(´・ω・`)が自分の未来をいきるようです
5 名前: ◆L2jfNrixB. :2006/08/25(金) 21:13:24.52 ID:nTtlDQL50
町を歩く僕は少し足を止める。のどが渇いた。

近くの自販で冷たいお茶を買い、設置されているベンチに腰をかける。

お茶を一口のみ、一息つく。


思えばあの高校の日々が今の僕を支えてるんだと思う。


僕はベンチで一つため息をつき、高校時代に思いを馳せた。


6 名前: ◆L2jfNrixB. :2006/08/25(金) 21:14:18.74 ID:nTtlDQL50

高校受験後の母の荒れようはひどかった。泣き叫び、怒鳴り、カーテンを破いたり。

手に持っているものがあれば、例外なく放り投げられる運命をたどった。

さすがに家にいられなくなって、離婚後初めて父親のところへ行った。避難と、合格の報告のために。



(`・ω・´)「おお、そうかそうか。お前は公立の高校に行くんだな。がんばれよ。」

(´・ω・`)「うん、ありがとう」

(`・ω・´)「お前がここに来るってことは母さんは元気なようだな」

(´・ω・`)「うん。まるで台風だよ」

(`・ω・´)「ふふ、台風の原因はお前だろう?」

(´・ω・`)「・・・まあね」

そんなことを言い合い、二人で笑った。


父は突然の訪問に、驚いた様子もなく迎え入れてくれた。おそらく、予想できていたのだろう。

僕が何を考えているか。そして母がどんな状態になっているのか。

見透かされている気がして、少し恥ずかしくなった。

7 名前: ◆L2jfNrixB. :2006/08/25(金) 21:15:29.54 ID:nTtlDQL50
高校生活も小、中学校と同じく味気なくくだらないものになる。と、思っていた。


入学したてのころからやはり僕は「友達」に困ることはなかった。クラスの連中はみな僕によってくる。なぜかはわからない。だが悪い気はしない。


しかし、クラスに異質なやつらが二人いた。


一人は僕などには無関心そうに一人窓の外を眺めていた。

('A`)「・・・・・・」

「孤独」。それをひしひしと感じさせる男。僕は僕に興味を持たぬ彼に興味を持った。


そしてもう一人


( ^ω^)「内藤ホライゾンっていうお!ブーンってよんでお!」

一見ほかのやつらと同じようなやつと感じたが、雰囲気の感触が違った。

ほかのやつらから感じられない純粋さを持っていた。僕は彼にも興味を持った。

自分以外の人間に興味を持つのは初めてのことだった。僕は初めての好奇心に心躍らせていた。





19 名前: ◆L2jfNrixB. :2006/08/25(金) 22:16:31.71 ID:nTtlDQL50
( ^ω^)「しょぼん、弁当一緒に食べるお!」

(´・ω・`)「はいよ」


ブーンと仲良くなるのに時間は必要なかった。

彼のほうから話しかけてくれることも多かったし、僕からも話しかけた。

考えてみると、事務的なことを抜かして誰かに自分から話しかけるのは初めてかもしれない。


彼と過ごす時間はとても不思議な感じだった。自分を意識しないでいられる。わざわざ感情と相反する表情も彼の前では使うことはめったになかった。

そんな開放的な関係は僕にとって斬新でとても楽しかった。初めて心満たされた思いだった。


しかし、必要以上に深い干渉なることに僕は少し不安を感じた。しかし、ブーンの明るさと純粋さに僕の不安は薄れて行った。



22 名前: ◆L2jfNrixB. :2006/08/25(金) 22:32:39.09 ID:nTtlDQL50

(´・ω・`)「・・・ねぇブーン、彼はなんていう名前なの?」

昼食をとり終え、僕はブーンに尋ねた。

( ^ω^)「ああ、ドクオくんだお。」

ドクオ、と呼ばれたその男はけだるそうに窓の外を眺めていた。

僕はふと気になったことを口にしてみた。

(´・ω・`)「なんで彼はいつも独りなんだろう。しかもそれを苦にしてるようにもみえないし・・・」

( ^ω^)「んー・・・。僕もドクオ君のことよくわからないけど・・・ひとりがすきなんじゃないかお?」

ブーンはあごを触り、ちょうど考える人のようなポーズで答えた。

( ^ω^)「きっと、何かがあって誰かと関わりあうのがいやになったんじゃないかと思うお」

なるほど。そう考えればそうおもえる。  そこで僕にもう一つ疑問が生まれた。

24 名前: ◆L2jfNrixB. :2006/08/25(金) 22:52:49.92 ID:nTtlDQL50

(´・ω・`)「そこまでわかっていながらなぜ、ブーンはしばしばドクオ君に話しかけるんだい?」

( ^ω^)「確かに、なんでだろうお」

ブーンはまた考える人のポーズをとった。理由なんてないことは僕にはわかっていた。しかし彼の答えを聞きたかった。きっとそれは僕に話しかけてきた理由に通ずるものだと思ったから。

しばらくして彼が口を開いた。

( ^ω^)「独りでいるのが楽しいなんて、違うと思うお。独りじゃなきゃできないこともあると思うけど、一人じゃできないこともあると思うお。

     独りより二人、二人より三人、多ければ多いほど楽しいこともあるお。それを知らずに独りが一番すきなんて思ってほしくないお。

     ・・・なんて今考えてみたけどやっぱ理由らしいものなんてないお」


(´・ω・`)「・・・・プッ」

( ;^ω^)「な、なんだお?」

(´・ω・`)「ブーンはくさい台詞が似合わないなw」


( ;^ω^)「言うなお、自分で言って恥ずかしかったんだからお」

きっと僕はきっと初めて心から笑った。心の底から。

僕の生活にいだく閉塞感に心地よい開放的な風が吹いた気がした。

29 名前: ◆L2jfNrixB. :2006/08/25(金) 23:29:51.90 ID:nTtlDQL50

( ^ω^)「ショボン、部活は何をやるお?」

(´・ω・`)「んーそうだね、弓道・・・かな。ブーンは?」

入学式を終え、僕らは1週間を過ごした。相変わらずブーンはドクオに話しかけているようだ。

僕もそのうち話しかけよう、と思ったがなかなか機会がなかった。

( ^ω^)「僕はバスケをやるお!」

なるほど、ブーンはバスケが似合う容姿をしているな。いや、これはかんけいないか。

( ^ω^)「弓道は地学室だからあっちだお。僕はこっちだからまたあとでお」

(´・ω・`)「うん、また後で」

この学校では、学期の初めに一斉部活会が行われる。そこで入部の手続きと先輩との対面をする。

僕は入部の手続きを済ませ、学年わけされた席に着いた。驚いたことに隣に座っていたのは   ドクオだった。


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