( ^ω^)ブーンが特殊部隊になったようです
34 名前:642 :2006/08/17(木) 20:42:13.63 ID:Hbub/psI0
chapter7.逃避

―――ランリッツベルグ・北西ブロック―――

( ,,ーДー)「・・・ン・・・グ・・・」

( ,,゚Дー)「・・・!?」

ブラックホークの残骸の中、ひび割れたガラスの中でギコは目を覚ました。
墜落の衝撃で頭がぼんやりしていたが、すぐに何があったのかを思い出した。

35 名前:642 :2006/08/17(木) 20:45:07.01 ID:Hbub/psI0

( ,,゚Д゚)(そうだ・・・確かミサイルを喰らって落とされて・・・)

ギコは自分の手を握る。腕は大丈夫。足は・・・大丈夫指はちゃんと動く。

( ,,゚Д゚)(神経はやられずに済んだな・・・)

そう思って安心したのも束の間、自分の隣に座っている者の事を思い出した。

( ;,゚Д゚)「しぃ!?」

慌てて左を振り向く。急に動かしたが、幸いにも首に怪我はしてないようだった。
今日配属されたばかりの部下は、目を閉じてコクピットで力なく横たわっていた。
と言ってもブラックホークが横倒しになっているのでギコも横向きになっていた。


36 名前:642 :2006/08/17(木) 20:48:10.78 ID:Hbub/psI0

( ;,゚Д゚)「しぃ!!おい!!起きろ!!大丈夫か!?」

思わず最悪の事態を考えてしまう。それを打ち消そうと、大声で呼びかける。
左手を伸ばし頬をペチペチと叩く。

(*>ー<)「うん・・・・・・」

しぃは目を覚まし、ギコと同じようにしばらく呆然としていた。

(*゚ー゚)「ここは・・・?」

( ,,゚Д゚)「しぃ!気づいたか!?」

(*゚ー゚)「・・・ギコ中尉?一体どうなって・・・」

( ,,゚Д゚)「対空攻撃!
     ドアガンナー死亡、ヘリ墜落!
     今ここだ!」

(*゚ー゚)「・・・!!!」

やっと思い出したようだった。そして慌て始めた。

37 名前:642 :2006/08/17(木) 20:50:22.78 ID:Hbub/psI0

(*゚ー゚)「ドッどうしましょう!!!!?????ここはどこですか!!??助けは!!

( ,,゚Д゚)「落ち着けゴルァ!!」

(*゚ー゚)「!!!!」

大声でなんとか落ち着かせる。

( ,,゚Д゚)「身体は動くか?」

しぃも同じように体の各所を動かす。

(*゚ー゚)「はい。大丈夫です」

( ,,゚Д゚)(ホッ)

( ,,゚Д゚)「HQ、こちらゴルフ12・・・HQ、こちらゴルフ12・・・」

ギコは無線機に報告するが、作戦本部につながる様子はなかった。
どうやら無線機能は完全にダウンしているらしい。


38 名前:642 :2006/08/17(木) 20:53:03.08 ID:Hbub/psI0

( ,,゚Д゚)「・・・畜生。しぃ、ここから脱出するぞ!」

(*゚ー゚)「え?助けは待たないんですか?」

( ,,゚Д゚)「普通ならそうするぜ。だけどな、ここは敵の真っ只中だからな」

シートベルトを外し、慎重に後部キャビンに移動する。
左腕にガラス片が突き刺さって出血していたが、幸い致命的では無さそうだった。

( ,,゚Д゚)「ライアン、大丈夫か・・・!!!」

一緒に落ちたドアガンナーの安否を確認する。
ドアガンナーは、既に銃撃を受け殺された、もう1人のドアガンナーに折り重なるようにして倒れていた。
その首は通常ありえない方向に曲がっていた。
恐らく地面と衝突した時に負った傷だった。

( ,,゚Д゚)「クソ・・・ッ!」

39 名前:642 :2006/08/17(木) 20:57:06.30 ID:Hbub/psI0
振り返り、シートベルトを外したしぃに手を貸す。
腕を掴み、一気に引っ張り上げたその時、しぃの顔が苦痛に歪む。

(*゚ー゚)「うっっ!!??」

左足を押さえ、コロリとその場に倒れこむ。

(*゚ー゚)「足が・・・!」

( ;,゚Д゚)「折れたのか!?」

(*゚ー゚)「はい」

( ,,゚Д゚)(こいつぁまずいぜゴルァ)

( ,,゚Д゚)「大丈夫か?まずはこっちまで来てみろ」

再び腕を取り、今度は優しく引っ張り上げる。

40 名前:642 :2006/08/17(木) 20:59:43.24 ID:Hbub/psI0
しぃはドアガンナー2人を見て一瞬驚愕したが、直ぐにその表情は悲しみに変わった。
2人とは短い付き合いになってしまったが、今日ここに来るまでは、同じクルーの先輩後輩だったのだ。
彼女は自分が身を置く世界の過酷さを痛感した。
もちろんギコも辛いであろう。なにせ自分の部下が殺され、さらに落とされた。
それでも気丈にしているのは自分がまだ生きているからであり、これからも生きようと思っているからであろう。

( ,,゚Д゚)「しぃ、ちょっと足見せてみろ」

(*゚ー゚)「・・・はい」

ギコはゆっくりと優しく、しぃの足を触って怪我の度合いを確かめる。
膝を下りて中ほど、すねの辺りでしぃの顔に苦悶の表情が浮かぶ。

( ,,゚Д゚)(こりゃ折れてやがる・・・)

( ,,゚Д゚)「ちょっと我慢しろよ」

ギコは機体の中から、添え木代わりになりそうなものを探し、しぃの足に添えて応急措置をした。
一応初歩的な手当ての仕方くらいは習っていた。

41 名前:642 :2006/08/17(木) 21:01:45.90 ID:Hbub/psI0

( ,,゚Д゚)「・・・これで良しと。歩けるか?」

(*゚ー゚)「はい。何とか」

しぃは何とか立ち上がり、2歩程歩く。1歩踏み出すごとに痛みが彼女を襲ったが、歩くことは出来そうだった。

( ,,゚Д゚)「そうか・・・良かったぜ」

ギコはキャビン内のガンケースを探し、開ける。中には数丁のアサルトライフルとサブマシンガンが入っていた。
ギコはその内の、サブマシンガンを取り出した。怪我人を連れて逃げるには、アサルトライフルはあまりにも重く、嵩張る。
     ≒コ=
( ,,゚Д゚)つ‖「しぃ、お前はこれを持て。首から下げてりゃ良い」

しぃにMP-7PDWを渡す。航空機搭乗員でも使える、拳銃並みにコンパクトな自動火器だった。
スリングをしぃの身体に渡し、弾倉をポケットに突っ込んでやる。
そして、自身はMP-5とその弾倉を取り出した。いつも乗せてるチームVIPの連中ほど上手く扱う自信は無いが、
それでもずぶの素人というわけではない。つい半年前に護衛用火器の訓練も受けた記憶があった。


42 名前:642 :2006/08/17(木) 21:04:03.76 ID:Hbub/psI0

(O,゚Д゚)O  ソーッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

横倒しになった後部キャビンの側面ドアをゆっくりと開け、恐る恐る辺りをうかがう。
周囲に人はいない様子だった。ただ、いつテロリストが襲ってくるかはわからないから、出来るだけ早くこの場を離れたかった。
さっと外に這い出て、テイルブームの付け根に上る。無残に折れたテイルブームを見て舌打ちした。

( ,,゚Д゚)つ「行くぞ。我慢しろよな!・・・フンッ!」

一気にしぃの腕を掴んで引き上げた。両手で彼女の身体を抱きかかえ、ゆっくりと降ろしてやる。
そして自分が先に地面に降り、しぃを降ろす。

(*゚ー゚)「これからどうしますか?」

( ,,゚Д゚)「そうだな。人通りの少ないところを逃げるぞ」

(*゚ー゚)「はい。了解しまし―――」

ダダダダダダダダ

( ,,゚Д゚)(*゚ー゚)「!!!!」


43 名前:642 :2006/08/17(木) 21:08:04.21 ID:Hbub/psI0

突如飛び出てきた男がAKをフルオートで乱射してきた。
強い反動で初弾以外はギコ達の遥か上に飛んでいく。

( ,,゚Д゚)「この野郎が!!!」

ギコは右手でMP5を撃った。多くは男の胴体に当たり、男は倒れた。

( ,,゚Д゚)「ここもそろそろあぶねえ!逃げるぞ!」

(*゚ー゚)「はい!!!」

しぃに肩を貸し、2人はその場を離れていった。



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