( ^ω^)も日本を守るために戦うようです
254 名前::2006/08/26(土) 14:42:28.98 ID:MewlN/lz0
宿舎に戻ってもまだ内藤は泣き崩れていた。



( ;ω;)「ドクオ死ぬ・・・・・・おっおっ・・・・・・」
( ゚∀゚) 「内藤・・・・・・」
('A`)「お前な」
( ;ω;)「おっおっ・・・・・・?」
('A`)「いいかげんにしやがれ!」
(;゚ω゚)「!!!」
('A`)「いいか?こりゃ作戦なんだ。ショボン中尉だってな本当は特攻作戦なんて指揮したくないだろーよ」
( ´ω`)「・・・・・・」
('A`)「・・・俺が桜花に乗らなきゃ代わりに他の誰かが死ぬってこった」

('A`)「お前だけじゃない、皆辛いんだよ」

255 名前::2006/08/26(土) 14:47:55.93 ID:MewlN/lz0
( ゚∀゚) 「ドクオも内藤も今日はそのくらいにしとけよ、な」
( ´ω`)「・・・・・・」
('A`)「外でタバコ吸ってくるわ・・・・・・」
( ´∀`)「内藤伍長はもう寝た方がいいモナ。訓練は明日もあるモナよ」
( ´ω`)「どうして・・・・・」
(;゚ω゚)「どうしてそんなにあっさりと死ぬ事を受け入れるんだお!!!」

内藤はドクオに向かって叫んだが、ドクオは振り返る事もなく外に出ていった。

256 名前::2006/08/26(土) 14:51:11.61 ID:MewlN/lz0
( ^ω^)「かーちゃん、今日のご飯は何かお?」

( ^ω^)「とーちゃん、お仕事お疲れ様だお!」

( ^ω^)「かーちゃん、見て見て。航空少年を買って欲しいお」

( ^ω^)「とーちゃん、ゼロ戦が一番かっこいいと思うお!」

( ^ω^)「かーちゃんの作るご飯うまいお!」

( ^ω^)「かーちゃん、とーちゃん」

( ^ω^)「かーちゃん」

( ^ω^)「とーちゃん」

( ^ω^)「か・・・と・・・」

( ^ω^)「・・・・・・」

259 名前::2006/08/26(土) 14:54:42.89 ID:MewlN/lz0
(;゚ω゚)「はっ!」

(;゚ω゚)「夢・・・だったのかお」

( ´ω`)「かーちゃん、とーちゃん・・・・・・」
('A`)「夜中に何をブツブツ言ってやがる」
(;゚ω゚)「あ・・・・・・」
('A`)「起きたついでにちょっと外まで付き合えよ」
( ´ω`)「・・・・・・?」

262 名前::2006/08/26(土) 14:58:12.15 ID:MewlN/lz0
鈴虫の音が鳴り響く暗闇の中でドクオは内藤に向かって語り始めた。

('A`)「俺は天涯孤独だって昨日言ってたろ」
( ´ω`)「・・・・・・だお」
('A`)「・・・・・・俺はな、元々田舎でかーちゃんと暮らしてたんだよ」
( ´ω`)「オヤジさんは?」
('A`)「俺が物心つくまえにいなかったな」
( ´ω`)「そう・・・だったのかお」
('A`)「そんで、俺は国民学校を卒業してから畑仕事を手伝ってたんだけどよ」
( ´ω`)「・・・・・・」
('A`)「ある日・・・な、畑仕事からかーちゃんが中々帰ってこねぇ」
( ´ω`)「・・・・・・」
('A`)「そんでよ、おかしいと思ったから見にいこうとしたんだよ」
( ´ω`)「・・・・・・」
('A`)「そしたら空襲警報が鳴りやがってな、俺も防空壕で隠れてたって訳だ」

264 名前::2006/08/26(土) 15:01:26.64 ID:MewlN/lz0
('A`)「その後、夜になってもかーちゃん帰ってこねーんだ・・・」

('A`)「しばらくしたら巡査さんがやってきてな」

('A`)「俺のかーちゃん死んだって言われたよ」

(;゚ω゚)「!!!」

('A`)「アメ公の戦闘機の機銃掃射にやられたんだ」

('A`)「だからよ、俺はかーちゃんの敵をとるために海軍に志願したんだ」

('A`)「けど、実際基地に配属されてみたらロクに空戦も出来ない一式だった」

('A`)「俺はずっと・・・ひたすらにアメ公を落す事だけ考えて生きてきた」

('A`)「だから、俺は桜花に志願したんだ」

('A`)「これでアメ公に体当たりしてかーちゃんの敵を、な」

そう言うとドクオは一服ついた。

268 名前::2006/08/26(土) 15:08:03.96 ID:MewlN/lz0
('A`)「最近、火ぃつけにくいなあ・・・・・・ふーっ」
( ^ω^)「・・・・・・わかったお」
('A`)「ん?」
( ^ω^)「僕だってかーちゃんがそんな死に方してたならきっと桜花に乗ったに違いないんだお」
('A`)「そればっかりはその時になってみないとな」
( ^ω^)「・・・ドクオをきっと敵艦隊まで連れていくお!」
('A`)「・・・・・・頼んだぜ」

ドクオはタバコを足で踏み潰した。
それが会話の終わりの合図だった。

270 名前::2006/08/26(土) 15:12:23.08 ID:MewlN/lz0
翌日の訓練は何事も無く終った。
ドクオと内藤がスムーズに会話している事に他の隊員達は内心驚いていた。

( ゚∀゚) (なんだかうまく収まったみたいだな?)
(´・ω・`)(あの後どうなったんだい?)
( ><)(ワカンナイです><)
( ´∀`)(けど、よかったモナ)

( ^ω^)(ドクオをきっと敵艦隊の目の前まで連れていってやるんだお)
('A`)(・・・・・・・・・)

272 名前::2006/08/26(土) 15:15:53.62 ID:MewlN/lz0
訓練を終えて空から戻ってきたショボン隊はその後待機となった。

(´・ω・`)「皆お茶でも飲もうか」
( ゚∀゚) 「おう!賛成だぜ」
(´・ω・`)「じゃあ、ワカンナイデス入れてね」
( ><)「自分がお茶を入れてくるであります><」
(;´∀`)(いつの間にかお茶を入れるのはワカンナイデス伍長になってるモナ)

274 名前::2006/08/26(土) 15:20:05.12 ID:MewlN/lz0
その時待機所の扉が開いた。

ξ゚听)ξ「すいませーん・・・・・・」
(;゚ω゚)「おっおっおっ・・・・・」
('A`)「だから落ち着けwww」
(´・ω・`)「やあ。まずはお茶を飲んで落ち着いて欲しい」
( ><)「もう一杯追加ですか><」
ξ゚听)ξ「差し入れを持ってきました」
( ゚∀゚) 「オニギリじゃねーか」
( ´∀`)「米屋さんにはいつもお世話になってるモナ」
(´・ω・`)「隊を代表してお礼を言わせてもらうよ」
( ゚∀゚) 「早速・・・うまい!」
('A`)「うーん、うまいっすねー」
(;゚ω゚)「うまいおっおっおっおっ・・・・・・」
('A`)「喉につまらせてやがるwww」
( ゚∀゚) 「大丈夫か?慌てて食べるから」
( ><)「お茶です><」
ξ゚听)ξ「クスクス・・・・・・」
( ゚∀゚) 「プックックック・・・・・・」
('A`)「落ち着いたか?www」
(;゚ω゚)「しゃっくりがっ、ヒック、止まらないっ、おっ」
(´・ω・`)「・・・・・・とりあえずお茶を飲んで落ち着こうか」
ξ゚听)ξ「クスクスクス・・・・・・」

午後の待機所の時間はこうしてゆっくりと流れていった。

276 名前::2006/08/26(土) 15:28:20.75 ID:MewlN/lz0
ξ゚听)ξ「では、私そろそろお皿を下げて帰りますね」
( ´∀`)「ごちそうさまだったモナ」
( ゚∀゚) 「美味しかったよ!」
('A`)「うまかったっす」
( ><)「美味しかったです><」
(;゚ω゚)「おっおっいしかったおっおっ・・・」
(´・ω・`)「内藤伍長、そろそろ落ち着こうね」
('A`)「あー・・・・・・誰かツンさんを送っていってやれよ」
ξ゚听)ξ「あ、いえそんな。私一人でも帰れますから」
('A`)「いきなりこの前みたいな空襲があるかもしれないし、念には念をってな」
( ゚∀゚) 「じゃあ、内藤伍長でいってくるか」
ξ゚听)ξ「では、お言葉に甘えまして」
(;゚ω゚)「わかったおっおっおっ」

278 名前::2006/08/26(土) 15:33:54.67 ID:MewlN/lz0
村への道を二人は歩いていく。

( ^ω^)「やっぱり何を話ていいのかわからないんだお」
ξ゚听)ξ「?」
(;^ω^)「あ、独り言が出ちゃったお」
ξ゚听)ξ「クスクス・・・」
( ´ω`)「笑われてしまったお」
ξ゚听)ξ「あ、いえそんな意味じゃなくって・・・そうだ」

ツンは内藤の方に向き直るとお辞儀をした。

ξ゚听)ξ「以前空襲警報の際助けて頂き本当にありがとうございました」
(;゚ω゚)「あっあっ、ああいやあれは軍人として当然だったおっおっ」
ξ゚听)ξ「感謝しています・・・・・・」

279 名前::2006/08/26(土) 15:38:32.98 ID:MewlN/lz0
( ^ω^)「あの時・・・どうしてフラフラと歩いていたんだお?」
ξ゚听)ξ「えっ?」
( ^ω^)「・・・あの時ツンさんは焦って防空壕を探していたって言ってたお」
ξ゚听)ξ「そうです」
( ^ω^)「けど、僕にはトボトボとまるでサイレンの音が聞こえていないように見えたお」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・・・・・・」
(;^ω^)「あ、いや別に、何となくだったんで聞いてみただけおっおっ」
ξ゚听)ξ「・・・私、空襲で両親を失ったんです」
(;゚ω゚)「!!!」

280 名前::2006/08/26(土) 15:41:37.24 ID:MewlN/lz0
ξ゚听)ξ「それで・・・元いた街の家も無くなっちゃって疎開してきたんです」
(;゚ω゚)「辛い事を聞いて悪かったお!ごめんだお!ごめんだお!」
ξ゚听)ξ「あの時の私は両親を失った衝撃で茫然自失でした。汽車にもどう乗り込んだか覚えてません」
(;゚ω゚)「・・・・・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「死んでもいいかなって・・・」
(;゚ω゚)「死んじゃダメだお!」
ξ゚听)ξ「そう思っていた時に内藤さんに助けられたんです」

284 名前::2006/08/26(土) 16:04:21.90 ID:MewlN/lz0
ξ゚听)ξ「あの後親戚の人に会った瞬間に私泣き崩れちゃって・・・」

ξ゚听)ξ「都会と違ってこっちでは慣れない事もあります、けど」

ξ゚听)ξ「私は生きようと思いました・・・あ」

ξ゚听)ξ「こんな事情を打ち明けてすいませんでした」

( ^ω^)「そうだったのかお・・・・・・」
ξ゚听)ξ「?」
( ^ω^)(ドクオも他の皆もこのツンさんだって自分なりにけじめをつけているんだお)

( ^ω^)(僕にできる事は生きている人のために少しでも爆弾を落されないようにする事)

286 名前::2006/08/26(土) 16:07:59.04 ID:MewlN/lz0
( ^ω^)「いや、何でもないお」
ξ゚听)ξ「そうですか?」
(;^ω^)「とか、言ってるうちにもう役場前まできちゃったおwww」
ξ゚听)ξ「どうも送って頂きありがとうございました」
( ^ω^)「気をつけて帰るんだおー」
ξ゚听)ξ「また差し入れ持っていきますね」
( ^ω^)「大歓迎なんだお!」
ξ゚听)ξ「では、私はここで」

ツンの背中を見送った後、内藤は基地に向かって走っていた。

( ^ω^)「僕も自分でやるべき事をやるしかないんだお⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン」

途中から女性としゃべっているのに、言葉に詰まらなくなっていた事にまだ気づいていないが。


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