( ^ω^) 内藤が六道をさまようようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/20(日) 01:06:46.14 ID:julB/OmW0
照りつける太陽の光、サラウンドで聞こえる蝉の声

( ^ω^)「暑いお…」
rrr rrr

携帯電話を手に取り通話ボタンを押す
( ^ω^)「もすもす?」

「あら、内藤がこんな時間に電話出るなんて珍しいわね」
電話の奥から聞こえてきた透き通った声
( ^ω^)「今日は現場は休みだお、ツンは相変わらず大学でお勉強かお?」
ξ゚听)ξ「残念、昨日から夏休みよ」

二人は所謂恋人、どこにでもいる普通の

( ^ω^)「で、どうしたんだお?」
ξ゚听)ξ「アンタどうせ暇でしょ?だったら夜どこかへ行かないかしら?」
( ^ω^)「はいはい、どうせ暇ですから行きますお」

ツンはクスッと笑い、じゃあねと電話を切った

( ^ω^)「この頃忙しくてツンとデートできなかったから楽しみだお」

ding dong ding dong…

( ^ω^)「お?何の音だお?聞いたことあるような無いような…」

少しずつ空が青色からオレンジ色へ染まってゆく


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/20(日) 01:07:43.49 ID:julB/OmW0
(;^ω^)「えぇっと…これじゃ合わないお…これもダメだお」
内藤は箪笥を引っかきまわして服を選んでいた

(;^ω^)「真夏の夜にスーツでデートはどうみてもおかしいお、だからといってハーフパンツにランニングシャツはやる気ないお…」

rrr rrr
(;゚ω゚)「アッー!ツンだお!もう適当だお!」


ξ゚听)ξ(遅いわね…)
( ^ω^)「待たせてすまんおー!」

振り向いた先で見えたのは袖がないパーカーにカーゴパンツ、おまけにフードは目が完全に隠れるほど深いのにかぶってる
ξ゚听)ξ「内藤…鏡見て自分を怪しい人だと思わなかった?」
( ^ω^)「お?僕は気に入ってるお」

ツンは軽くため息をつくとニコリと笑った
ξ゚ー゚)ξ「まぁいいわ似合ってるしね、どこかいきましょ?」
( ^ω^)「わかったお!」

二人は手を繋ぐと公園から離れ、雑踏を掻い潜り繁華街へ消えていった




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/20(日) 01:09:01.33 ID:julB/OmW0
0時を過ぎ、一通り楽しんだ二人は公園へ戻ってきた
ξ゚听)ξ「にゃいと〜、私まだにょめるよ〜」
(;^ω^)「困ったお…僕が酒進めたのが悪かったお…」

内藤はフラついて危ないツンを抱いてベンチに座らせ、自分もその隣へ座った
ξ゚听)ξ「うらぁ!にゃいと〜!」
(;^ω^)「な、なんでございましょう!」
ツンは内藤の頭を掴み前後に揺さぶった

ξ゚听)ξ「わ・た・し・の・こ・と・が・す・き・か・!?」
(;^ω^)「おおおお落ちおちつけヅンンンンン」
ツンは内藤の頭を離しじっと内藤を見つめる

( ^ω^)「…大好きだお」
ツンはそれを聞きニコリと笑うと内藤に寄りかかった
ξ-听)ξ「ちょっと眠い…少しだけ…寝か…」

そういうとツンは静かに眠りに入った
( ^ω^)「分かったお、おやすみ」

ツンの髪を撫でる



ドンッ



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/20(日) 01:10:14.26 ID:julB/OmW0
( ^ω^)「…?」
鈍い痛みがする、腹いや、背中だ

内藤が振り向くとそこには目が血走った男、手が真っ赤だ

「は、早く金を出せ!殺すぞ」
男はナイフを取り出す

内藤は痛む箇所に手を伸ばす、硬い、ナイフ 刺さっている
( ^ω^)「お金なんて持ってないお…許してくれお」
「ふざけるんじゃねぇ!女とチャラチャラしくさって金がねぇ?女も殺すぞ!」

内藤の中で何かが切れた
( ^ω^)「?今の言葉言ったの何処の口だお?」
痛みなどきにせず男に近寄っていく
「来るんじゃねぇ!これがみえねぇのか!?」
男は新しいナイフを出すと内藤の目の前に突き出す



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/20(日) 01:10:54.80 ID:julB/OmW0
( ^ω^)「肉体労働者舐めるなお」

男の顔に向かって拳を叩き込む、男が倒れても何回も、何回も

( ^ω^)「ツンに傷つけようとする奴は僕が守るんだお、この下衆が」
「う、うわぁぁあああ!」
内藤が止めの一発を入れようと拳を振り上げた瞬間男はナイフで内藤のわき腹を刺した

( ^ω^)「くっ!」
内藤はその場にうずくまり、男は逃げていった

( ^ω^)「ツン…そうだツン」
内藤はわき腹を押さえベンチに向かった、ツンは先程と変わらず寝息を立てていた

( ^ω^)「良かったお…」
内藤はツンの横に座りツンの頭を膝の上に乗せた

( ^ω^)「ツンが…危なくないように…ずっと傍にいるお」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/20(日) 01:12:24.28 ID:julB/OmW0
内藤のわき腹と背中からは血が止まらない

( ^ω^)(痛いはずなのに眠いお…)

ding dong ding dong…
( ^ω^)(…! あぁ思い出したお…あの鐘の音)

内藤の口から血が一筋流れた

( ^ω^)(まだ…少し歌えるお…?)

公園には少し寂しげな歌が、微かな声で聞こえた

朝日が顔を出しツンの意識がはっきりとしてくる
ξ゚听)ξ「ん…内藤?」
おぼろげな視界に映ったのはいつもの笑顔の恋人
ξ゚听)ξ「寝てるのかしら…」

起き上がり恋人を揺らす、しかし起きる事は無く、手が赤く染まった
ξ゚听)ξ「な…にこれ、ねぇ内藤冗談でしょう?ねぇ、ねぇってばぁ!」

恋人は笑顔を浮かべたまま動かない

            内藤!!!!!

( ^ω^)内藤が六道をさまようようです
壱章 了



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