( ^ω^)ブーンが最後のレイブンになるようです
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 14:00:51.28 ID:L8WnDyT/0
第二話 無人兵器襲来

〜ベルザ高原〜

ブーンたちはヘリの中でミーティングを行っていた。

ξ゚听)ξ「今回の試験はここに不法投棄を行っている勢力の殲滅です。」
( ^ω^)「なぜだお?企業は力をなくした警察の代わりに治安維持部隊を持っているはずだお。それを使えばいいお」
ξ゚听)ξ「・・・敵部隊は予想以上の装備を有しているようです。治安維持部隊では消耗戦になると。」
( `ハ´)「自軍に損害を出したくないから、烏試験としてきた候補生に試験として排除させよう・・・ということですか。」
ξ゚听)ξ「はい。いくら候補生といえどACの戦闘能力は他の兵器を凌ぎます。」
( `ハ´)「やられたとしても相手には手痛いダメージが・・・というわけですか。」
( ^ω^)「つまりはブーンたちは捨て駒も同然ってことかお・・・。」
( `ハ´)「でも僕はむざむざやられはしませんよ。ブーンさんもでしょ?」

当然だった。ブーンは烏として成長し、お金を稼がねばならないのである。こんな捨て駒同然の試験で死ぬわけにはいかなかった。

( ^ω^)「当然だお。やられるのは敵さんのほうだお。」
( `ハ´)「ですね。そのためには・・・」

そう言うとシナチクーはオペレーターの方を向き

( `ハ´)「オペレーティングをお願いします。これは試験ですしね。」
ξ゚听)ξ「・・・これより試験を開始します。戦闘態勢に入ってください」

その言葉をききブーンとシナチクーはACドックへと向かう。
そしてオペレーターはヘッドホンを装着し、オペレーター席に着いた。


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 14:11:24.93 ID:L8WnDyT/0
OS「作戦領域ニ到達、システム、戦闘モード起動シマス」
ξ゚听)ξ「敵部隊はまだ展開していません。MTがいると思われるガレージを攻撃しましょう。」
( ^ω^)「了解だお!」
( `ハ´)「いきますっ!」

ヘリから投下され、地面に着地すると同時にシステムを戦闘モードに設定する。
FCSが起動し、ロックオンサイトが現れる。
ブーンたちはオペレーターの支持どうり、まだ発進準備の整っていないMTガレージに向かって攻撃を開始した。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 14:21:16.20 ID:L8WnDyT/0
ボス「な、なんだ!?攻撃されている!?」
子分「ボス!南西に熱反応2!ACと思われます!」
ボス「たった2機で俺たちをつぶせるとでも思っているのか・・・?ふん!叩き潰してしまえ!」
子分「イエッサー!」

敵のリーダーがこうげき支持を出している間も、ブーンたちの攻撃は続いていた。
動けない敵を撃つのは少々気が引けたが、数は圧倒的に敵のほうが上だ。
熟練の烏なら何とかなるかもしれないが、烏候補生で実戦初体験であるブーンたちには
先手を取って敵の体制が整う前に敵の戦力を削るしかなかった。

( ^ω^)「シナチクー!大丈夫かお!?」
( `ハ´)「はい!まだ敵は守備体制を整えていないようですね・・・」

さすがに攻撃が始まって数分たつと敵のMTも反撃してきた。
しかし、一機一機の性能が低いため、集団戦法に頼らざるを得ないMTが、燃え盛るガレージから
一機ずつでてきてもACの火力の前には的に過ぎなかったのである。
できればこのまま全滅させられれば・・・。とブーンたちは思ったが、
どれだけ火力を高くしたACでも、倒すことのできない最大の敵がブーンたちの前に現れた。


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 14:32:00.67 ID:L8WnDyT/0
( ^ω^)「このまま・・・終われお!」

カチッ

( `ハ´)「あれ・・・?」

カチッカチッ

( ^ω^)( `ハ´)「「まさか、弾切れ!?」」

どんな威力の強い武器でも、弾が切れてしまえばただの鉄の塊。
ブーンたちは試験用の試作ライフルしかもっていなかった。
二人が弾切れを確認した頃には、敵のMT部隊がすでに体制を整えていた。

ξ゚听)ξ「敵に囲まれてる・・・!二人とも、撤退して!」
( `ハ´)「(これは・・・まずい!)」

シナチクーの脳みそが、ここで生き残れる可能性を模索しだした。
1、降伏する・・・NOだ。ここまでの大被害を与えた相手をいくら烏でも許すはずがない。
2、戦闘続行・・・これもNO。このACには弾の切れたライフルとブレードしかない。ブレードだけで挑むなど基地外もいいところだ。
3、撤退・・・・・YESだ。確かに失格になるが、ここで殺されては人生も失格になってしまう。生きていればチャンスはある。
シナチクーは今出した答えをブーンに伝えようとした。

( `ハ´)「ブーn「おおおおおおおおおおっ!」」

しかしシナチクーの通信はむなしく消えた。ブーンの叫びによって。


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 14:36:18.90 ID:L8WnDyT/0
( ^ω^)「ライフルが使えなくなったってぇ!」

ブーンはシナチクーが基地外と判断した戦闘続行を選んだようだった。
ライフルを投げ捨てると左腕に装備されていたブレードを開放した。初めて見る武器だったが近接用だろうとブーンは判断した。
ブレードとは高熱のレーザーを一定の長さに保つことによって刃を作る兵器だ。
工場などで使われている金属を切断するレーザーと仕組みは同じだが、何しろ大きさが違う。
この高密度のエネルギーで一点を攻撃されたら、どんなに分厚い装甲を持っていたとしてもただではすまない。
しかし、それは卓越したブレード使いがうまく扱ってこそで、初使用となるブーンがブレードのコツをつかんでいるとは思えない。
案の定ブーンは敵MTに簡単にかわされ、敵MTの真後ろにあったガレージに突っ込んだ。

( ^ω^)「い、いたいお・・・。!?」

ブーンは見てしまった。
自分の機体が突っ込んだせいで無残につぶれてひしゃげたトラックを。
そしてそれに乗ったまま運命をともにした、血だらけの兵士を。

( ^ω^)「あ・・・ああ・・・」

先ほどまではライフルによる攻撃で遠距離から攻撃していたので見えなかった。
しかし、ブレードを使おうとして失敗し、無様にガレージに突っ込んだことで見てしまった。
自分の手で、殺した人間の姿を。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 14:48:01.93 ID:L8WnDyT/0
(  ω )「うああああああああ!!」

自分の行為に怯え、動きを止めていた<チャンネラー>を見逃すほど、MTのパイロットは甘くなかった。

ボス「あのACからしとめるぞ」
子分2「了解です、ボス!」

敵のバズーカにロックされ、アラームが響くコックピットの中。
ブーンはまるで廃人になったかのように動かなかった。

( ゜ω゜)「・・・」

何も見えなかった。何も聞こえなかった。
ただじっと視線を死んだ兵士に向けているだけで、ブーンは動かなかった。

ボス「死ね」

ボスの乗ったMTがバズーカを発射しようとしたとき。
赤い何かが、空から落ちてきた。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 15:00:13.80 ID:L8WnDyT/0
子分3「なんだあr・・・ぐあああああ!」
子分4「ボス!たすけtあああああ!」

なんだ。一体何が起こったというんだ。
ボスは必死に状況を把握しようとしていた。
赤い何かが空から大量に降ってきている。
ただランダムに落ちているのではなく、MTや敵のACを狙って落ちてきている。
通信機からは部下たちの悲鳴が聞こえてくる。

子分1「ボス!ボス!これはなんなんでうあああああ!」
子分2「熱い!熱い!たすけてええええ!」

ボスはただ呆然と子分が死んでいくのを見ていた。

ボス「何なんだ・・・何なんだお前らはああああああ!」

ボスがバズーカを放ち、一体の赤い何かを打ち落とした。
へっ・・・ざまあ見ろ!
ボスがそう心の中で毒づいた瞬間。
赤い何かがボスのMTに群がり、一瞬で爆発した。
何かを言い残す時間はボスには与えられなかった。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 15:08:31.47 ID:L8WnDyT/0
( `ハ´)「こ、これはいったい・・・。」

同じ頃、シナチクーのまた、謎の赤い何かに攻撃されていた。
攻撃といってもただ突っ込んでくるだけ。
しかし、高速で一瞬のうちに接近され、爆発されているのだ。
まるでこの何かは突っ込む事・・・特攻しか頭にないようだ。

( `ハ´)「(さしずめ<特攻兵器>といったところでしょうか・・・)」

だが流石にこれ以上の被弾は避けたい。
シナチクーのAC<サイドヴァッシャー>はすでに片腕がなく、頭部もない。

( `ハ´)「どうにかして撤退を・・・。」

それもブーンをつれて。
変な話だが、たった数時間しか共に戦っていないブーンのことを、彼は大事な戦友だと思っている。

( `ハ´)「私も甘いですね・・・。」

そう言うとシナチクーはブーンの<チャンネラー>に向かって全速力で飛んだ。
その間にも<特攻兵器>は<サイドヴァッシャーに特攻を仕掛けてくる。
その特攻を何とかかわし、どうにかブーンの乗る<チャンネラー>のいる場所までたどり着いた。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 15:17:47.91 ID:L8WnDyT/0
( `ハ´)「大丈夫ですか?気をしっかり持って!」
( ゜ω゜)「・・・」

反応がない。仕方がない担いでいくしかないようだ。
幸いブーンがいたところは鉄骨やクレーンなどがうまい具合に特攻兵器を防いでくれている。
標的を見つけたら同じ位置から降下を始めて一気に攻撃するわけですか・・・。
シナチクーはそう推測した。ならば話は早い。タイミングを見計らって一気に離脱すればいい。
この<特攻兵器>は何かしらのプログラムで制御されているようだ。
人間の操作だったら確実に鉄骨やクレーンを避けて当ててくる。
ということは何かしらの反応・・・この場合は<熱>に反応し、障害物は関係なくただ標的に向かう・・・。
そのようなプログラムになっているのだろう。
そんなことを考えながら、シナチクーは四方八方から飛んでくる<特攻兵器>のタイミングを見切っていた

( `ハ´)「多少揺れますよ・・・。つかまっててください!」
( ゜ω゜)「・・・」

やはり反応はない。しかし、規定のパイロットスーツを着ていれば
自動的にシートに固定してくれる機能があるから大丈夫だろう。

( `ハ´)「いきます!」

<特攻兵器>の飛来するタイミングの僅かな間を見事に突き、
<サイドバッシャー>は<チャンネラー>を抱えつつガレージの残骸から飛び出した。
しかしすぐさま標的の移動を確認した<特攻兵器>はすぐさまルートを変更、<サイドバッシャー>に追撃をかける。
高原にいくつかの爆発音が響き・・・。

ブーンの意識が戻ったのは、三日後のことだった。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 15:46:50.25 ID:L8WnDyT/0
( ´ω`)「頭が・・・痛いお・・・。」
ξ゚听)ξ「・・・!意識が戻りましたか!」

オペレーターはすぐさまナースコールで人を呼んだ。

何でこの人はここにいるんだろう・・・。試験のときだけのオペレーターのはず・・・。
そう思ったブーンは素直に聞いてみることにした。

( ´ω`)「なんで・・・ツンさんはここにいるんだお・・・?」
ξ゚听)ξ「な、ななななんでっていやそれはその」
ξ///)ξ「ってかツンさんっていやそのあの」
( ´ω`)「そういえば・・・なんでブーンはここにいるんだお・・・?」
ξ゚听)ξ「ブーンさん、それは・・・」
( ´ω`)「ブーンは・・・ブレードで敵を切ろうとして・・・それで・・・。」
( ゜ω゜)「あ・・・ああ・・・」
ξ゚听)ξ「落ち着いてブーンさん!あのあとシナチクーさんがあなたを助けてくれたのよ!」
( ´ω`)「シナチクー・・・?」
( ^ω^)「そうだ、シナチクーさんは無事なのかお!?姿が見えないお!」

ブーンが飛び起きて探しにいこうとするのをツンが止めようとしているとき、彼の声が聞こえた。

(    )「やれやれ・・・。まともになったと思ったらもう暴れだすとは・・・。」
(#ハ´)「その元気を少しは分けてくださいよ・・・。」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 15:48:11.33 ID:L8WnDyT/0
そこにはぼろぼろになったシナチクーがいた。右手と左足がなく、右目も包帯で隠されている。
任務前の姿とは様変わりしていた。

( ^ω^)「その傷は・・・まさかブーンのせいで・・・?」
(#ハ´)「あなたを回収したら気が緩みましてね・・・」
(#ハ´)「大量の<特攻兵器>の突撃を食らいまして・・・。」
( ^ω^)「<特攻兵器>・・・?」
ξ゚听)ξ「そうよ・・・。これを見て。」

ツンがそういってテレビをつけた。
そこに移っていた映像は、まさしく地獄絵図だった。

アナウンサー『空より突如現れた謎の飛行物体は、まるで生きているように動き、迎撃にでた治安維持部隊は壊滅!』
      『そしてこの兵器を駆逐するべく集まったACたちも、全く歯が立っておりません!』


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 15:48:48.00 ID:L8WnDyT/0
テレビに映し出されたのは、空を覆いつくすほどの赤い物体。シナチクーのいう<特攻兵器>だろうか。
それを撃墜しようとするMTの部隊。しかし、<特攻兵器>はまるであざ笑うがごとく攻撃をかわし、
ミサイルでは絶対不可能だろうと思われる不規則な動きをしMTに突っ込んでいく。
おそらく最新鋭であろうMTの部隊は、ものの数分で全滅した。
次に映し出されたのは<特攻兵器>とACの戦闘だった。
20機にもなろうかというACが特攻兵器に向かっていく。
あるものは火力で一気に殲滅しようとし、あるものは高軌道を生かして空中で回避しつつ攻撃していた。
しかし、どんなに撃墜しても<特攻兵器>の数は減らなかった。
弾薬が尽き、勢いがなくなった重装甲のACに<特攻兵器>が群がり、一瞬のうちにACごと吹き飛ばしていた。
回避しきれないほどの数に囲まれたACが攻撃をうけバランスを崩して落ちていく。
そこに追い討ちをかけるように<特攻兵器>が突撃をかけ、まるで線香花火の火が落ちるようにACが炎を上げてやがて爆発した。
「史上最強の兵器」、「一機いれば戦況がかわる」とまでいわれたACが、こうも簡単にやられていく。

アナウンサー『今回の謎の敵<UNKNOWN>(テレビではこう呼んでいるらしい)はMT、ACを殲滅後、忽然と姿をけしました』
      『この攻撃は世界中で起こっており、烏の数は激減、<レイブンズアーク>は事実上壊滅しました・・・。』


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 15:54:11.57 ID:L8WnDyT/0
アナウンサー『今回の謎の敵<UNKNOWN>(テレビではこう呼んでいるらしい)はMT、ACを殲滅後、忽然と姿をけしました』
      『この攻撃は世界中で起こっており、烏の数は激減、<レイブンズアーク>は事実上壊滅しました・・・。』

そのニュースは最も知りたくないニュースだった。<レイヴンズアーク>が壊滅?確かにそれならツンがここにいるのもわかる。
所属していた組織が消えうせたのだからどこにいても不思議ではない。
おそらく最後の仕事であったブーンたちの様子が心配になって見に来たというところだろう。
それよりも大事なことは、自分が烏になれるということはもうなくなったのだ。依頼を遂行し、お金を稼いで、
あいつらに楽をさせてやれると思ったのに。ちくしょうちくしょう!

( ´ω`)「そんな・・・。」
ξ゚听)ξ「ブーン、あの・・・。」
( ´ω`)「ツン、今は話しかけないでくれお。とってもむしゃくしゃしてるんだお」
ξ゚听)ξ「違うのよ、これ・・・<レイブンズアーク>総帥、<ショボン・O>からよ」
( ´ω`)「・・・?」

渡されたのは、3Dディスクだった。


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 16:18:03.37 ID:L8WnDyT/0
日付が三日前になっている。試験のすぐ後に送られてきたようだ。

(´・ω・`)『きみがこれを無事に受け取ってくれることを切に願う・・・。』

ディスクを起動するとしょぼくれてはいるが、確かな存在感と、凄まじい威圧感を放つ男の立体映像が現れた。(スターウォーズの通信機みたいな感じ)

(´・ω・`)『まず最初に無事に烏採用試験に合格したことを・・・。おめでとう。ようこそレイヴンの世界へ。手続きは私が済ませておいたよ。』

ブーンは信じられなかった。自分は合格したとも思えなかったし、そもそもなぜ<レンヴンズアーク>の総帥が若造である自分にメッセージなど・・・?

(´・ω・`)『おそらく君は驚いていることだろう・・・。「なぜ自分なんかに総帥が」とね。』

・・・脳みその仲間で読まれているようだ。ブーンは考えずに話を聞くことに集中した。

(´・ω・`)『なぜなら君が<レイヴンズアーク>が存在するときの最後の烏合格者だったからだ・・・。』

この言葉には、流石にツンたちも驚いているようだ。なぜ、三日前の彼が、烏たちが<特攻兵器>の前に屈すると知っているのだろうか・・・。

(´・ω・`)『私は君にかけてみたい。この数日のうちで、確実に生き残っているだろう君に。』
(´・ω・`)『三日もたたず、世界中の烏が散るだろう・・・。あの恐ろしい兵器の前に。』
(´・ω・`)『生き残った烏がいたとしてもその中に私が探している<逸材>がいる可能瀬は低い。』
(´・ω・`)『しかしその<逸材>がいなければ、我々人類は滅ぶだろう。』
(´・ω・`)『あと数ヶ月だ。数ヶ月のうちに、己を磨いてくれ。そして時が来たときは・・・。』

ここでショボンは言葉を切った。上を見上げ、息を吐き出す。そして。

(´・ω・`)『そのときには・・・。私に力を貸してくれ。』

強い意志を持った目でこちらを見ていた。じかに見ていたら腰が抜けるだろうというほど強い瞳だった。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 16:37:29.20 ID:L8WnDyT/0
そこでディスクは止まった。ブーンは頭がこんがらがっていた。
なぜジャックは三日前に<レイヴンズアークが消えることを知っていた?<逸材>とはなんだ?そもそもなんでぶーんなんだお?
頭から湯気が噴出しそうなブーンを見て、シナチクーはこういった。


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 16:37:55.35 ID:L8WnDyT/0
(#ハ´)「シュミレーターを手に入れなければいけませんね。」
( ^ω^)「・・・へ?」
(#ハ´)「実戦に死にに行くよりはシュミレーターで経験をつみましょう。」
(#ハ´)「任せてください、知り合いにシュミレーター職人が・・・」
( ^ω^)「なんでだお?」
(#ハ´)「なんで・・・とは?」
( ^ω^)「なんでシナチクーはブーンを手伝うんだお?シナチクーはブーンのせいで体を・・・。」
(#ハ´)「・・・確かにもう私は二度とACには乗れないでしょう。」
( ^ω^)「・・・。」
(#ハ´)「しかしACに乗る以外にも生き方なんて多々あります。」
(#ハ´)「私は確かにあなたを助けたせいでこの体になった。」
(#ハ´)「あの時あなたを見捨てたまま逃げてもよかった。」
( ^ω^)「ならなんで・・・?」
(#ハ´)「あの時、もちろん今もですが・・・あなたに一種の連帯感を持っていました。」
( ^ω^)「連帯感かお・・・?」
(#ハ´)「波長が合うって言うんでしょうか?その連帯感のせいであなたを見捨てられなかった。」
(#ハ´)「あなたを見捨てたとしても、私は死ぬまでそれを悔いたでしょう。」
(#ハ´)「失ったものも大きいですが、得たものも大きいです。」
(#ハ´)「あなたという友人を得られたのですから。」
( ^ω^)「友達・・・」
(#ハ´)「さあ、水臭い話はなしにして、動き出しましょう。」
(#ハ´)「ショボンのいう数ヶ月・・・案外短いかもしれません。」
( ^ω^)「わかったお。ブーンも友達のシナチクーのためにできることをがんばるお!」
(#ハ´)「その意気です。ところで・・・」
( ^ω^)「なんだお?
(#ハ´)「シナチクーというのは偽名なんです。私の名前は<エド・ワイズ>。よろしく、ブーン!」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 17:07:57.96 ID:L8WnDyT/0
ジャックの言っていた数ヶ月とは半年のことだった。

(´・ω・`)「あの悪夢から半年の月日がながれた・・・。」
(´・ω・`)「三企業は<アライワロス>として新しい支配を始めると公言している・・・。」
(´・ω・`)「しかし!実際は何も変わっていない!」
(´・ω・`)「賄賂、横領、そして治安維持という大儀の傘で行われる虐殺・・・。」
(´・ω・`)「もはや企業の能無しどもに世界を回復させることはできない!」
(´・ω・`)「この私、ショボン・Oとわが組織<バロテックス>は<アライワロス>に対し宣戦を布告する!」
(´・ω・`)「愚かな官僚どもを追い出し、烏による新たな秩序を作り出すのだ!」
(´・ω・`)「生き残った烏たちよ!私に力を貸してくれ!」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 17:08:25.78 ID:L8WnDyT/0
〜旧ナイアー産業区〜

OS「作戦目標クリア。システム、通常モードニ移行シマス」

ξ゚听)ξ「ブーン、お疲れ様。」
( ^ω^)「このくらい楽勝だお!」

ジャックの宣戦布告が行われている頃、ブーンたちは<バロテックス>の依頼を完遂していた。

ξ゚听)ξ「ついに始まったわね・・・。」
( ^ω^)「そうだおね・・・。長いようで短かったお。」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 17:08:54.06 ID:L8WnDyT/0
ブーンはエドの本名を明かされた後、ツンに専属オペレーターになってほしいと伝えた。
戦況を常に把握できることは烏にとって生きるか死ぬかを判断できるということだ。
彼女は少し迷ったようだが承諾してくれた。
それからは三人で、事後処理や人民救助などの依頼をこなしていった。
ブーンのACの扱いは格段にうまくなり、半年前とは比べ物にならない。
己の高まりを感じるほど、ブーンはショボンの言葉を思い出していた。
 
(´・ω・`)『そのときは・・・私に力を貸してくれ。』 

彼ほどの男に、自分が力添えできるのだろうか。そもそも何に力を貸すのだろう?

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 17:09:34.39 ID:L8WnDyT/0
ξ゚听)ξ「・ぇ・・ン?き・て・・?」
ξ゚听)ξ「ねぇブーン?きいてる!?
( ;^ω^)「な、何だお?ツン」
ξ゚听)ξ「ブーンはどっちにつくの・・・?<アライワロス>と<バロテックス>・・・。」
( ^ω^)「・・・」
ξ゚听)ξ「やっぱり・・・ショボンを追うの?」
( ^ω^)「彼は力を貸してほしいと言ったお・・・。ブーンの力ならいくらでも貸すお。」
ξ゚听)ξ「でもそうすると<アライワロス>に狙われることに・・・。」
ξ///)ξ「べ、別に心配なんかしてないんだからね!?雇い主が危険な道を行くのをとめてるんだからね!?」
( ^ω^)「でもやっぱり<バロテックス>にいくお。彼が何のために・・・何をするために力が必要なのか・・・。見届けたいお。」
ξ゚听)ξ「・・・」
ξ゚ー゚)ξ「ブーンは一度決めたら引かないもんね・・・。」
ξ゚ー゚)ξ「わかったわ。いきましょう?<バロテックス>へ!」


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 17:09:58.00 ID:L8WnDyT/0
ブーンたちが去ってからしばらくの後・・・。
ブーンの<チャンネラーU>に屠られた残骸を眺めるACが一機・・・。

川 ゚ -゚)「遅かったということか・・・。」

周囲を見回す。周囲の地形に目立った外傷はない。

川 ゚ -゚)「威力の高い武器で一撃・・・か。」

彼女は静まり返った空間でつぶやいた。

川 ゚ -゚)「一体誰が・・・。」



第二話 完



 戻る

inserted by FC2 system