('A`)がコンビニ店員になったようです。
- 15 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 22:58:44.12 ID:ShRj3mhI0
-
――――――ξ゚听)ξ「3よ!」―――――――
あれから数日がたった。
その間、ブーンはコンビニに一度も姿を現さなかった。
もしかしたら、死んだのかもしれない。
俺は、本気でそう考えだした。
やがて、あれから一週間あまりが過ぎた頃になって、
ようやくブーンが姿を現した。
(ヽ゚ω゚)「おいすー・・・。」
- 16 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 22:59:38.10 ID:ShRj3mhI0
- ('A`)「・・・・・・やつれたな。」
(ヽ゚ω゚)「あの日から毎日のようにこき使われて、
今日、やっと休みをもらえたお・・・・・。」
('A`)「・・・これはおごりだ。
まあ、飲んでくれ。」
そう言って、俺はブーンに栄養ドリンクを渡す。
すまない、ブーン。
俺にできることと言えばこれくらいだ。
- 17 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:00:25.79 ID:ShRj3mhI0
- (ヽ゚ω゚)「助かるお・・・。
いただきマンモス・・・。」
ブーンは、栄養ドリンクを飲み出す。
すると、ブーンの顔に見る見る生気が戻ってくる。
( ^ω^)「ぷはー!
この栄養ドリンク、すごい効き目だお!
ドクオ、ありがとうだお!」
パワリンってすごいな。
今度、おすすめ品の棚に並び替えておこう。
- 18 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:01:53.71 ID:ShRj3mhI0
- ちょうど、お客もいない時間帯だったので、
俺とブーンはバックスペースで話をすることにした。
話題はもっぱら、ショボン先輩のバーでのことだ。
ブーンの話によると、それはそれは過酷な労働環境のようで、
ついには、法律事務所に相談に行くとまで言い出す始末。
止めておけ、ブーン。
そんなことをすると、あとで何をされるかわからないぞ。
そんな風に話し込んでいると、
店内から怒鳴り声が聞こえてきた。
まずい。
話に夢中になりすぎて、
お客が来店したことに気づかなかったようだ。
俺は、バックスペースから飛び出すと、レジへと走った。
- 19 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:03:21.90 ID:ShRj3mhI0
- ('A`;)「お客様、大変申し訳ありませんでした。」
俺は頭を深く下げながら、誠心誠意、謝罪する。
ξ#゚听)ξ「まったくよ!
お客を待たせるなんていったいどういう・・・・。」
すると、途中でお客の言葉が途切れた。
何事かと思い、頭を上げる。
ξ゚听)ξ「あんた、ドクオ?」
('A`)「お前、ツンじゃないか!
懐かしいな! 元気にしていたか?」
目の前にあったのは、高校時代の旧友の顔だった。
- 22 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:04:57.42 ID:ShRj3mhI0
- 彼女はツン。
俺の高校時代の同級生で、俺がほのかな恋心を抱いたこともある女。
まあ、俺は恋愛ごとになると昔からからっきし駄目で、
結局、その思いを伝えることはできなかったが・・・・・・。
しかし、彼女がここに現れるとは意外だ。
卒業後は、地元を離れて県外の大学に進学したと聞いていたが・・・。
('A`)「それにしても、どうして地元にいるんだ?
夏休みだから、帰郷していたのか?」
ξ゚听)ξ「・・・うん、まあそんなところ。
あんたこそ、こんな深夜にバイトなんて大変ね。」
久しぶりの旧友との再会はうれしいものだ。
俺達は、レジの前にもかかわらず話を続ける。
それにしても、ツンは前からきれいな女ではあったが、
大学に進学して、いっそうその美しさに磨きがかかったようだ。
・・・・・否、前言撤回。
ツンさん。
あんた、ちょっとケバすぎるのではありませんか?
- 26 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:08:11.47 ID:ShRj3mhI0
- 俺がそう思い始めていると、
今度はタイミング良く、ブーンがバックスペースからでてきた。
( ^ω^)「ドクオ〜、何しているんだお?」
ξ゚听)ξ「ブーン! なんであんたまでここにいるのよ!?」
( ^ω^)「あれま、ツンじゃないかお。
久しぶりだお。
そのがさつな言葉遣いは、相変わらずのようだお?」
ξ゚听)ξ「うるさいわね。
あんたこそ、その間の抜けたしゃべり方は相変わらずのようね。」
出会って早々、二人はお互いのことをけなし始めた。
しかし、二人にとっては、こんな会話でも挨拶のかわりなのだろう。
なにせ二人は、赤ん坊の頃からの幼なじみなのだから。
- 27 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:09:31.69 ID:ShRj3mhI0
- ξ゚听)ξ「それにしてもブーン。
高校を卒業して元のピザに戻っているかと思えば、そうでもないわね。」
( ^ω^)「おっおっお。
ピザに戻るのは嫌だから、結構走っているお。」
ξ゚听)ξ「ふーん。
あんたにしては偉いじゃない。ほめて使わす。」
( ^ω^)「ツンにほめられても一文の得にもならないお。
それにしても、ツンはえらくケバくなったお?」
ブーン。
いくら幼なじみとは言え、その発言はデリカシーが無さ過ぎるではないのか?
- 28 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:11:53.46 ID:ShRj3mhI0
- ;゚听)ξ「う、うるさいわね!
このくらいの化粧、普通でしょ!」
( ^ω^)「そんなことないお。
いくら何でもケバすぎるお。
ね〜、ドクオ?」
ブーン、俺に振るな。
ξ゚听)ξ「どうなのよ、ドクオ!」
( ^ω^)「ドクオもそう思うお?」
そんなこと、俺に言えるわけがないだろう。
まったく、
ショボン先輩が来てからというもの、俺にはついていないことばかり起きる。
- 31 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:16:24.46 ID:ShRj3mhI0
- そんな俺の思いとは裏腹に、二人は執拗に、俺に意見を求めてくる。
俺は、どちらにも当たり障りのない意見など言える器用な人間ではない。
やけになった俺は、自分の気持ちに正直になることにした。
('A`;)「まあ、確かに化粧は派手になった気がするな。」
( ^ω^)「おっおっお。
そういうことだお、ツン。」
ξ#゚听)ξ「うるさい!
これが普通なのよ!ふ・つ・う!!」
('A`)「しかし、ananなんかには、
今年はナチュラルメイクが主流だって書いていたぞ?」
- 32 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:17:03.06 ID:ShRj3mhI0
- ξ#゚听)ξ「ちょっと、何であんたがそんな雑誌を読んでいるのよ!?」
しまった。
やけになりすぎて、つい口が滑ってしまった。
('A`;)「い、いや、違うんだ。
お客の来ない時間帯に、暇つぶしにちょっと眺めていただけなんだよ。」
これは本当だ。
しかし、女性雑誌は男の知らない女性事情が載っているので意外と面白い。
男性の方は(このスレに女性はいないだろうが)、機会があれば一読することをおすすめする。
- 34 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:20:32.00 ID:ShRj3mhI0
- ξ゚听)ξ「ふーん。
まあ、あんたの性癖なんてどうでもいいけど。」
ちょっと待て。
なんで女性雑誌を読んだくらいで、性癖云々を言われなければならないんだ?
この話題、もう嫌だ・・・。
( ^ω^)「とにかく、ツンの化粧は濃いということでFAだお。」
ξ#゚听)ξ「黙れ!元ピザ!」
(#^ω^)「あまり私を怒らせない方がいい。」
そう言って、
二人は店内であるにもかかわらず、口げんかを始める。
俺はこれ以上巻き込まれたくなかったので、
逃げるようにしてバックスペースの中へと消えた。
- 37 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/09/04(月) 23:22:18.83 ID:ShRj3mhI0
- バックスペースの中で飲料の補充をしていると、
いつしか、店内に響いていた二人の怒鳴り声が聞こえなくなった。
頃合いかと思い、店内に出ようとすると、
バックスペースの扉が開き、鼻息を荒くしたブーンが入ってきた。
('A`)「痴話げんかは終わったのか?」
(#^ω^)「あ、おかげさまで終わりましたおー。
まったく、あの馬鹿女にはプンプンだお!」
('A`)「まあ、もちつけ。
ツンはどうした?」
(#^ω^)「逆ギレして帰ったお!
二度と来ないって言っていたから、せいせいしたお!」
まじかよ・・・。
久しぶりの好きだった人との再会が、こんな形になってしまうとは・・・・。
最悪だ。
最近の俺は、本当についていない。
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