( ^ω^)も日本を守るために戦うようです
7 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 20:33:04.70 ID:9CeV39Ow0
(・∀ ・)「荒巻少将。話がある」

/ ,' 3 「・・・・・・」

(・∀ ・)「中央から長く離れた少将は疎いだろうがね」

(・∀ ・)「中央では今回の空母撃滅作戦は必中させなければならない、決死であるべきだと考えているんだよ」

(・∀ ・)「そのために少将の基地からも今回は大規模な特攻部隊を編成してもらう事にしたのだ」

(・∀ ・)「少将の元で戦ってきた勇士達をぜひとも国のために役立ててもらいたい」

8 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 20:36:44.67 ID:9CeV39Ow0
/ ,' 3 「この基地に命が惜しい者がいるとは思わない」

/ ,' 3 「だが私は、護国のために取り得る方法は特攻のみではないと私は考えている」

(・∀ ・)「・・・ここで特攻を送らなければ本部の心象が悪くなるぞ?少将」

(・∀ ・)「あなたも今更大陸へ飛ばされたくはないだろう。納得したまえ」

(・∀ ・)「一億火の玉の敢闘精神こそがこの戦いに勝利をもたらすのだ!」

(・∀ ・)「作戦の完遂を期すために今回の出撃にはこの基地の総力を挙げるのだ」

(・∀ ・)「く・・・くくく・・・これでアメリカ艦隊を一網打尽にしてみせる」

11 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:02:31.71 ID:9CeV39Ow0
(´・ω・`)「私達は死んだ多くの仲間達に生かされているんだ」

( ^Д^)「ああ」

(´・ω・`)「一発の爆弾を敵艦にぶつけるために生かされたんだ」

( ´∀`)「先に逝った仲間達のために次の出撃では必ず当てるモナ」

('A`)「かーちゃんの敵・・・・・・」

( ゚∀゚) 「同期のほとんどが逝っちまった。俺もいつでも逝くぞ」

( ><)「故郷の家族を守るため」

( ^ω^)「大切な人を守るため」

それぞれの思いを胸に訓練は進んだ。

12 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:05:12.20 ID:9CeV39Ow0
( ゚∀゚) 「かーっ、今日も暑っついなあ!」
('A`)「ほんと暑いっすねー・・・」
( ^ω^)「ほんと暑いんだお・・・」
( ゚∀゚) 「この暑さ東京も一緒だったなあ」
( ^ω^)「そういえば長岡曹長は確か大学にいってたんだお?」
( ゚∀゚) 「そうそう」
( ^ω^)「大学ではどんな事してたんだお?」
( ゚∀゚) 「勉強せずに毎日野球ばっかやってたぜ」
( ^ω^)「野球やってたのかお」
( ゚∀゚) 「けど、周りの連中もどんどん抜けていってなあ。チームが組めなくなったんだ」

13 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:06:45.95 ID:9CeV39Ow0
( ゚∀゚) 「だから俺も志願したって訳さ。同期の連中と一緒に戦うために、な」

( ^ω^)「野球・・・僕はキャッチボールが苦手だったお」
(;゚∀゚) 「そりゃ練習以前の基本じゃねーか!」
( ´ω`)「だから故郷の仲間内でも三角野球は苦手だったお」
( ゚∀゚) 「じゃー、今度キャッチボールやるか?」
( ´ω`)「けど、下手なんだお」
( ゚∀゚) 「練習しなきゃはじまらないって!」
( ^ω^)「じゃ、よろしくお願いしますお」
( ゚∀゚) 「おkおk!」

14 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:08:54.54 ID:9CeV39Ow0
/ ,' 3 「明日の夜明け未明に出撃してもらう」
( ,,゚Д゚)(´・ω・`) 「はっ」
/ ,' 3 「・・・君達には済まない事をしてしまったな」
( ,,゚Д゚) 「いえ、自分は海軍に志願した時からいつでも死ぬ覚悟はできていました」
(´・ω・`)「同じくです。必ず敵艦に爆弾を当ててみせます」
/ ,' 3 「・・・うむ。だが生還第一だぞ。それは約束してくれるな?」
( ,,゚Д゚)(´・ω・`) 「はっ」

16 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:10:28.29 ID:9CeV39Ow0
/ ,' 3 「飛行機の補充はすぐにできるが人の補充は何年もかかる」

/ ,' 3 「必死の覚悟で任務を行うのと、決死は違う。そう思うからこそ君達を指揮官に選んだのだ」

/ ,' 3 「頼んだよ・・・・・・」

( ,,゚Д゚)(´・ω・`) 「はっ」

17 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:12:03.16 ID:9CeV39Ow0
( ´_ゝ`)「弟者よ」
(´<_` )「なんだ兄者」
( ´_ゝ`)「紫電は迎撃機だ」
(´<_`;)「そんな事は知っているぞ兄者・・・」
( ´_ゝ`)「・・・紫電で特攻の援護に出ろという事はつまり」
(´<_` )「兄者、俺達は戦闘機乗りだ」
( ´_ゝ`)「・・・弟者」
(´<_` )「中佐が何を考えようと俺達は今できる事をやるしかないんだ」
( ´_ゝ`)「見事、敵艦隊まで連れていってやろうぜ・・・」
( ´_ゝ`)(´<_` )「流石だなと言われるようにな」

19 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:13:38.58 ID:9CeV39Ow0
(−@∀@)(こんなのは飛行機じゃない・・・)

(−@∀@)(しかし、整備せねば整備不良を起こしてしまうかもしれない)

(−@∀@)(・・・もう決めたんだ、私は)
( ´∀`)「アサピー少尉、整備ご苦労様だモナ」
(-@∀@)「モナー少尉」
( ´∀`)「整備する身として辛いだろうけどモナ」
(-@∀@)「・・・聞かれていましたか」
( ´∀`)「・・・いつからこの戦争は人が死ぬ事が当たり前になったのかモナ」
(-@∀@)「・・・・・・」
( ´∀`)「お偉方は本土決戦とか言ってるがそんな事になれば取り返しがつかないモナ・・・」
(-@∀@)「・・・・・・」
( ´∀`)「すまないモナ」
(-@∀@)「いいえ」
( ´∀`)「・・・・・・アサピー少尉、話があるモナ」
(-@∀@)「なんでしょう?」

21 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:15:14.50 ID:9CeV39Ow0
その夜。
出撃を翌朝に控えた基地では作戦の完遂を願って小さな宴会が行われていた。

(´・ω・`)「やあみんな。すまないね」
( ´∀`)「さあ、明日が出撃モナ」
('A`)「ういっす」
( ゚∀゚) 「いよいよか」
( ><)「ですね><」
( ^ω^)「ついになんだお」
(´・ω・`)「明日の任務に支障が出ない程度なら酒を飲んでもよい」
( ゚∀゚) 「酒!酒!」
(´・ω・`)「じゃあ、飲むとしようか」
( ^ω^)「卵うめえwww」
(´・ω・`)「本当に君は卵が好きだね」

23 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:18:08.23 ID:9CeV39Ow0
宴会がはじまってしばらくして・・・ショボンが口を開いた。

(´・ω・`)「本来こういう事を言うのは柄ではないんだけど」

(´・ω・`)「明日の作戦はこの基地の戦力全てで敵艦隊に攻撃を仕掛けるんだ」

(´・ω・`)「つまり、乾坤一擲の作戦だ」

(´・ω・`)「私は・・・私達は志願した時に皆死ぬ事を覚悟していると思う」

(´・ω・`)「けど、死ぬ事を覚悟して任務に取り組む事と」

(´・ω・`)「決死で望む事は違うんだよ」

(´・ω・`)「・・・生きて帰ってまた敵に爆弾をぶち込む。それが戦闘機乗りだ」

(´・ω・`)「隊長として今の私の言葉を全員に覚えておいて欲しい」

(´・ω・`)「うん・・・それだけだ」

そして再び宴会がはじまった。

24 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:19:43.13 ID:9CeV39Ow0
('A`)「うー・・・」
( ^ω^)「ドクオ酔ったのかお?」
('A`)「しょんべんしてえ」
(;^ω^)「ちょwww便所までいけおwww」
('A`)「うー・・・」
( ^ω^)「足ふらついてるお。僕も一緒に連いていくお」

25 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:21:54.17 ID:9CeV39Ow0
二人は外に出た。
宴会の行われている建物から便所は少し離れていた。

('A`)「夜風が気持ちいいぜ・・・」
(;^ω^)「飲みすぎだお」
('A`)「!!!」
( ^ω^)「どうしたお?」
('A`)「あー・・・悪いやっぱ一人でいいわ」
( ^ω^)「お?」
('A`)「お前にお客さんみたいだぜ・・・」

27 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:24:34.45 ID:9CeV39Ow0
( ^ω^)「・・・・・・あ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・こんばんは」
( ^ω^)「ツンさん」
ξ゚听)ξ「明日出撃なんですね」
( ^ω^)「そうなんだお」
ξ///)ξ「必ず戻ってきて・・・下さいね・・・」
( ^ω^)「きっと戻ってくるお」
ξ///)ξ「約束ですからね」
( ^ω^)「約束なんだお」
ξ///)ξ「あ、あの・・口付け・・・」
( ^ω^)「おっ?」
ξ///)ξ「その・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」

言葉はいらなかった。
そっと優しい口付け。

29 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:28:00.93 ID:9CeV39Ow0
ξ///)ξ「じゃ、じゃあ私そろそろ帰りますね」
( ^ω^)「ツンさん」
ξ///)ξ「は、はい」
( ^ω^)「またなんだお」
ξ///)ξ「・・・はい!」

('A`)「やれやれ・・・酔いが醒めるような芝居見せやがって・・・飲み直すかな」

基地の夜はこうして更けていった。

32 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:31:26.44 ID:9CeV39Ow0
そして翌朝。
出撃の朝がきた。

( ´∀`)「朝だモナ」
( ><)「無線の状態完璧です><」
( ゚∀゚) 「さあ、いよいよだぜ!」

滑走路にはこの基地でこれまでに無い規模に飛行機が並んでいた。
ゼロ戦、紫電、一式陸攻、九十九式艦爆・・・

(;゚ω゚)「この飛行機みんなで行くのかお?」
(´・ω・`)「そうだね」
( ^ω^)「すごいお!きっとアメリカ艦隊も沈めるお」
(´・ω・`)「・・・そろそろ私達も最終確認をしようか」

34 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:37:03.81 ID:9CeV39Ow0
プロペラが回るにつれて鳴きはじめていた蝉の声が聞こえなくなっていく。
皆、最終点検に余念が無い。
後は飛行機に乗り込み、敵艦隊を目指すだけだ。
今、正に出撃の時。


36 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:40:55.50 ID:9CeV39Ow0
( ゚∀゚) 「・・・・・・そうだ」
( ^ω^)「お?」
( ゚∀゚) 「これで最後・・・いや、キャッチボールしてからいくか」
( ^ω^)「お?」
('A`)「長岡・・・んじゃ付き合うぜ」
( ゚∀゚) 「宿舎の俺の私物のところに置いてあるんだ。悪いけど内藤伍長取ってきてくれないかな」
( ^ω^)「わかったお、いってくるお。⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン」

39 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:43:02.01 ID:9CeV39Ow0
( ^ω^)「長岡曹長の私物ってどこにあるんだお?いつも寝てる辺りを適当に探すかお」

(;^ω^)「うわ、誰かの靴下だ。臭ぇwww」

( ^ω^)「見つからないお・・・」

その時部屋の入り口に気配がした。

( ^ω^)「誰かお?」

40 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:44:30.23 ID:9CeV39Ow0
(-@∀@)「内藤伍長。お話しがあります」
( ^ω^)「アサピー少尉?」
(-@∀@)「・・・ここをお通しする訳にはいきません」

そういってアサピーは扉の前に立った。

41 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:46:12.72 ID:9CeV39Ow0
(;^ω^)「・・・何を言ってるんだお?僕も出撃するんだお?」
(-@∀@)「・・・ショボン隊の皆さんはあなたに生き残って欲しいんですよ」
(;゚ω゚)「!!!」

そこまで言われてブーンは悟った。
よくよく考えてみれば長岡曹長が基地でグラブとボールを持っていたのを見た事が無かった。

(;゚ω゚)「アサピー少尉!そこをどくお!」
(-@∀@)「どきません!」
(;゚ω゚)「くっ、うおおおおおおおおおお!」
(;@∀@)「ぐあっ!内藤伍長・・・いってはダメだ」

(;゚ω゚)「みんなー!!!」

アサピーを押しのけてブーンは建物の外へと飛び出した。

43 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:48:33.12 ID:9CeV39Ow0
(;゚ω゚)「みんな待つんだおー!」
('A`)「ブーンは出撃するのにまだちっと早いわ」
( ゚∀゚) 「すまねえな!帰ってきたらキャッチボール教えてやるよ!」
(;゚ω゚)「二人共何を言ってるんだお?」
('A`)「じゃ、ツンさんとうまくやれよ」
( ゚∀゚) 「ちゃんと留守番してるんだぞ!」
(;゚ω゚)「ちょ、今になって僕だけ置いていくなんてずるいお!!!」

(;゚ω゚)「僕達ショボン隊は一心同体なんじゃなかったのかお!!!!!!」

(;゚ω゚)「次なんてある訳ないんだお!ドクオは桜花に・・・!!」

(;゚ω゚)「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

内藤の必死の叫びは出撃していくいくつもの飛行機のプロペラ音に消えた。
そして・・・
一式陸攻は空に飛びあがった。
それからまた飛行機が飛び立っていく。
飛行機は編隊を組みそして南の海を目指す。
基地からはやがて見えなくなった。

47 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:51:51.54 ID:9CeV39Ow0
( ;ω;)「おっおっおっ・・・どうして僕だけ残されたのかお」
(-@∀@)「・・・落ち着いて聞いて下さい」
( ;ω;)「やっぱり僕・・・機銃操作下手だからおっおっ?」
(-@∀@)「違いますよ。ショボン隊の皆はあなたに生き残って欲しいんです」
( ;ω;)「おっおっおっ?」
(-@∀@)「・・・私はモナー少尉からマリアナ海戦の事、今の本土防衛の事も全て聞きました」

48 名前: ◆HTpDXvh7jk :2006/08/29(火) 21:54:29.57 ID:9CeV39Ow0
(-@∀@)「今回の出撃は帰還が極めて困難です」
( ;ω;)「・・・それは何となく僕もわかってたお」
(-@∀@)「マリアナ海戦ではあなたと同じ位の年齢の人が何百人と海の藻屑になったそうです」
( ;ω;)「・・・・・・・・・」
(-@∀@)「ショボン中尉とモナー少尉は若者をどうにかして助けたいと思っていたんです」
( ;ω;)「・・・・・・・・・けど、他のみんなだって」
(-@∀@)「それに・・・ツンさんからまた一人家族を失わせるつもりですか?」
( ;ω;)「ツン・・・さん・・・」
(-@∀@)「もうあなたはツンさんと家族も同然なのですよ。彼女はあなたを頼りにしています」
( ;ω;)「・・・・・・・・・」
(-@∀@)「もしあなたが死んだとわかったら彼女は正気ではいられないでしょう」
( ;ω;)「ツンさん・・・ツンさん・・・を守るため・・・」
(-@∀@)「爆弾を敵に当てるのではなく、彼女の側にいる事で守ってあげて下さい」
( ;ω;)「みんな、みんな・・・うわああああああああああああ」

内藤はその場で泣き崩れた。


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