( ^ω^)ブーンがジャンプ漫画家になるそうです
- 70 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 00:12:20.34 ID:CGo3QAiM0
- _, ._
( ゚ Д゚)「まあ、そんなわけで今日の仕事はここまでにすっぞ!ブーンの作品がジャンプに乗るってことでな、飲みに行くぞ!」
墨先生は早々に仕事を切り上げるとアシスタント同士でよく行く居酒屋にみんなをつれていく。今回の主役はなんといってもブーン。
賞の初受賞に続き、ジャンプにはじめて乗るということはジャンプ連載人にくわわるものにとって登竜門であるからだ。
まだ受賞していないものも多くいる中で、みんなは心のそこから祝福してくれた。その日は何度も何度も乾杯をして
お酒を飲めないブーンも大量にお酒を飲んだ。これはあとでイヨウ先輩に教えてもらったことだが、墨先生はブーンの受賞を
聞いてトイレでこっそりうれし泣きをしていたらしい。本人は必死に否定していたけれど。
_, ._
( ゚ Д゚)「うるせえ、ぶっころすぞ!」
- 72 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 00:19:24.63 ID:CGo3QAiM0
- 平成××年●月□日(月)ブーンは目が覚める。いつものように目覚まし時計を泊めると、布団からはいでる。
台所で母親の写真を見ながら食事を済ませると顔を洗い、歯を磨き仕事場に向かう。
いつものいきつけのコンビニでジャンプをかう。今日のジャンプはブーンにとって特別な一冊だ。
表紙は墨先生の「脱色」。近年益々人気がでてきて、絶好調だ(相変わらずストーリー展開が遅くてアニメに追い抜かれるいきおいだが)
その表紙の右下に小さく読みきりのカラーがかかれている。ブーンの作品だ。
( ^ω^)「ワクワク…テカテカ…」
いつもはカマボコから読み始めていて、読みきりなんてあとまわしにするブーンだが、今日は読み切から読む。
電車の中でも何度も何度も自分の書いた読みきりだけを読む。後ろの作者の一言ページも読む。
自分の作品があこがれのジャンプにのったことが非常にうれしいようだ。そのジャンプをそっと自分の鞄にしまう。
- 75 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 00:25:55.70 ID:CGo3QAiM0
-
( ^ω^)「ちょwwwwwwなんだお、この大量のジャンプwwwwwwwwwww」
(=゚ω゚)「墨先生が記念だっていって大量に買い込んできたんだヨウ」
_, ._
( ゚ Д゚)「お前の読みきりがあまりにもあれなんでよう、みんなにみせるの恥ずかしいんで買い込んできたわ。」
(=゚ω゚)「イヨウが車を出していっしょに買いにいったんヨウ。」
( ^ω^)「墨先生、ありがとうだお。その気持ちとってもうれしいんだお。」
_, ._
( ゚ Д゚)「やかましい!とっとと仕事しろ!こちとら来週もカラーで寝る間もねーんだよ!ゲシゲシ!」
( ^ω^)「はいはい、わかりましたですお。先生。」
_, ._
( ゚ Д゚)「あー、そうだ。ブーン、おまえ、今日いきたいところあるんだろう?はやめにあがっていいからな。」
( ^ω^)「え?でも、仕事終わってからでもいいですお。」
_, ._
( ゚ Д゚)「フン、戦力外のお前をおいといてもしゃあねえんだよ!とっととお袋さんとこにあってこいや!」
(=゚ω゚)「ショボンさんから聞いたんだヨウ。先生その話聞いて、また泣いてたんだヨウ。年だヨウ。涙腺緩いヨウ。」
( ^ω^)「先生wwwwwwwwバロスwwwwwwwwwwww」
_, ._
( ゚ Д゚)「やかましいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
- 77 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 00:32:19.82 ID:CGo3QAiM0
- 世界は夕暮れ。オレンジ色の空が世界を覆う。
仕事を終えるとイヨウさんの車で墨先生とイヨウさんとブーンとでカーチャンの墓参りに行くことに。
( ^ω^)「カーチャン、聞いてくれてるかお?ブーンの漫画ジャンプに載ったんだお。」
( ^ω^)「ほら、この207P〜246Pまでがブーンの作品だお。」
( ^ω^)「見ててほしいお。今から読んであげるお。」
( ^ω^)「この主人公は…」
すこし離れたところで親子水入らずの時間を邪魔しないために、ベンチに座る二人。
(=゚ω゚)「きっといいお母さんだったんでしょうねえ…」
_, ._
( ゚ Д゚)「まあ、母親ってのはオシャレを超越してる存在だからなぁ…すぱー…」
- 78 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 00:37:01.88 ID:CGo3QAiM0
- ( ^ω^)「というわけでここをめざさないとだめなんだお。ここの表現はイヨウ先輩が指導してくれたんだお。」
( ^ω^)「イヨウ先輩はいい人だお。やさしくて根気よく教えてくれる人だお。」
( ^ω^)「ここの女の人の服装と台詞は墨先生の意見を参考にしたんだお。」
( ^ω^)「墨先生は口が悪くて、手も早い先生だけどほんとうはとってもいい人なんだお。」
( ^ω^)「それで、この主人公がこうなって…最後はハッピーエンドだお。」
( ^ω^)「カーチャン。俺の漫画どうだった?おもしろかったかお?」
( ^ω^)「そうか、ありがとうだお。また来月くるお。ジャンプはここにおいておくからいつでも読んでほしいお。」
_, ._
( ゚ Д゚)「もういいのか?それじゃあ、いくぞ…。イヨウ、車を出せ。」
( ^ω^)「はいだお。」
帰りの車からカーチャンの墓を見ているとジャンプのページがぺらぺらとめくれていた。
きっと夕暮れ特有の風が起こしたものだろう。だけれどブーンにはカーチャンがブーンの漫画を読んでいるように見えた。
- 80 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 00:44:15.29 ID:CGo3QAiM0
- _, ._
( ゚ Д゚)「んじゃあ、ブーン。明日も仕事だからはやくねろよ。あ、それとな、今日は2ちゃんねるの週間少年漫画板をみとけ。」
(=゚ω゚)「あそこは厳しい意見ばっかりぶつけてくるところだけれど、なんかの参考にはなるヨウ。」
( ^ω^)「あんまり見たくないお。めちゃくちゃいわれそうだお…。」
_, ._
( ゚ Д゚)「まあ、2ちゃんねらーのちんかすどもの意見なんかどうでもいいけど、新人にはいい勉強になるんだよ。だいたい連中は
俺が作ったルールを無視するような…クドクド」
( ^ω^)(あれはどうみても先生が悪いおwwwwwwwwwwwwwwwwww)
(=゚ω゚)「まあ、そんなわけでおやすみだヨウ。さ、先生まだ仕事のこっているヨウ。」
_, ._
( ゚ Д゚)「あー、そうだったな。んじゃあな、ブーン。」
( ^ω^)「はいですお。」
- 85 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 00:50:03.11 ID:CGo3QAiM0
- ( ^ω^)「さてと、さっそく2ちゃんねるのチェックだお。どれどれ…?を、スレがあるお。パート2までいってるお!」
( ^ω^)「えっと、なになに・・・?「墨のパクリ!」「ここの構図はトレース!」「腐女子受け狙いすぎ!」「読み飛ばした」」
・・・
( ^ω^)「こ、これはひどいお・・・。パクリとかしてないお。読み飛ばさずに読んで欲しいお・・・。」
以下延々と続く酷評の荒し。スレ全体がもはや酷評をするためだけに存在しているようで全く誉められているようなレスはつかない。
( ^ω^)「これが洗礼やつかお・・・。正直へこむお・・・。」
漫画家の道は厳しい。ぽっと出の佳作程度の代源など2ちゃんねらーからすれば叩くための材料でしかない。
この酷評をバネにしてさらに精進できるから連載を持つということの最初の試練なのだ。
- 89 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 00:57:20.57 ID:CGo3QAiM0
- (´・ω・`)「やぁ、ひさしぶりだね。どうだい?初めてジャンプにのった感想は?」
( ^ω^)「朝にいきなり電話で呼び出されてもこまるお。先生、カラーで大忙しなんだお。」
(´・ω・`)「すまない。とりあえずこのコーヒーを飲んで落ち着いて欲しい。今日は君に紹介したい人間がいるんだ。」
(*゚ー゚)「こんにちは、新人担当のしいです。」
( ^ω^)「こ、こんにちわだお。(かわいいこだお。。。)」
(´・ω・`)「今まで君の担当は一応僕だということだったのだけれど、僕は最近田尾先生の担当で忙しくて君のほうまで目が回らなくなってきたんだ。そこで、こちらのしいにこれから君の担当になってもらうことにした。」
(*゚ー゚)「よろしくおねがいします。」
(´・ω・`)「これからはわが社としてはブーン君を未来の連載人候補として扱うつもりなのでその点よろしく。とりあえず次の赤丸で読みきりをかいてもらうので準備しておいてくれたまえ。くわしいことはしいが話す。それじゃあ、僕はこれで。」
(*゚ー゚)「じゃあ、詳しい話をしますね・・・」
( ^ω^)(正式な担当に、プロ扱い・・・おまけに読みきり依頼まできたお!これはがんばらないと!)
- 93 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:04:13.63 ID:CGo3QAiM0
-
(=゚ω゚)「ブーンくん、最近調子いいようだヨウ。赤丸に何度か載せて、読者から高評価をうけたら間違いなく週刊連載間違いないんだヨウ。」
( ^ω^)「新しい担当さんもついてなんだが自分がすごく偉くなった気がするお。」
(●´−`●)「おいにもそういう時期がごわした・・・。あっというまに連載陣の仲間入りと・・・。」
_, ._
( ゚ Д゚)「そうそう。アシスタントと読みきりの両立はむずかしいぜえ。しかも読みきりがうけないと連載させてもらえないしな。」
( ^ω^)「う、まだまだ先は厳しそうだお・・・。」
_, ._
( ゚ Д゚)「まあ、油断せずがんばれや、すぱー・・・。」
- 98 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:09:44.03 ID:CGo3QAiM0
-
(*゚ー゚)「というわけで、ブーンさんにはもうすこし他の先生のところを見て回るということが大切だと思います。」
( ^ω^)「そ、そうかお?」
(*゚ー゚)「ええ、少し墨先生の色に染まりすぎていますね。最近多いんです新連載のかたに、特に多いのが元岸先生のアシスタントなんてもうひどくてみれてもんじゃないんですよ」
( ^ω^)(この子、かわいいけど、結構いいたいことずばずば言うほうだお・・・。)
(*゚ー゚)「というわけで今度の木曜日は他の先生の仕事場を軽くお手伝いしませんか?私が一番好きな漫画家のところへご案内しますわ。」
( ^ω^)(どうせ、野星とか地空とかだお。腐女子嫌いだお)
数日後−−−
(*゚ー゚)「さ、つきましたよ、キャー!たのしみい><」
( ^ω^)「きゃ、キャラがかわってるお・・・!?だ、だれなんだお!?」
表札に書いてあるその名前は・・・ 荒 木 飛 呂 彦 ・・・
WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
- 103 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:17:40.70 ID:CGo3QAiM0
- ( ^ω^)「ちょwwwこんなの聞いてないおwwwwブーン、ジョジョ、3部からしか読んでないおwwwwww」
(*゚ー゚)「信じられませんわ。波紋のこと全然知らない漫画家なんで漫画家失格ですわよ。」
( ^ω^)「だってwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(*゚ー゚)「さ、いきますよ、ひろひこ〜まっててね><」
ぴんぽーん・・・
ドアを開けてでてきたのは30いってるかどうかという程度の青年。
どことなく土方歳三に似ている。
( ^ω^)「こんにちは、ブーンだお。今日は荒木先生にあいにきましたお。」
(*゚ー゚)「荒木先生〜、ひさしぶりです〜><」
アラーキー(AA無し)「やあ、ひさしぶりだね、しいくん。」
( ^ω^)「ちょwwwwwwwwwwどうみても40代にはみえないおwwwwwwwwwwwwドラキュラってマジかおwwwwwwww」
- 106 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:25:51.49 ID:CGo3QAiM0
- アラーキー(AA無し)「君が墨君のところの新鋭のブーンくんだね。なかなかいい作品を書いているね。すこし擬音があまいけれど。」
( ^ω^)(うお、早速駄目だしがきたお・・・)
アラーキー(AA無し)「墨君にも言えることだけれどね、剣?刀?よくわからない武器で切ったときの効果音が同じすぎないかい?
たとえばザシュっとザックとじゃあ、ダメージを連想させる読者の反応が…」
(*゚ー゚)「うんうん、そうなのよね。それがいいたかったの。でろーんもないわよね。」
( ^ω^)(これはガチで荒木飛呂彦に染まるのも考えものだおwwwwwwwwwww)
アラーキー(AA無し)「まあ、口でいうのもなんだし、仕事場をみていきなさい。」
( ^ω^)「ありがとうございますお。それじゃあ、早速…。」
アラーキー(AA無し)の好意で仕事場を見学させてもらったブーン。アラーキーは最近週刊少年ジャンプから降板させられ
ウルトラジャンプに島流しにされたのだがそれでもなおインターネット上では爆発的な人気を誇る。
特にたっぷりとかきこまれた作画や脱色のように綺麗にまとまった作品とは違い個性が光る。
オリジナリティというものを考える上でやはり荒木はもっともいい例といえるだろう。
( ^ω^)「今まで墨先生しかしらなかったけれど、本当にいろんな作品があるってことがわかったお」
- 113 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:34:02.29 ID:CGo3QAiM0
- 帰りの車の中で…
(*゚ー゚)「つまり今日学んだことは荒木先生を早くWJに復帰させようということでしたね!?」
( ^ω^)「いや、全然違うお。個性をつけるっていうことだお。しいさんが最初にいってたんだお…。」
(*゚ー゚)「あらやだ、そうでした私って興奮しちゃって…オホホ。っと冗談はここまでにしましょうか?
次回の読みきり、そろそろどんな話にするか決めてますか?」
( ^ω^)「うーん、まだはっきりとはきめてないけれど、こういうのはどうだお?」
ブーンが話したのはちょっと悲しい御伽噺のストーリー。子供たちに対しては優しく理解できるようなお話。
大人たちが読むと、少し考えることを要求されるようなストーリー。その二つを兼ね備えた一つの物語を
書きたいとしいに語った。
(*゚ー゚)「いいかもしれませんね。最近バトル物ばっかりで少々過食気味でしたしね、うちの雑誌は。」
( ^ω^)「でも最後はハッピーエンドでおわらせたいんだお。人に輝きを与えたいんだお。」
(*゚ー゚)「ふふ、素敵ですね。」
女の子とこんなにおしゃべりしたのは初めてだった。車の中は女の子のいいにおい。
女の子が俺の話でクスリと微笑みながらミラーからこちらをみていたときはドキってしてしまった。
もしかしてこれが恋ってやつかお・・・?
- 117 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:44:31.05 ID:CGo3QAiM0
- その日からブーンの人生でおそらくもっとも忙しいといわれる時期がはじまった。
朝昼夕と墨先生のところでアシスタントとしてのお手伝い。
夜は晩飯をしいと食べながら読みきりについて語り合う。
しいとわかれたあとは自分の家で読みきりをゆっくりゆっくり書き始める。
一日の平均睡眠時間が4時間を切っていたが、ぶーんは不思議と充実していた。
(*゚ー゚)「というわけで・・・って、ブーンさん、きいてます?」
( ^ω^)「あ、うん、聞いてるお・・・。(最近この子とあうといつもどきどきしているお。)」
(*゚ー゚)「読みきりのほう、順調みたいですね。今週中にはできるんじゃないですか?」
( ^ω^)「もちろんだお!期待しててまっててほしいお!」
(*゚ー゚)「頼もしいですね、期待して待っちゃいますね(にっこり)」
- 118 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:44:58.13 ID:CGo3QAiM0
- ・・・・
(=゚ω゚)「それは間違いなく恋だヨウ。担当に恋するとかよくあることだヨウ。」
_, ._
( ゚ Д゚)「しいは結構競争率たけえぜ?他にも狙ってるやつがいるからなあ。。。」
(●´−`●)「おいもしいちゃんすきでごわす・・・。」
( ^ω^)「そ、そうですかお?でも、自分の気持ちがおさえきれないんだお・・・。こんなのはじめてだお・・・。」
(=゚ω゚)「どうだお?読みきり書ききったら告白したら?」
_, ._
( ゚ Д゚)「まあ、残念なら残念パーティーひらいてやるからあたってくだけてこいや。」
( ^ω^)「じゃ、じゃあ、そうしますお・・・。なんか今から緊張してきたお・・・。」
- 121 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:49:17.63 ID:CGo3QAiM0
- (*゚ー゚)「ぐすん・・・素敵なお話でしたわ・・・」
( ^ω^)「そうかお?うれしいお。」
(*゚ー゚)「それじゃあ、さっそくこれを編集のほうにまわしておきますね。」
( ^ω^)「あ、あの・・・しい・・・大事なはなしあるからきいてほしいお・・・。」
(*゚ー゚)「はい?なんでしょう?」
( ^ω^)「あの、その、ぶーん・・・。」ドキドキ・・・
(*゚ー゚)「え、ええ・・・?」ドキドキ・・・
- 128 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 01:57:34.60 ID:CGo3QAiM0
- ( ゚ Д゚)「おまえそれでニラレバ好きですっていってかえってきたのかよwwwwwwww」
(=゚ω゚)「童貞は本当に根性無しだヨウ。人生にチャンスはそう何度もないヨウ。」
( ^ω^)「どうせブーンなんて、根性無しなんだお!ゴクゴク・・・・!」
(●´−`●)「根性無し・・・うける・・・おk・・・・」
それから数週間後、一同が集い、いつもの居酒屋でそのときのことをぶーんはぽろりとしゃべってしまう。
みんなには囃し立てられ、自らのふがいなさをのろっている・・・すると、入り口から店主の威勢のいい
掛け声とともにスーツ姿の女性が駆け込んでくる。
(*゚ー゚)「はぁ・・・!はあ!ぶーんさんいますか!?」
( ^ω^)「し、しいじゃないかお・・・ど、どうしたんだお?」
(*゚ー゚)「おち、おち、おちついて、き、ききききいてくださいね・・・?ドキドキ・・・」
_, ._
( ゚ Д゚)「おめーがまずおちつけよ」
- 131 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:03:29.47 ID:CGo3QAiM0
- (*゚ー゚)「ブーンさんの週刊連載が・・・内定しました!」
_, ._
( ゚ Д゚)(=゚ω゚)( ^ω^)(●´−`●)<な、なんだってーーーーーー!?
(*゚ー゚)「私、これを一番にいいたくて・・・その・・・。あわてて、きちゃいました・・・。あは・・・。」
( ^ω^)「しい・・・。うれしいお・・・。連載きまったこともうれしいけど、ブーンのためにそんなに・・・。」
_, ._
( ゚ Д゚)「あ、ブーン。タバコきれたからかってこいよ。ちょっと離れにタバコあるから。しいもついていってやれ。こいつ
夜目がきかねーから。」
(=゚ω゚)「うん、それがいいヨウ」
(●´−`●)「マスターにいえばうってくれ・・・あべし!」
_, ._
( ゚ Д゚)「んじゃ、そういうことでマルボロな。」
- 136 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:09:54.02 ID:CGo3QAiM0
- ( ^ω^)「追い出されてしまったお・・・。」
(*゚ー゚)「あは、みたいですね・・・。じゃあ、タバコ買いに行きましょうか?」
( ^ω^)「わかったお。」
(*゚ー゚)「読者からすっごい好評でして、ちょっとはやかいもしれないけれど私が強引に連載をねじこんどきましたから!」
( ^ω^)「あの、しい・・・」
(*゚ー゚)「やっぱりバトル物ばかりはだめですよね!これからはブーンさんみたいなお話をつめないと・・・」
( ^ω^)「しい、聞いて欲しいお!」
(*゚ー゚)「は、はい!・・・なんですか?」
( ^ω^)「その・・・あの・・・好きだお、よかったらブーンと付き合って欲しいお・・・。」
(*゚ー゚)「・・・はい、えとよろしくおねがいします」
その夜はおそらく人生最高の夜だったお。喜びのあまりついついタバコをかってくるのを忘れたお。
墨先生はかえってきたらマスターから買ってたタバコを吸っていたお。イヨウさんに聞いたら気をきかしてくれたらしい。
その夜はじめてブーンは女の子と手をつないでキスをしたお。月がとっても丸かったのが少し怖かったお。
- 142 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:14:41.48 ID:CGo3QAiM0
- そしてブーンの連載がはじまったお。連載当初はなかなか人気も集まらなくて何度も何度も
打ち切りのピンチに会いそうになってしまったお。けれどその度にしいと、これはちょっと
照れくさいんだけれどブーンのアシくんたちと励ましあって人気をちょっとずつ獲得してきたお。
カラーも何度も書かせてもらい、あっという間に数ヶ月が過ぎたお。すべてが順風満帆の日々がずっと
訪れると思っていたお。
でも、何度も何度もあの不吉な丸い月が頭から離れないんだお。
- 143 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:17:29.91 ID:CGo3QAiM0
- ( ^ω^)「何を言ってるんだお?ショボンさん」
(´・ω・`)「・・・!・・・・!・・・?」
( ^ω^)「わからないお。わからないお。わからないお・・・。」
(*゚ー゚)「ブーンさん?どうしました?」
( ^ω^)「ショボンさんのいってる意味が・・・わからないんだお・・・。」
- 145 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:19:20.40 ID:CGo3QAiM0
-
平成××年●月☆日(月曜日)
しいが死んだ
(*゚ー゚)「ブーンさん?どうしました?」
( ^ω^)「ショボンさんのいってる意味が・・・わからないんだお・・・。」
- 157 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:24:44.39 ID:CGo3QAiM0
- 「もう駄目だなあいつは・・・」
「ああ、ショボンさんが何度も何度も復帰を要請しているけど・・・」
「見えてるんだろう?死んだ彼女が・・・」
「そこそこのヒット作家だったのにな・・・」
(´・ω・`)「ブーンくん、本当に・・・本当に・・・。」
( ^ω^)「どうかしたかお?ショボンさん。」
(´・ω・`)「何度もいい続けているが落ち着いて聞いて欲しい・・・しいは死んだんだ・・・。」
( ^ω^)「いってる意味がわからないお。ほら、そこで座っているお。すわって笑っているお。」
(´・ω・`)「ブーン・・・」
( ^ω^)「あ、あと、漫画は書きたくないお。なんだかわからないけどすごく嫌なことがあったんだお。おもいだせないけど。」
- 162 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:28:51.22 ID:CGo3QAiM0
- (=゚ω゚)「ずっと休載だヨウ。折角人気でてきたのに…復帰して欲しいヨウ。ファンも多いヨウ。」
_, ._
( ゚ Д゚)「すぱー・・・ああ・・・。」
(●´−`●)「自分の原稿を入稿する途中に彼女が交通事故で即死・・・つらいでごわす」
_, ._
( ゚ Д゚)「すぱー・・・ああ・・・。」
(=゚ω゚)「先生タバコが増えたヨウ。あと、ブーン、お見舞いにいかないのかヨウ?」
_, ._
( ゚ Д゚)「すぱー・・・ああ・・・。」
- 168 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:33:06.01 ID:CGo3QAiM0
- ( ^ω^)「しいがいないお。しいがいないお。」
( ^ω^)「ずっとずっと一緒にいようっていったお。」
( ^ω^)「しいは約束破るような子じゃないお。」
( ^ω^)「だから、しいはいるんだお。きっと横にいるんだお。」
( ^ω^)「しい、どこだお?しい?いないお・・・。」
- 176 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:38:06.97 ID:CGo3QAiM0
- ( ^ω^)「はあはあ!ひどい夢みたお・・・。きっと夢だお・・・。」
すぱー・・・。マルボロの煙が病室に漂う。マルメラじゃなくてマルボロの。
_, ._
( ゚ Д゚)「ずいぶん、うなされていたな。」
( ^ω^)「あ、先生、ひさしぶりですお。なんかこんなところに無理やり押し込められてしいといっしょにこまってるんですお。」
_, ._
( ゚ Д゚)「そうか、それは災難だな・・・。ところで、ちょっといきたいところがあるんだがいいか?」
( ^ω^)「どこですかお?」
_, ._
( ゚ Д゚)「外にイヨウが車を停めてある。ついてこい。」
- 182 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:42:49.80 ID:CGo3QAiM0
- (=゚ω゚)「病人をこんなふうに連れ出したら犯罪じゃないのかヨウ?」
_, ._
( ゚ Д゚)「かまわん。責任は全部俺がとる。法律もルールもくそくらえだ。」
( ^ω^)「どこにつれていくのかお?しいも心配してるお。」
_, ._
( ゚ Д゚)「ずっと入院続きで母親の墓にまいってなかっただろう?」
( ^ω^)「あ、ほんとうだお。しいといっしょに参ったのがだいぶ前だったお。」
_, ._
( ゚ Д゚)「おし、ついたな。ブーン、ついてこい。」
( ^ω^)「母ちゃんの墓ずいぶん荒れてるお。連載決まってから毎週ジャンプもってきたからお。
雨でジャンプがぬれてこれじゃあ、開かないお。かーちゃん読めないお。」
- 194 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:50:26.95 ID:CGo3QAiM0
- _, ._
( ゚ Д゚)「そのまま右をみろ。なにがみえる?」
( ^ω^)「しいの墓って・・・書いているお・・・。」
(=゚ω゚)「・・・」
( ^ω^)「でも、でも、しいは・・・。」
_, ._
( ゚ Д゚)「甘ったれてんじゃねえ!お前のおじさんから話しは聞いたよ!葬式の日にこういったらしいな。
たくさんの人たちにきれいな夢と希望を作り出す人間になりたいってな!その結果がこれか!」
( ^ω^)「・・・ちがうお、しいは・・・。」
_, ._
( ゚ Д゚)「たくさんの人たちに綺麗な夢と希望を与える太陽みたいな人間がこのザマかよ!母親に約束したんじゃねえのかよ!」
( ^ω^)「し・・・いは・・・」
_, ._
( ゚ Д゚)「お前の漫画を読んでたくさんの人間が感動し、生きる希望をもったやつらもいるんだ!そいつらを捨てて、お前はいつまで現実から目をそむけている!悲しければ泣け!一晩中泣き続けろ!泣いて泣いて散々泣いたら立ち上がれ!」
( ^ω^)「う・・・うぐ・・・」
- 201 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 02:57:22.04 ID:CGo3QAiM0
- _, ._
( ゚ Д゚)「お前を太陽と見て、必要としてる人間がたくさんいるんだ!なっち・・・」
(●´−`●)「これ・・・今までたまってたファンレター・・・」
拙い子供の字でクレヨンで書かれた手紙、落ち着いた細い線で書かれた手紙
毛筆で書かれてある手紙、日本語ではない手紙もある。
その手紙すべてが、ブーンが連載を中止してからかかれたものだ。
叱りの手紙もある、中傷の手紙もあるが、その大部分が復帰を願うものだった。
( ^ω^)「ひっく・・・ひっく・・・しい・・・しい・・・」
_, ._
( ゚ Д゚)「べつにこいつらのために漫画をかけとはいわん!そのかわり、そうやっていつまでも現実から目をそむけるのはやめろ!
そんなふうにお前がなってたら・・・しいが可哀想だろうが・・・。」
ゆっくりとブーンは立ち上がるとしいの墓石の前にうずくまる。
( ^ω^)「しい、ごめんお・・・。現実から逃げて・・・ごめんお・・・ごめんお・・・。ひっくひっく、うわあああ・・・んん・・・」
その夜は一晩中泣き続けた。その次の日もずっと病室で泣いていた。
墨先生も、イヨウさんも、なっちさんも、ショボンさんも、みんななにをするわけでもなく僕の目の前にきて、一緒に泣いていた。
ブーンは悲しい心を全部涙に変えて、しいが死んだってことを理解した。
- 206 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 03:02:19.79 ID:CGo3QAiM0
- むかしむかしあるところに、ひとりのこどもとははおやがいました。
ははおやはこどもにひとつの宿題をのこして天国にいきました。
みんなの太陽になりなさい、そういいつけられたこどもはそのとおりになるようにがんばりました。
たくさんの人と出会い、たくさんの経験をし、たくさんの喜びを得ました。
その中でこどもはおとなになり、ひとりのお姫様に恋をしました。
お姫様と太陽になろうとした大人は両思いになりました。
そんな幸せの中、お月様がお姫様を遠くの世界へと連れて行ってしまったのです。
太陽になろうとした大人はもうなにもかもがいやになりました。
けれど、たくさんの人たちに励まされ、一緒に泣くことによってもう一度太陽になろうとしたのです。
その太陽は今もあなたたちを照らし続けているでしょう。
- 219 名前: ◆.FfI8lTzUg :2006/07/19(水) 03:08:13.83 ID:CGo3QAiM0
- _, ._
( ゚ Д゚)「最近よう、なんかあいつの連載の勢いがとまらねえんだわ。」
(=゚ω゚)「人気あるからヨウ。あんだけ連載中止してて颯爽と帰ってきたと思ったらすごい勢いでかきだしているからヨウ。」
(●´−`●)「なっちも単行本全部買った・・・」
_, ._
( ゚ Д゚)「ふん、まあ、いい。墨組からヒット作がでるのはいいこった。お前らももうちょっと気合いれろ、ごるあ!」
・・・
( ^ω^)「かーちゃん、しい。今週のジャンプもってきたお。今週はカラーがはいっていてすっごい大変だったお。」
( ^ω^)「ほんとうにぶーんはいろんな人に迷惑かけてるお。でも、みんないい人ばかりでうれしいお。」
( ^ω^)「じゃあ、かーちゃん、しい。今週のぶーんの漫画読んで聞かせてあげるお。」
太陽の下でちいさな太陽がまた世界を照らし始めました。めでたしめでたし。Fin。
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