('A`)ドクオが世界ではなく自分に従うようです
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 02:24:11.10 ID:5fa0aRuq0
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(´・ω・`)「リフト使って直で行けないから、公社の中を通っていったほうが近いな。 後で報告すればいいだろ」
公社は地下世界の物の開発から流通まで、ありとあらゆることを行っている会社である。
レンジャーとは組織が違うものの、上は”メンバー”によって統治されており、基本的になんでも協力体制を取っている。
('A`)「公社か……。俺はアソコ苦手だな……。 なんか薬品の匂いばっかりでさ。 中の連中態度悪いし……」
(´・ω・`)「まぁ、そういうなって。 俺が偉くなったら連中の態度だって直してやるさ」
('∀`)「ハハハ、期待してるよ」
(´・ω・`)「ちょうどいいから道すがら軽く見物していこうぜ?」
('A`)「ああ、そうだな・・・・・・」
('A`;)「……!? うっ……!」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 02:34:56.24 ID:5fa0aRuq0
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突然の眩暈がドクオを襲った。
(´・ω・`)「・・・・・・ドクオ!? おいッ! どうした!」
(;'A`)「うぅ・・・・・・? ・・・・・・ショボン?」
ショボンの声が遠く聞こえている。
(;'A`)「うぅ・・・・・・」
何が起きたのかドクオにはわからなった。
ドクオの頭がふらつく。
『ドクオよ・・・・・・』
(;'A`)「・・・・・・?」
どこからともなく声が聞こえた。
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 02:37:27.11 ID:5fa0aRuq0
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『友よ・・・・・・空を目指せ・・・・・・』
('A`;)「な・・・・・・な・・・・・・に・・・・・・? 誰・・・・・・?」
『友よ・・・・・・力ならば、足りないのならば私がくれてやる……』
『・・・・・・お前は・・・・・・選ばれた・・・・・・』
『空を・・・・・・』
('A`;)「・・・・・・う・・・・・・」
意識がさらに遠くなる。
(´・ω・`;)「ドクオッ! おい!しっかりしろよ!」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 02:39:17.17 ID:5fa0aRuq0
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('A`;)「う・・・・・・ショボン?」
ショボンの声でドクオは目を覚ます。
(´・ω・`)「ふぅ・・・・・・いきなり倒れるなんて、どうしたんだよ?」
気がつくとドクオは軽く汗をかいていた。
('A`)「あ、ああ・・・・・・おかしいな? 疲れてるのかもしれないな・・・・・・後でゼノ隊長に言ってみるよ・・・・・・」
(´・ω・`)「ったく・・・・・・、しっかりしろよ? 相棒」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 02:47:35.32 ID:5fa0aRuq0
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(´・ω・`)「ここは……廃棄ディク施設か……。実験に使用されたディクでも始末して置いてんだろ」
('A`)「死体がいっぱいだな……気分悪いな……」
(´・ω・`)「なに言ってんだ? こんなもん見慣れてるだろ」
('A`)「そうだけど……さ」
(´・ω・`;)「・・・・・・うぉッ!」
ショボンが突然声を上げる。ドクオはそれに反応して振り向いた。
何か変なものでも見たのだろうか? いつも冷静なショボンがひどく動揺していた。
('A`)「? どうかした? ゴキブリ?」
(´・ω・`;)「違うよバカ! アレ見てみろよ!」
('A`)「・・・・・・?」
そう言われてドクオもショボンが見ている方向へと目をやる。
(;'A`)「・・・・・・な、なんだ・・・・・・アレ?」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 03:00:10.71 ID:5fa0aRuq0
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見上げた先には――― 一匹の、異様に巨大な生物が磔にされていた。
(´・ω・`;)「俺が聞きてぇよ・・・・・・」
('A`;)「・・・・・・でかい・・・・・・」
それは、巨大な顎に、大きな翼。 博識なショボンですらここまで動揺する巨大な骸。
その下半身はすでに腐り落ちているようだったが、残った部分だけであろうとドクオが知るどんな生物よりも大きかった。
(´・ω・`;)「これが・・・・・・生き物かよ・・・・・・気持ち悪ぃ・・・・・・」
('A`)「・・・・・・」
そう言うショボンだが、ドクオはこの巨大な化け物が気持ち悪いとは思えなかった。
('A`)「なんか・・・・・・可哀想だな・・・・・・」
(´・ω・`;)「ハア!?」
('A`)「・・・・・・でっかい翼なのにさ、死んでも縛り付けられて・・・・・・なんか苦しそうだ・・・・・・」
(´・ω・`;)「おまえ・・・・・・こんな気味悪ぃ化けモンに対してよくそんな感想が言えるな・・・・・・」
('A`) 「そうかな・・・・・・」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 03:01:37.67 ID:5fa0aRuq0
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(´・ω・`)「さぁて、そろそろ行くか。 あんなもんがあるなんていい話しのタネになったぜ、なあ?」
('A`)「・・・・・・ああ、そうだな」
+++貨物リフトポート+++
(´・ω・`)「あッ! ヤベエ、もう発車しようとしてるぞ! 急げドクオ!」
('A`)「ああ!」
目的のリフトは、ドクオ達が到着するタイミングと同じぐらいのタイミングでリフトが発車しようとしていた。
ドクオ達は走り始めているリフトに急いで乗り込んだ。
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 03:04:29.48 ID:5fa0aRuq0
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ガタンガタンと規則的な音を立てて、リフトは進む。
そんなリフトの上でドクオ達は一息ついていた。
(´・ω・`)「ふぅー。なんとか間に合ったな。 ゼノ隊長にどやされずに済む」
('A`)「そうだな・・・・・・。 でも移動用リフトが壊れてたんだからなんとか言い訳になったんじゃないか?」
(´・ω・`)「まあな。 でも俺のキャリアに傷がつくかもしれないじゃないか」
('∀`)「ハハハ、ショボンは俺と違って将来お偉いさんだもんな・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・」
ドクオは何気なく言った一言だと思ったが、ショボンは急に黙りだした。
('A`)「・・・? どうかした?」
(´・ω・`)「大事な話がある」
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 03:06:28.08 ID:5fa0aRuq0
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('A`)「なんだよ・・・・・? 急に・・・・・・」
急に真面目な表情になったショボンをドクオは訝しげに伺う。
(´・ω・`)「聞いてくれ。 俺のD値は1/64だ。 お前は?」
('A`)「え?」
ショボンのいきなりの質問に戸惑う。
(´・ω・`)「いいから答えてくれ」
('A`)「・・・・・・1/8192だよ、知ってるだろ? 今更なに言ってるんだ?」
(´・ω・`)「俺のD値を見てどう思う?」
('A`)「・・・・・・すごく、大きいです・・・・・・」
(´・ω・`)「そうだ。嬉しいもへったくれもない。これは事実だ。・・・・・・そしてお前のD値もな」
('A`)「・・・・・・」
(´・ω・`)「お前のD値はサードレンジャー以上になる条件を満たしてないんだ……分かってるだろ?」
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 03:13:27.37 ID:5fa0aRuq0
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('A`)「ああ……」
(´・ω・`)「でも俺は違う……俺のD値は、俺次第ではメンバーにだってなれる値だ」
メンバー、この閉じられた世界の統治者達。世界の蓋の最も近くに住んでいるこの世界の最高権力者たち。
ドクオにとっては一生会うことすらないような天上人。
その話をショボンはしている。
確かに、ショボンのD値ならば可能性は無くは無い。
('A`)「……」
(´・ω・`)「本題だ、ドクオ」
('A`)「?」
「お前、手柄を俺に譲る気は無いか?」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 03:19:55.98 ID:5fa0aRuq0
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('A`)「え・・・・・・?」
ショボンの突然の言葉に頭が回らない。
(´・ω・`)「お前がこなした任務の手柄、全部俺に譲ってくれないか?」
('A`)「それは・・・・・・」
(´・ω・`)「お前、よくやってるよ。 周りも皆そう言ってる。 でもな、お前がどれだけ頑張ろうと、どれだけ手柄を上げようと、お前は一生サードレンジャーのままだ」
('A`)「・・・・・・」
それは既に諦めてることだ。 入隊時にゼノ隊長にも言われた。 ドクオのD値ではこれ以上の階級には行けない。 それでもいいのか、と。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 03:21:02.68 ID:5fa0aRuq0
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(´・ω・`)「でも俺が出世すれば後ろ盾にもなってやれる! 少なくともサード以上にはしてやる!」
確かにその通りだった。 高D値のお偉いさんの目に止まって、本来のD値よりも高い地位に出世する人間も少なくない。
(´・ω・`)「・・・・・・考えておいてくれないか? これは、お前のためになることなんだぜ?」
('A`)「う・・・・・・うん」
ショボンの言い分は全く正しい。
自分が今以上の生活を望むためには、ショボンのような高D値の者に目をかけて貰うしかない。
少なくともドクオにはそれ以外の方法しか思い浮かばなかった。
('A`)「本当に・・・・・・それで、いいのかな・・・・・・?」
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