジョルジュ達はその場を離脱して、墜落地点に向かった。
初めはショボンやジョルジュが援護して、お互いにカバーしつつ抜け出す方法をとった。
そして、おびただしい数の屍骸だけが後に残された。
- 2 642 ◆y2aT3ezeJ6 2006/08/21(月) 19:54:21.53 ID:YHq9ybje0
- ―――作戦本部―――
「オスカー23、着陸する」
クーとブーン、そしてセルゲイ・クワシクを乗せたリトルバードは、ランリッツベルグ北西24Kmの空軍基地に帰還した。
予定より遅く、随分人数の少ない帰還。さらに乗ってきたヘリの種類も違っていた。
ここに来る途中で墜落現場も見た。直ちに降下して救出したかったが、まずはクワシクの護送が第一だった。
2人は腰のカラビナから命綱を外し、貨物室のドアを開ける。
拘束されたクワシクのシートベルトを外し、ヘリから降ろす。
後ろから小突くようにして歩かせ、荒巻達のいる格納庫へと歩いていく。
- 3 642 ◆y2aT3ezeJ6 2006/08/21(月) 19:56:49.56 ID:YHq9ybje0
- 川 ゚ -゚)「さっさと歩け」
「・・・・・・」
クワシクがきつくクーを睨みつけるが、クーは意に介さない。
そのうちに、格納庫内に着いた。
( ^ω^)「大佐、クワシクを連れて来ましたお」
/ ,' 3「ご苦労さん。まず当初の目標は確保だ」
ξ゚听)ξ「チームVIP、たった今クワシクが到着しました」
ツンが、今ごろランリッツベルグにいるであろう6人に通信している。
- 5 642 ◆y2aT3ezeJ6 2006/08/21(月) 19:58:48.23 ID:YHq9ybje0
/ ,' 3「猿轡を解いてやれ。あと口内のチェックを忘れるなよ」
( ^ω^)「了解ですお」
ブーンはクワシクの猿轡を外した。と同時にクーがクワシクの頭に拳銃を突きつける。
「!!!何を・・・!!」
川 ゚ -゚)「喋ると撃つぞ。ブーン、お口の中を見てやれ」
(;^ω^)「ちょwwwwww何で僕なのかお!」
( ^ω^)「オッサンの口の中は見たくないけど仕方ないお。さっさと口を開けお」
無理やりクワシクに口を開けさせ、ライトで口腔内を確認する。
自殺用の青酸カプセルでも入っていたら一大事だからだ。
( ^ω^)「テラ加齢臭wwwwwwwwwクサスwwwwっうぇ」
ξ゚听)ξ「何やってんの」
(;^ω^)「スマンコ。何もありませんでしたお」
クーが拳銃をしまう。
- 6 642 ◆y2aT3ezeJ6 2006/08/21(月) 20:00:48.71 ID:YHq9ybje0
/ ,' 3「セルゲイ・クワシクだな。天国大使館占拠事件を首謀した容疑で拘束する」
/ ,' 3「貴様には黙秘権・弁護士をつける権利・その他被疑者の権利一切は認められんぞ」
/ ,' 3「さっさと吐くもの吐いて楽になるんだな」
「・・・ニューソクの犬が!!!」
川 ゚ -゚)「黙れ」
クーが軽くボディブローを入れる。
クワシクは一瞬吐きそうになり、それをこらえる。
川 ゚ -゚)「お前のせいでこんな街に来なきゃいけなかったんだ」
川 ゚ -゚)「情報局のきつい尋問が待ってるからな。覚悟しておけ」
「それで脅したつもりか?NIAをなめるなよ」
クワシクは圧倒的に不利な立場に居るというのに、一切弱みを見せようとはしなかった。
ただの虚勢なのか、それとも本当に恐れを抱いていないのか。
- 7 642 ◆y2aT3ezeJ6 2006/08/21(月) 20:02:54.02 ID:YHq9ybje0
川 ゚ -゚)「違うな」
「何だと?」
川 ゚ -゚)「さっきのは思いやりの言葉だ」
川 ゚ -゚)「帰ってきたら私が行くぞ。情報局ほど生ぬるくないんだ私は」
そう言ってナイフを抜き、空中に投げる。一回転したナイフを掴み、またシースに収める。
川 ゚ -゚)「大佐、こいつをどこに」
/ ,' 3「外に情報局の人間が着いているはずだ。引き渡せ」
川 ゚ -゚)「了解」
「おのれ!この人殺しどもめが!!かならず天罰がウゲェッ!!!」
川 ゚ -゚)「黙ってろと言っている」
クーの膝蹴りが見事に鳩尾に入っていた。
そのままヨロヨロと、外に連行されるクワシク。
ブーンはその場に残った。クー1人でも安心だと思ったからだ。
- 10 642 ◆y2aT3ezeJ6 >>8ありがとう! 2006/08/21(月) 20:06:34.45 ID:YHq9ybje0
( ^ω^)「大佐、僕たちは現場に戻りますお」
/ ,' 3「まあ待て。リトルバードの燃料が尽きたから今補給中だ」
/ ,' 3「あと弾薬を多めに持って行け」
( ^ω^)「了解ですお」
ブーンは一箇所に固まった武器弾薬の前に行き、使用した手榴弾や弾丸を補充し始めた。
あの様子では、敵の数はとても多いに違いない。できるなら補給していった方が良かった。
「・・・こちらジョルジュ。HQ,敵を殲滅した・・・」
( ^ω^)「ジョルジュ!」
無線機からジョルジュの声が聞こえる。
あの数の敵を殲滅したらしい。流石と言うべきだろうか。
そのうちに、クーが戻ってきた。クーも同じように弾薬を補給する。
- 12 642 ◆y2aT3ezeJ6 2006/08/21(月) 20:09:10.23 ID:YHq9ybje0
/ ,' 3「クー!ブーン!」
川 ゚ -゚)( ^ω^)「なんですか(お)?」
/ ,' 3「お前らはジョルジュ達と別のルートで墜落地点に行け」
( ^ω^)「なんでですお?」
/ ,' 3「ひょっとしたらギコ達は既に脱出しているかもしれん。その場合彼らは敵中で孤立していることになる」
/ ,' 3「とにかく早くクルーを保護しろ。無線が死んだのか連絡がつかん」
川 ゚ -゚)「リトルバードで直接墜落地点に行けば良いのでは?」
/ ,' 3「危険だな。敵が集まっていた場合、またミサイル攻撃を受けるかもしれん」
川 ゚ -゚)「なるほど」
( ^ω^)「了解ですお」
それから数十分後、リトルバードの燃料補給が終わった。
2人は再び、ランリッツベルグへと戻っていった。
- 15 642 ◆y2aT3ezeJ6 何でもいいので適当に書いてくれれば有難い 2006/08/21(月) 20:12:41.11 ID:YHq9ybje0
- ―――ランリッツベルグ・北東ブロック―――
流石兄弟は、自室でくつろいでいた。
タバコの煙は漂っておらず、両者の顔にはいくらか傷が見えた。
相変わらず電気はつけていない。スピーカーからはジョン・コルトレーンが流れている。
( ´_ゝ`)¶∩「・・・本当か・・・ああ分かった。後でまた」
(´<_` )「どうした兄者」
弟者はテーブルのキャラメルコーンを食べながら尋ねた。幾つになっても食べられる味だ。
窓の外からは時々銃声が聞こえてきていた。
( ´_ゝ`)「いやな、小学校跡に送った奴らが全滅したらしい」
(´<_` )「・・・本当か!」
弟者は手にしたキャラメルコーンを取り落とした。
- 16 642 ◆y2aT3ezeJ6 何でもいいので適当に書いてくれれば有難い 2006/08/21(月) 20:16:00.66 ID:YHq9ybje0
(´<_` )「結構な数を送ったのだろう?」
( ´_ゝ`)「まあ素人の集まりだったからな。なんでも斥候を出さずに前進したら待ち伏せを喰らったんだと」
(´<_` )「敵の数は知らんが少人数だろ?」
( ´_ゝ`)「多分な。聞くと、軽機やRPGを前面に押し出していったらしい」
(´<_` )「その結果が全滅か。馬鹿馬鹿しい。なんでそんな奴らを動員したんだ」
( ´_ゝ`)「[例の部隊]がどれだけ強いのか知りたくてな」
(´<_`;)「・・・。落ちたヘリの方は?」
( ´_ゝ`)「一応動員をかけさせた。そっちはやや使える奴らだと思う」
(´<_` )「仕事だけは速いな。流石というかなんというか」
( ´_ゝ`)「だけとは何だ」
兄者は残ったキャラメルコーンを一気につまんで食べた。
(´<_`#)「あっ・・・!!!」
再び、暗い室内に取っ組み合いの音が響いた。
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