( ^ω^)ブーンが最後のレイブンになるようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:12:57.06 ID:L8WnDyT/0
- 「作戦領域ニ到達。システム戦闘モードニ移行シマス」
頭部に搭載されたOSが次々にレーダーやFCSを起動させていく。
ξ゚听)ξ「敵が脱出を図っているわ。領域を脱出される前に必ず撃破して」
オペレーターのツンが敵の状況を教えてくれる。
( ^ω^)「・・・わかってるお、ツン」
そういうとブーンは自身の愛機<チャンネラーU>を飛翔させた。
そう、始まったのだ。
すべての烏(レイブン)がお互いの命を賭けて戦う二十四時間が。
世界を支配する統合組織<アライワロス>と烏による新たな秩序を掲げる<バロテックス>の戦いが。
この戦いの元凶は半年前のあの事件だった・・・。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:15:47.05 ID:L8WnDyT/0
- ・・・半年前。
まだ<バロテックス>は存在せず、
後に<アライワロス>へと統合する三つの企業がお互いにけん制しあっていた頃。
烏(レイヴン)たちも数百人の規模で存在しており、<レイブンズアーク>によってまとめられていた。
烏になるためには相応の試験に合格することが必要で、
その試験には誰もが参加することができた。
そしてその試験を受けるために、一人の青年が<アーク>を訪れたのである。
( ^ω^)「うはwww人多いおwww」
彼の名はブーン。彼は烏になるためにここにやってきた。
烏が戦場で駆る兵器<アーマード・コア(AC)>は単純な戦力としては一個師団に相当するにもかかわらず、
<アーク>で行われる試験に合格し、レイブン登録の手続きをおこなえば簡単に扱うことができた。
本人の才能によっては、普通の職の数十倍は稼ぐことのできる職だ。
簡単に沢山のお金を稼ぎたいと思っていたブーンにとっては天職だったのである。
( ^ω^)「本人の才能がどうとか講師は言っていたけど、関係ないお!」
( ^ω^)「さっさと合格して、楽に稼いでやるお!」
この数時間後に彼はこの考えを悔い改めることになるのだが・・・。
見てくれている人のために俺は書き続けるぜ・・・!
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:19:54.20 ID:L8WnDyT/0
- 〜筆記試験会場〜
( ^ω^)「さてと着いたお。試験官はまだかお・・・?」
ほかにも烏になろうとしている人々で会場は一杯だった。
( ^ω^)「(こんなになろうとしてる人がいるのに需要に供給が追いついていないらしいお・・・)」
烏が通常数十倍の稼ぎを叩き出せるのは、己の命を張っているからである。
そして未熟な烏の内、才能があるものは実力を伸ばし、それに見合った稼ぎを得るが、
才能がなかったり、相手の策略に嵌ったりして死んでいく烏がほとんどなのである。
だがブーンはこのとき、「自分がいつ死ぬかもしれない職」につこうとしているということを全く実感していなかったのだ。
( ^ω^)「(死ぬのはそいつが運がなかったからだお。ブーンはきっと大丈夫だお!)」
自分は大丈夫という、根拠のない自信をみなぎらせながら。そんなことを考えているうちに試験官がやってきた。
(',З)「私が今回の筆記試験を担当する鳥荒巻だ。」
彼の姿を見たとたん、会場中がざわざわと騒がしくなった。
鳥荒巻という実力派烏が試験官として現れたからなのだが、ブーンはそのことをしらなかった。
( ^ω^)「なんだお、あのじいさんは・・・。さっさとはじめてほしいお。」
(',З)「静かに!・・・ではこれより試験を開始する。試験時間は二時間だ。それでは開始。」
荒巻の登場でざわついていた会場だが、荒巻の一喝でとたんに静かになる。
そしてブーンたち受験者たちは、机に設置された画面に映し出される問題をひたすら解き始めた
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:24:04.12 ID:L8WnDyT/0
- 〜実技試験会場〜
( ^ω^)「筆記試験はなかなかだったお。次は実技試験だおね。」
実技試験とは、受験生の心肺機能、対G耐久性、情報処理能力を見るものである。
筆記試験とこれを合わせたせ遺跡が優秀なものだけが最終試験に臨むことができるのである。
試験が始まるのを今か今かと待つ受験生たちの前に試験官が現れた。
( ´∀`)「今回の実技試験を担当するモナンジェモナ。早速始めるモナ。」
またもや現れた有力烏の前に、受験生たちは色めき立った。
( ´∀`)「・・・?なにしてるもな!さっさとするもな!受験番号9802!」
( `ハ´)「は、はいっ!」
( ´∀`)「今回の受験生は大丈夫なのかモナ・・・?」
そして始まった実技試験。しかしそれは余りにも過酷なものだった。
受験生の殆どが対G耐久性試験で気を失うか嘔吐してしまうのだ。
瞬間的にだが5Gという強烈なGがかけられるのである。
しかしこれに耐えなければACを乗りこなすなど夢のまた夢なのだ。
そしてブーンの番がやってきた。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:28:48.65 ID:L8WnDyT/0
- ( ´∀`)「受験番号9999!」
( ^ω^)「はいお!」
( ´∀`)「いい返事モナ。がんばるモナ。」
まず心肺機能・・・。
( ^ω^)「すぅー・・・フゥーーーーーーー!」
測定士「す、すごい!常人の三倍だ!」
対G耐久性・・・
( ^ω^)「おっおwwwwジェットコースターみたいだおwwwwww」
測定士「ば、化け物だ・・・。」
情報処理能力・・・
( ^ω^)「コンピューターは得意だおwwwwwうぇwっうぇ」
測定士「なんてすごい処理能力だ・・・。」
三つの試験を終えたとき、ブーンは<アーク>始まって以来の好成績を出していた。
( ^ω^)「やっぱブーンには才能があるんだおwwwww」
そして全ての試験が終わり、最終試験に進むものたちが発表された
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:34:36.47 ID:L8WnDyT/0
- ( ´∀`)「合格者を発表するモナ。呼ばれたものは渡された紙に書いてある試験場まで移動するモナ。」
( ´∀`)「まずは受験番号9802!シナチクー!」
( `ハ´)「はい!」
( ´∀`)「次は・・・。」
次々と合格者が発表されていく。呼ばれなかったものは肩を落とし、去っていった。
( ´∀`)「これが最後モナ。受験番号9999!ブーン!」
( ^ω^)「はいお!ついに最終試験だお!」
( ´∀`)「では呼ばれたものは試験会場に移動するモナ!」
ついに最終試験が始まろうとしている。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:41:15.90 ID:L8WnDyT/0
- 〜最終試験会場〜
( ^ω^)「ここが最終試験会場かお・・・?それにしては狭いお・・・。」
ブーンたちがやってきたのは小さなホールだった。
最終試験が何だとしても少々せまいような・・・。
そのとき、天井のマイクから声が聞こえた。
( ???)「やあ、ようこそバーボnいや試験会場へ・・・。」
突如聞こえてきた声に警戒するブーンたち。
( ???)「怖がらせてすまない・・・。ウィスキーでも飲ませてあげたいが、ここからじゃ届かないね・・・。」
( ???)「そんなことはさておき、最終試験を開始するよ。」
( ^ω^)「あなたは誰ですかお!」
( ???)「そんなことはどうでもいい。最終試験の内容は、戦闘試験だ。」
戦闘、という言葉に、ホールにいた全員に緊張が走った。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:45:41.21 ID:L8WnDyT/0
- ( ???)「そんなに緊張しなくていい・・・。とても簡単なミッションをクリアしてもらうだけだ。」
( ???)「ACも用意してある。そのホールの地下で自分の番号の機体に登場し、作戦領域に向かってくれ。」
( ???)「オペレーターも用意してある・・・。それでは烏候補諸君、幸運を祈る。」
言いたいことだけ言うと、マイクはブツンと音を立てて切れてしまった。
しばらくの間あっけに取られていたブーンたちだったが、地下へ向かう大型エレベーターが
起動する音とともに意識を試験に集中させた。
( ^ω^)「ついにACにのれるんだおね・・・。最終試験なんてパパっとクリアだお!」
自身に気合を入れ、ブーンと受験生たちは大型エレベーターに乗りこんだ。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:49:38.53 ID:L8WnDyT/0
- 〜地下格納庫〜
エレベーターで地下に降りたブーンたちはその光景に唖然とした。
百機近いACがメンテナンスベッドに横になり、
己を動かす烏がくるのを今か今かと待っているのだ。
ブーンたちはその光景に圧倒されつつも、自分の乗るべき機体を探し始めた
( ^ω^)「えーっと9999・・・9999・・・あ!これだお!」
そこに横たわっていたACは、純白のACだった。
全身が滑らかなカーブを描く装甲で覆われた、まるで騎士のような姿である。
( ^ω^)「すごいお・・・。これが本物のAC・・・。」
操縦なら烏専門学校のシュミレーターで体験できる。しかしながら、本物のもつ重圧感は、
実際に近くにいって見てみないとわからないのだ。
( ^ω^)「カッコイイお!早速乗ってみるお!」
まるでおもちゃを見つけた子供のようにブーンはACのコックピットに乗り込む。
中にあったパイロットスーツを身につけ、シートにすわり、中の計器類を眺めていると無線機に通信が入った。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:53:35.66 ID:L8WnDyT/0
- ξ??)ξ「烏、聞こえますか?」
( ^ω^)「だ、だれだお!?」
ξ゚听)ξ「私は今回の試験であなたのオペレーターをさせていただくシーラ・ツンドウィルです。よろしく。」
( ^ω^)「オペレーターさんかお・・・。こちらこそよろしくだお!」
ξ゚听)ξ「早速ですが烏、ACを起動してください。」
( ^ω^)「わかったお!」
ブーンは慣れた手つきでACのパネルを操作する。烏専門学校ではシュミレーターが壊れるほど練習していたのだ。
システムの起動ぐらい、よそ見していてもできるという自信がブーンにはあった。
OS「システムオールグリーン。メインシステム起動シマス。」
純白の巨人の目に、深紅の光がともる。
ξ゚听)ξ「メンテナンスベッド稼動。出撃体制にスタンバイ。」
オペレーターの言葉とともにブーンはゆれを感じた。メンテナンスベッドが立ち上がり、ACが動けるようにロックが外される。
ξ゚听)ξ「出撃準備完了。烏、前方のAC用上昇口に移動してください。屋外で輸送ヘリに搭載、目的地に向かいます。」
( ^ω^)「了解だお!ブーン、<チャンネラー>発進するお!」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/08(火) 12:56:38.21 ID:L8WnDyT/0
- <チャンネラー>とは、ブーンが自分のACにつけようとずっと考えてきた名前である。
<チャンネラー>は操縦初体験のブーンが乗っているとは思えないほどスムーズな動きで上昇口に向かった。
他のACはよろめいたりふらふらしている中で、その姿は目立って見えた。
上昇口で屋外に出たブーンと<チャンネラー>は、外で待機していた輸送ヘリに搭載され、目標地点に向かった。
( ^ω^)「(初めての戦闘だお・・・。チビりそうだお・・・)」
( `ハ´)「あのー・・・。」
( ;^ω^)「!!!11!1びっくりしたお!だれだお!?」
( `ハ´)「今回の試験を一緒に受けることになったシナチクーです!よろしくお願いします!」
二体の巨人を乗せたヘリは、最終試験の会場に向かっていく。
二人の若者の、不安と期待も乗せて。
第一話 完
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