( ^ω^)ブーンが特殊部隊になったようです
- 2 名前:642 :2006/08/13(日) 20:59:48.33 ID:jPs5JbKK0
- ( ^ω^)ブーンが特殊部隊になったようです。
【File2.ランリッツ急襲作戦】
chapter1 喧騒
―――ニューソク連邦共和国・ランリッツベルグ―――
「デモを中止し、直ちに解散しなさい!繰り返す!直ちにデモを中止して解散しなさい!!」
「ランリッツから出て行け!」 「ぶっ殺すぞォ!」
「うるせー!」
「うほ」 「ニューソクの犬が!」
「子供を返せえぇ!!」 「アッッー!」
ここはニューソク連邦共和国、ランリッツベルグ。首都のキタコレシティから南に500Kmに位置する都市である。
そろそろ日も暮れようかという夕方、市街の真ん中を貫く大通りには、まるで花火大会でも催されているかのような
尋常ではない数の人間が居た。人の群れはある地点で止まり、後続が続々と押しかけてくる。
いわゆるデモである。お約束な展開のように、今や暴動寸前になっていた。
群衆の流れが止まった先には、銀色の光を放つジュラルミンの盾を構えた警官隊がずらりと並んでいる。
頭にはフェイスガードの透明板が付いたヘルメットを被って堂々と威圧的に群衆を待ち受けている。
警察所属の装甲車が2,3台側面を向けて停車していて、そのうちの1台の上で、指揮官と思われる人物が
目の前の興奮した群衆に向かって拡声器でデモの解散を呼びかけている。
しかし群衆はその呼びかけを聞く気は微塵も無さそうだった。それどころか余計に興奮しているように思えた。
卵や物を投げるものもいた。しかしそれらは警官隊に届かず、警官隊はびくともしない。
- 3 名前:642 :2006/08/13(日) 21:01:17.95 ID:jPs5JbKK0
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(Q^ω^)「こちらブーン。なんかどんどん熱くなってるお」
(Q∵)「把握している。ショボン、ドサクサに紛れて何かやらかす奴が居たら殺れ」
(Q´・ω・`)「了解。今のところは熱狂してるだけだね」
(Q'A`)「まだまだこれからだ。何時何が出てくるやら」
ニューソク連邦共和国には、最強の対テロ部隊として恐れられている集団があった。
内務省直属の、最新の装備と厳しい鍛錬を積んだ部隊。その名は[TEAM-VIP]。
そのチームVIPから、4人がここランリッツベルグに派遣されていた。
現地の警察部隊の数が足りないために、急遽助っ人としてデモの監視と危険人物の排除の任にあたっていた。
チームVIPの存在は秘密だったため、ブーンたちは機動隊の制服を着ている。
やたらと質の高い武装が少々目立ったが、現地の警察官達は中央から来たエリートなのだと勝手に脳内補完していた。
デモに参加する民衆は興奮状態にあり、そこがテロリストの付け入る隙を生む。彼らはデモ隊を眼下に見下ろせる位置に居た。
大通りを挟むように建っているビルの階段踊り場から、
隊長のビコーズとブーン、ドクオとショボンが2手に分かれてデモの様子を見る。
- 4 名前:642 :2006/08/13(日) 21:03:39.67 ID:jPs5JbKK0
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タタタタタタタッ
(Q^ω^)「!!!!」
突如、熱狂する群衆の中から発砲音が響く。聞きなれた音だ。AK-47の銃声だった。
(Q∵)「さっそく来たぞ!ショボン、発砲を許可する!」
(Q'A`)∞「あそこだ!赤い飲食店看板の下だ!」
双眼鏡を覗くドクオが、銃をあたりかまわず発砲する覆面男を見つける。
狙撃銃のスコープは倍率が高く遠くの目標を補足できる反面、視界が狭くなり索敵には不向きである。
そこでスポッターと呼ばれるスナイパーの護衛を兼ねる索敵役が必要とされる。
ドクオの指示に従い、高性能半自動狙撃銃PSG1の照準を動かすショボン。
(Q´○ω・`)「・・・・・・」 カシュッ
一瞬息を止め、スコープの十字線をテロリストの頭に合わせて静かに引き金を引く。
サイレンサーの付いたPSG1で、音もなく一撃で仕留める。
- 5 名前:642 :2006/08/13(日) 21:05:00.64 ID:jPs5JbKK0
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(Q´・ω・`)「1名排除」
(Q∵)「了解。引き続き監視を続ける。・・・あれは!?」
(Q^ω^)「まさか!」
ビコーズ達が見たのは、先端に菱形の弾頭が着いた長い筒状の物を担ぎ、狙いをつけている男だった。
(Q'A`)「R ・ P ・ G ! ! 」
バシュウッとガスの噴出す音の後に菱形の弾頭が発射された。歩道橋の上から発射され数メートルほど飛んだ弾頭はフィンを展開し、
群衆の前に立ちふさがる装甲車に真っ直ぐ突っ込んで行った。装甲車の横腹に弾頭が吸い込まれ、一瞬膨らんだ後に
周りの警察官ごと吹き飛んだ。爆風に思わず身をすくめるブーン達。
(Q∵)「畜生、やられた!ブーン!」
(Q^ω^)「わかったお!」
ブーンはM16A2のスコープを覗き、素早く2発撃った。男の左胸と肩に血煙が上がる。
- 6 名前:642 :2006/08/13(日) 21:08:15.77 ID:jPs5JbKK0
- ところが、ロケットを撃った男を倒すが早いが、今度は群衆の中から火炎瓶が投げられる。
ジュラルミンの盾とヘルメットも火焔の前には歯が立たない。火達磨になった警官が転げまわる。
ここで警官隊は催涙ガスを発射して反撃した。辺りに煙が立ちこめ、目と鼻を押さえた群衆が逃げ惑う。
まさに地獄絵図だった。
更に最悪なことに、大通りのそこかしこからAKの発砲音が響く。
弾丸は容赦なく警官隊を襲い、装甲車の上にいた指揮官をもなぎ倒す。
ブーン達も確実に敵を倒していったが、敵の数は一向に減らない。
(Q'A`)「どうなってんだよこの街は!」
ドクオがM4を撃ちながら悪態をつく。警官隊は既に撤退を始めている。群衆の方も散り散りばらばらになっていた。
もはや暴動ではなく市街戦の様相を呈していた。2発目のRPG-7が道路に着弾する。
(Q∵)「仕方ない、撤退だ!」
ビコーズに気づいた敵がAKを撃ってくる。身を屈めて銃弾を避け、M16で沈黙させる。
- 7 名前:642 :2006/08/13(日) 21:09:37.60 ID:jPs5JbKK0
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(Q∵)「本部、こちらビコーズ!敵RPGにより装甲車1台大破、指揮官被弾!」
(Q∵)「本隊は既に撤退中。これ以上の残留は危険だ。撤退する」
本部「了解。軍の装甲車部隊が接近中だ。速やかに撤退されたし」
了解、と返信し、ビコーズは無線を切り替える。
(Q∵)「スモークを焚け!」
4人は腰からスプレー缶のような形状の手榴弾を取り出し、ピンを抜いて投げる。
放物線を描いて地面に転がった煙幕手榴弾は派手な煙をたてる。
その隙に4人はビルから逃げ出す。あまり格好よくはないが、いらぬ犠牲を出すよりは遥かにましだった。
合流した4人はあらかじめ決めていたピックアップポイントに急ぐ。
(Q^ω^)「どう見ても無法地帯です」
(Q´・ω・`)「本当にありがとうございました」
(Q∵)「無駄口聞くなよ!走れ!」
(;^ω^)「スマンコ」
ピックアップポイントに到着すると、既にUH-60Kブラックホーク(特殊戦仕様)が着陸していた。
ブーン達が乗り込むと、ドアを開放したまま離陸する。
ブラックホークは北のキタコレシティに向かって飛び去っていった。
- 8 名前:642 :2006/08/13(日) 21:11:27.44 ID:jPs5JbKK0
- ―――ニューソク連邦共和国・ウェウェ陸軍基地―――
ビコーズの指揮するチームVIPの4人が、ランリッツベルグで戦っている頃、
首都キタコレシティから北西30Kmにあるここウェウェ陸軍基地にもチームVIPのメンバーの姿があった。
( ゚∀゚)「お疲れさん。体力テスト及び生存能力テストは合格!いよいよラストだな」
(;゚д゚ )「ぜえ・・・ぜえ・・・」
从;゚∀从「はあ・・はあ・・・」
チームVIPのメンバー、ジョルジュの前には疲労し、憔悴しきった男女がいた。
彼ら2人は、3日3晩不眠不休で、陸軍特殊部隊のKSKとチームVIPの2人に山中を追い回されていた。
過酷な鬼ごっこで満身創痍の2人は、10分の休憩をもらい、部屋の床に転がっていた。
鬼、いわゆる追跡役をしていたジョルジュは汚れてこそいるものの、ケロリとした様子で立っていた。
休憩の10分が過ぎた。ジョルジュの後ろの扉から、女性が入ってきた。
ショートカットの黒髪に、無表情のクールな感じの美人だった。ただジョルジュと同じように汚れていた。
- 9 名前:642 :2006/08/13(日) 21:13:27.85 ID:jPs5JbKK0
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川 ゚ -゚)「最終テストだ。立て」
クーというそのチームVIPの隊員は、疲れ果てて倒れている2人に冷たく命令する。
起き上がり、直立不動の姿勢を取る2人。
川 ゚ -゚)「よし。後ろを向け」
( ゚д゚ )「・・・?」
从゚∀从「え?」
訳が分からないまま後ろを向く。上官命令だから仕方ない。
ガチャリ
ガチャリ
なにやら背後で不吉な金属音がする。2人が手を見やると、既に手錠がしっかりと後ろ手にはまっていた。
- 10 名前:642 :2006/08/13(日) 21:15:04.70 ID:jPs5JbKK0
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从;゚∀从「なんですかー?これー?」
女の方が恐る恐る尋ねる。クーは表情を少しも変えずに答える。
川 ゚ -゚)「君たちは3日3晩不眠不休で猛者たちから逃げ切った」
川 ゚ -゚)「しかし時として敵に捕まってしまう場合もあるかもしれない。こんな風に突然に」
( ゚д゚ )「・・・まさか」
川 ゚ -゚)「精鋭部隊の君たちを捕らえた敵軍は、なんとか情報を聞き出そうとするだろう」
川 ゚ -゚)「尋問、拷問、あらゆる手段を使ってだ」
从゚∀从「ちょっとー」
川 ゚ -゚)「しかし特殊部隊が情報を漏らすことは許されない。絶対にだ」
川 ゚ -゚)「漏らせば国家や仲間に危険が及ぶ」
川 ゚ -゚)「そこで拷問に耐える訓練をする。君たちなら大丈夫だと信じている」
川 ゚ ー゚)「さあ、いこうか」
クーが珍しく微笑む。かすかに震える2人の腕を掴み、別室へと連行する。
女の方に至ってはうっすら涙すら浮かんでいる。
- 11 名前:642 :2006/08/13(日) 21:16:50.62 ID:jPs5JbKK0
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从゚∀从「う、うそでしょー?」
( ゚д゚ )「・・・・・・・・」
(;゚∀゚)「がんばれよ!」(南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏なry)
バタンと扉が閉まる。
それから数時間後、扉からは悲鳴や泣き声、壁に身体を打ち付ける物音が盛んに聞こえてきた。
さらに数時間後、クーと一緒に2人が出てきた。顔には涙の跡が見え、全身びしょ濡れだった。
両方とも何故か足腰が立たなくなっている。何故か顔色も悪くなく、むしろ鮮やかだった。
川 ゚ -゚)「おめでとう。最終テスト合格だ。部屋に戻って休め」
( ゚д゚ )「・・・・・・はい・・・・・・・」
从゚∀从「・・・・はーい・・・・・・・」
返事をする元気もないのか、2人はよろよろと自室に帰っていった。
( ゚∀゚)「お前、一体何したんだ?」
川 ゚ -゚)「秘密だ」
川 ///)
川 ゚ -゚)
(;゚∀゚)「!!!!!」
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