( ^ω^)ブーンが魔獣使いになるようです。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 23:04:03.79 ID:y2ald6uWO
青い空。

彼の目には青空が写っていた。

淀みなどなくどこまでも透き通った青。

しかし、彼は思考停止状態に陥っていた。
目の前にいた男に突きを放ったらいつの間にか路地に大の字で倒れていた。
こんなことになれば誰だって混乱するだろう。

彼は身体を起こそうとするが、身体を動かす度に激痛が走り満足に立ち上がることも出来ない。

(;^ω^)「どうしたものかお」

そんな彼の視界に突如黒い影が現れる。

「俺に襲いかかってくるとはいい度胸だなゴルァ」

黒い影から言葉が放たれる。
どうやら、逆光で顔は見えないが人間らしい。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 23:11:29.17 ID:y2ald6uWO

(;^ω^)「アッーーーー」

彼はまるで言うのを忘れていたという風に大声を出す。

「まったくうるせぇなゴルァ」

影は耳に指を当てて、耳を塞ぐ。
顔は見えないが、嫌な顔をしていることだけは分かった。

「背後から襲うのに気付かれてたら意味ねぇだろうがゴルァ」

影からのその言葉を聞いて、彼は目を丸くする
それもそのはず、彼は気付かれないことに全ての意識を集中させていたのだから。
事実、常人なら気付かず、そのまま殴られていただろう。
しかし、相手は魔獣使い、しかも、ギルド公認の『強者』だ。
常人とは訳が違う。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 23:14:28.00 ID:y2ald6uWO
「で、俺に何の用だゴルァ」

影は指をベキベキと鳴らしながら、威圧的に彼に聞く。

(;^ω^)「あう、あう」

バッジを奪おうとした。
なんて口が裂けても言える訳がなかった。
言ったら何をされるか分かったものではない。

「まさか……お前、俺のチームに入りたいのか?ゴルァ。」

( ^ω^)「へ?」

「そうか!分かったぞ。お前は俺がチームリーダーに相応しいか試したんだろゴルァ」

どうやら良い方向に勘違いをしてくれたらしい。

( ^ω^)「そ、そうですお、そうなんですお」


慌てながらも、勘違いに便乗する。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 23:26:33.06 ID:y2ald6uWO
「それならそうと、言えば良かったんだぞ、ゴルァハハハ 」

影は豪快に笑いながら彼に手を差し出す。
彼はその手を怯えながらも、しっかりと掴む。
途端、彼の身体は驚異的な力で引っ張られ、宙に浮く。
そして、そのまま腹から大地に叩きつけられた。

( ゚ω゚)「アッーーー!?」

再び路地に大声が響く。

「ありゃ、ちょっと力を入れ過ぎちまった、ゴルァハハハ」

影は悪びれる様子もなく、まるで些細な事だという風に笑い飛ばす。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 23:47:34.18 ID:y2ald6uWO
「ほら、今度は力を抜くから安心しろゴルァ」

影は再び手を差し出すが、彼は痛みに耐え、自力で立ち上がった。

(;^ω^)(こんなのを何回もくらったら身体がもたないお)

彼は痛みに耐えながらも、影だった者の顔を見る。

顔は20代前半辺りであろうか、その力からは想像出来ないほど細身である。

( ,,゚Д゚)「何、ジロジロ見てるんだゴルァ」

男から声をかけられ、彼はハッとする。

( ^ω^)「いや、何でもないですお」

( ,,゚Д゚)「まぁ、いいや。じゃあ、早速。
     今日からお前……えっと、名前は何て言うんだ?ゴルァ」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/22(火) 23:51:48.22 ID:y2ald6uWO
( ^ω^)「な、内藤ホライゾンですお。」

( ,,゚Д゚)「では、改めて。ゴホン。
      今日からお前、ナイト ホライゾンはチーム『ギゼル コルセアート』の一員だゴルァ」

( ^ω^)(名前、間違えてるお)

( ,,゚Д゚)「ちなみに、俺はこのチームリーダーのギコだ。よろしくだゴルァ」

ギコと名乗ったその男はそう捲し立て、内藤ホライゾンと名乗った
彼の肩をポンポンと軽く叩く。
その間、内藤はただ頷くだけしか出来なかった。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/23(水) 00:02:06.67 ID:VV76Yt9mO
( ,,゚Д゚)「じゃあ、早速ギルドに依頼を受けに行くぞゴルァ」

(;^ω^)「い、いきなりですかお」

( ,,゚Д゚)「そうだぞゴルァ。じゃあ、準備をしてくるから待ってるんだぞゴルァ」

そう内藤に言うと、ギコは路地を少し行った所にある、今にも
崩れそうな建物の中へと消えていった。

ギコによって閉められた建物のドアが路地側にバタンと倒れる。
この建物が外見だけではなく中身も崩壊寸前だということだけは理解できた。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/23(水) 00:05:10.21 ID:VV76Yt9mO
(;^ω^)「一体……何なんだお?あいつは……本当にチームリーダーなのかお?」

そう呟く内藤の隣を虚しさを表すように風が吹きぬける。

( ^ω^)「って、今の内に逃げればいいお。あんな男の下で働くなんて嫌だお。」

内藤はハッとしたような顔をし、ギコから逃げるために両腕を広げ、駆けていった。
遠くへ、遠くへと……

⊂二二( ^ω^)二⊃「ブーーーン」



41 名前: ◆vAq8uG9T0I :2006/08/23(水) 00:46:39.23 ID:VV76Yt9mO
内藤は街を脱出することは出来なくとも、とにかく遠くへ逃げたはずだった。
自分が出せる最高の速さで走ったはずだった。

( ,,゚Д゚)「自分からギルドの前に来るなんてやる気満々じゃねぇか。
      ますます気に入ったぞゴルァ」

しかし、ギコはいきなり近くの民家の屋根から飛び下りてきて、
そんなことを満身創痍の内藤に言ってきたのだ。

( ・ω・)「…………」

( ,,゚Д゚)「どうしたんだ?ゴルァ。」

ギコが思考停止状態になった内藤の目の前で手を上下に振る。



43 名前: ◆vAq8uG9T0I :2006/08/23(水) 00:53:07.21 ID:VV76Yt9mO

(;^ω^)「どっ、どうしてこんな所にっ!?」

( ,,゚Д゚)「そこで依頼を受けるからだろうがゴルァ」

そう言ってギコは目の前の建物を指差す。
確かにそこの看板には魔獣使いギルド支部と書いてある。

(;^ω^)「あう、あう。」

内藤は巨大な都市にはいくつか支部が置かれることを思い出し、
わざわざ支部の前まで走ってきた自分の愚かさを呪った。

( ,,゚Д゚)「じゃあ、依頼を受けに行くぞゴルァ」

途端、ギコは内藤の服の後ろ襟を掴み、ギルドの中へと歩んでいった。



40 名前: ◆vAq8uG9T0I :2006/08/23(水) 00:36:46.17 ID:VV76Yt9mO
ちなみに、ちょっとした設定

チーム……
殆んどの魔獣使いが所属する組織
そして、その組織を統べる者はチームリーダーと呼ばれる。
何種類かあり、それぞれに性格をもっている。
所属する理由は他の構成員と切磋琢磨するため、リーダーに惹かれて、居場所を求めて等様々
リーダーはその魔獣もさることながら、優れた身体能力や人望を持つ


NOW…WRITING……


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