警察の交渉人が幾度も説得を試みたが、NIA側は要求を伝えるのに終始した。
警察は人質のために丸腰で食料を搬入することを提案したが、それも拒否された。
大使館の中には食料があったが、もって三日分だったしそれが人質に配られるかどうかも分からなかった。
大使館が占拠された翌日の昼頃、ホテルで休んでいたブーンとドクオに召集がかかった。
だらしなさそうな2人ではあったが、ポケベルが鳴った瞬間に目を覚まし、準備を整えすぐに臨時の本部になったテントに向かった。
テントに着くと、そこには既に全員が集合していた。いつ帰ってきたのか、クーも居た。
('A`)「ちわっす」
( ＾ω＾)「おいすー」
ξｰ⊿ｰ)ξ「遅いわよ・・・」
ツンが目をこすりながら迎える。
( ＾ω＾)「なんか眠そうだお」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「アンタと違って昨日はずっと情報収集してたのよ」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「少し仮眠とってたの」
未だ疲れが抜けて無さそうなのを見ると、あまり長くは寝てない様子だった。
/ ,' 3「色々情報が出てきたぞ！着席！」
荒巻の号令で皆が席に着く。
/ ,' 3「まずはクー、分かったことを説明してくれ」
川 ﾟ -ﾟ)「了解しました」
皆の視線がクーに集まる。
川 ﾟ -ﾟ)「昨日捕まったデブから色々情報を引き出してきた」
(´･ω･｀)「尋問かい？」
川 ﾟ -ﾟ)「拷問した」
(;'A`)「・・・」
川 ﾟ -ﾟ)「痛めつけても自白剤を使っても吐かないから苦労した。奴らはよほど組織への忠誠心が高いとみえる」
( ＾ω＾)「そんな強情っぱりからどうやって聞き出したんだお？」
川 ﾟ -ﾟ)「なに、ちょっと快楽をな」
( ＾ω＾)「ちょｗｗｗｗｗｗｗｗｋｗｓｋｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
クーはなぜか顔を少し赤らめた。
川 //-/)「年下のボウヤに言う話じゃない。ツンもいるしな」
(；＾ω＾)（気になるお・・・）
ジョルジュとドクオは何故だか前かがみになっていた。
川 ﾟ -ﾟ)「で、だ。そのデブは洗いざらい何もかも話してくれた。協力的だった」
川 ﾟ -ﾟ)「まず人数だが、全部で7人。そのうちの1人はリーダーで、警察と交渉をしている」
川 ﾟ -ﾟ)「4人が正面から、3人が裏手から侵入した」
川 ﾟ -ﾟ)「武装はUZIサブマシンガン。さらにマカロフピストルも装備している」
川 ﾟ -ﾟ)「あのデブは計画の深いところまで加わっていたらしい」
川 ﾟ -ﾟ)「ピザ屋を装ってラウンジの国境を越えようとした直前で拘束した」
川 ﾟ -ﾟ)「国外にまで配達するピザ屋がいるかという話だ」
( ＾ω＾)「ﾊﾞｶｽｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
クーの話の内容を、ツンが記録する。
/ ,' 3「だそうだ。さらに今日は客人も連れてきた」
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ヽ| l l│＜ﾊｰｲ
┷┷┷
殺伐としたテント内に
入り口から紳士が入ってきた。その紳士は帽子を脱いで挨拶をした。
/ ,' 3「ｷﾀｺﾚｼﾃｨの建築屋のヘーベルさんだ」
( ﾟ∀ﾟ)「建築屋が何の用なんです?」
ジョルジュの疑問はもっともだった。
立てこもり事件では解体屋の出番はあるかもしれないが建築屋に出番があるとは思えなかった。
/ ,' 3「ここから5キロ西にｷﾀｺﾚｽﾀｼﾞｱﾑがある」
/ ,' 3「そこを借り上げて、大使館と同じ間取りの簡単なモックアップ（模型）を作った」
( ＾ω＾)「国家権力ｋｔｋｒ」
/ ,' 3「ツン以外はｽﾀｼﾞｱﾑに行き突入の訓練をしろ。犯人の配置はこの後説明する」
（ ∵）「私達が留守にしている間、犯人が強硬手段に出たら？」
/ ,' 3「それは問題ない。チームVIPの代わりにKSKの連中が待機する」
( ﾟ∀ﾟ)「それは安心だな」
荒巻の言ったKSKとは陸軍の精鋭部隊であった。
チームVIPが陸軍から外れた後、その穴を埋めるべく編成された。ただ、性格的にはチームVIPのような対テロ部隊ではなく
練度と装備の質の高い通常兵の拡大版のようなものだった。一応突入訓練も受けていた。軍隊式の荒々しい方法ではあったが。
/ ,' 3「じゃあ現在集まった情報を元に突入プランを立てる」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「これが見取り図です」
ツンが大使館の見取り図を広げた。2階建ての建物で、中は少し入り組んでいる。
( ﾟ∀ﾟ)「結構広いな。占拠するには7人じゃ足りないと思うが・・・」
川 ﾟ -ﾟ)「明らかに足りんな。これが10人来てたらもっと難しくなってただろう」
(´･ω･｀)「何にせよ敵が少ないのは好都合だね。1人が1～2人殺ればいい」
（ ∵）「だな。KSKも突入時には援護してくれるらしいし、楽なものだ」
1人が10人以上を相手にしたこともある彼らには、今回の相手は大したことがない様に感じられた。
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「監視カメラ、音響センサーから判明した大体の居場所です」
ツンが茶色と青のピンを取り出し、見取り図の上に刺していく。
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「茶色が人質、青色がNIAよ」
１階には青色が4つと茶色が2つ、2階には青色が3つと茶色が7つあった。
('A`)「人質は2部屋に分けられてるのか」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「1階北の部屋が大使の部屋です。音響センサーから、どうやら大使夫人と娘がそこに居るようです」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「２階東の真ん中の部屋に他の大使館員が集められているようです」
( ＾ω＾)「じゃあ突入はそこからがいいお」
川 ﾟ -ﾟ)「全体的なプランとしては」
川 ﾟ -ﾟ)「人質の居る部屋に突入
犯人を射殺
残りを掃討 大使館を解放」
/ ,' 3「そんな具合でいいだろう。NIAは爆弾を持ってないらしい。爆弾は心配しないでいい」
('A`)「１階北の部屋は良いとして、2階の部屋はどう突入する？閃光手榴弾を投げ込む窓がない」
('A`)「時間がかかると人質が危ないぞ」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「そこは心配ないです。2階の人質部屋には採光窓があります」
（ ∵）「ガラスは強化ガラスか？」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「いえ、普通のガラスです。他の窓も同じです」
( ﾟ∀ﾟ)「大使館の癖に薄い防備だな」
/ ,' 3「それが災いしたのか幸いしたのか・・・」
/ ,' 3「とにかく、ｷﾀｺﾚｽﾀｼﾞｱﾑに向かってくれ。三日目を迎えるようなら突入しろ、とのことだ」
一同「了解！」
荒巻とツンを除いたメンバーはｷﾀｺﾚｽﾀｼﾞｱﾑに向かった。
監視はKSKが引き継いだが、その日は特に動きもなかった。