( ^ω^)ブーンは目覚まし時計のようです
275 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:42:41.96 ID:6rh99YNW0
ツンの実家まであと1時間を切ったころ、時計たちを乗せたトラックは、高速を降り、一般道に差し掛かっていた。

運転手「すいません、ちょっと次のコンビニでトイレ行ってもいいですか?」

ξ゚听)ξ「ええ、どうぞ。私もちょうど喉が渇いたし」

運転手「それでは、あのコンビニでとまりますね」

トラックはコンビニに駐車場に停車し、運転手とツンはトラックを降りた。

田んぼに周りを囲まれた、のどかなコンビニである。

276 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:45:09.60 ID:6rh99YNW0
そんなトラックに、車の中から目を光らせる集団がいた。
集団の名はABIRU窃盗団。

从゚∀从「引越し屋か?」

( ´ー`)「みたいだな」

( ;゚∀゚)「今日はまだ収穫ゼロだ・・・。手ぶらで帰ると首領に半殺しの目に合うからな・・・行け」

277 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:45:43.81 ID:6rh99YNW0
窃盗団はすばやく車から出ると、トラックの後部にあるドアを開け、慣れた手つきでダンボールを運び出した。

从゚∀从「おい今支払い終えて、もうすぐ戻ってくるぞ」

( ´ー`)「よし、まあこんなもんだろ」

( ゚∀゚) 「ばれないように、元通りに閉めろ!よし、撤収!!」

278 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:46:10.78 ID:6rh99YNW0
窃盗団の車が発進したのと同時に、運転手とツンがトラックに戻ってきた。

運転手「さて、もうひと頑張りするか」

ξ゚听)ξ「あーウーロン茶最高ー」


281 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:47:06.70 ID:6rh99YNW0
30分後、窃盗団たちは空き地に車を止め、先ほど盗んだ荷物を物色し始めた。

从゚∀从「なにがでるかな〜なにがでるかな〜」

( ´ー`)「・・・ゴミばっかじゃん」

( ゚∀゚)「・・・・やはりあせって引越し屋なんか狙ったのは失敗だったか・・・」

从゚∀从「ロクなもんないな・・・服に本に雑貨・・・」

282 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:48:05.91 ID:6rh99YNW0
( ´ー`)「あ、ジブリのDVDめっけ」

( ゚∀゚)「全ジブリ作品コンプリートしてんじゃん!基地帰って首領とそれ観ようぜ!」

从゚∀从「残りはどうすんの?」

( ´ー`)「んなもん捨てておけ」

( ゚∀゚)「さっさと帰るぞ」

窃盗団の車が行ってしまうと、空き地には散乱した荷物だけが残った。

283 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:51:09.11 ID:6rh99YNW0
( ^ω^)「・・・ここはどこだお」

(´・ω・`)「やっと着いたと思ったら・・・」

川*゚ -゚)「さっきの奴らに箱ごと盗まれたってわけか」

( ^ω^)「・・・・・ツンちゃんの家は?」

(´・ω・`)「知らないよ・・・」

川*゚ -゚)「どうやら、最悪の事態に直面しているようだな」


284 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:51:41.31 ID:6rh99YNW0
( ^A^)「壁時計様!あなた様は最高の時計です!」

('ω`)「まさに時計の中の時計だ!キング・オブ・クロック!!」

川*'A`)「壁時計様!!私と結婚してくれ!!」


('A`)(ムニャムニャ・・・)

('A`)「ん・・・夢か・・・いい夢だったな。うしし」

('A`)「おや?トラックが止まったぞ。そろそろ着いたかな」

285 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:52:22.19 ID:6rh99YNW0
( ;ω;)「うわあああん!!ツンちゃんどこだおー!!」

(´;ω;`)「うう、もう二度とツンちゃん腕に巻かれないのか・・・」

川*゚ -゚)「このまま電池が切れていくのを待つしかないな、まあ私には関係ないが」

( ;ω;)「そんなのいやだお!!」

(´;ω;`)「誰かたしゅけてえええ!!!」

川*゚ -゚)「・・・・これも運命か」

286 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:53:28.01 ID:6rh99YNW0
ミ,,゚Д゚彡「お前ら、うっせえぞゴラァ!」

( ;ω;)「お!? 誰だお!?」

(´;ω;`)「お前は・・・一緒にダンボールに入ってたぬいぐるみか!?」

川*゚ -゚)「ぎこなんちゃらか」

( ;ω;)「なんでただの綿のかたまりに、僕らの言葉が話せるんだお?」

(´;ω;`)「幻聴か!?」

川*゚ -゚)「歯車をかすかに振動させることによって、会話できるのは我々時計と、
     一部の機械のみに許された意思伝達法のはずなんだが」


287 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:54:31.98 ID:6rh99YNW0
ミ,,゚Д゚彡「俺様はこう見えても、からくり仕掛けなんだ!歩くことだって、できるんだぞゴラァ!」

そういうとギコ猫は、すっと立ち上がり、悠々と空き地を歩き始めた。

( ^ω^)「すげえお!」

(´・ω・`)「ファンタスティック!」

川*゚ -゚)(すごく、うらやましい)

290 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:55:49.66 ID:6rh99YNW0
ミ,,゚Д゚彡「ふん!ダンボールの中じゃ好き放題言ってたくせに!このゴラァどもが!」

( ^ω^)「あいや、あれは戯言でござるよ」

(´・ω・`)「気にするなかれ、ギコ猫よ」

川*゚ -゚)(私も歩行能力がほしい。自分の力で歩きたい)

291 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:57:54.80 ID:6rh99YNW0
('A`)「お・・・次々とダンボールが運びこまれてるぞ・・・」

('A`)「うは、ついに俺のダンボールが運ばれてるぜ。いっちょ慎重に頼むよ!」

('A`)「おーとうとう光が!!みんなに会える!!」

それまでうす暗かったダンボールの中に、光がわっと差し込んだ。

ξ゚听)ξ「さて、ひとまずはここでいっか」

ツンは壁時計を手に取ると、学習机の上へと置いた。



('A`)(早くみんなも出てこないかな。感動の再開だ。ワクワクするぜ)

292 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 20:58:43.84 ID:6rh99YNW0
時計たちが空き地に捨てられて30分が経過した。

( ^ω^)「このままだと電池が切れちゃうお・・・」

(´・ω・`)「そうか、目覚まし時計は昨日ベル鳴らして、結構電池使っちゃったもんな」

川*゚ -゚)「乾電池系にとって、電池切れは死活問題だからな。まあ私には関係ない話だが」

( ^ω^)「困ったお・・・」

(´・ω・`)「はあ・・・」

293 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:00:24.29 ID:6rh99YNW0
ミ,,゚Д゚彡「そりゃお前、あんだけうるさく鳴らせば電池も切れるわな」

( ^ω^)「お? 知ってたのかお?」

ミ,,゚Д゚彡「当たり前だ、何年あの部屋にいたと思ってるんだ」

(´・ω・`)「知ってたのなら、手伝ってくれればよかったのに」

ミ,,゚Д゚彡「俺様は無駄な体力を使いたくない主義なんだ」

川*゚ -゚)「そんなことより、お前、歩けるなら電池調達して来い」

ミ,,゚Д゚彡「なんだとゴラァ!そん中の砂ぶちまけるぞ!」

295 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:01:54.87 ID:6rh99YNW0
川*゚ -゚)「お前もそのうち電池系なんだろ?そのうち切れる。ぞうなったら困るだろ」

ミ,,゚Д゚彡「たしかにそうだが・・・」

( ^ω^)「お願いしますお!」

(´・ω・`)「よっ!ギコ様日本一!」

ミ,,゚Д゚彡「ん?そうか、そこまで言うなら探してきてやるが」

( ^ω^)「やったお!ギコ様ありがとだお!」

(´・ω・`)「恩に着るよ」

川*゚ -゚)(乗せられやすい性格なんだな・・・覚えておこう)

296 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:03:46.26 ID:6rh99YNW0
ミ,,゚Д゚彡「だがわざわざ戻ってくると、余計な体力使うからな・・・そうだ、お前らも来い」

( ^ω^)「僕たちは歩けないんだお・・・」

(´・ω・`)「こういう時にはまったくの無力なんだ」

川*゚ -゚)「動けたら自分達で探しにいくんだがな」

ミ,,゚Д゚彡「そんなこと、とっくに知ってるぞゴラァ。ここに入れてやるから」

そう言うとギコ猫は地面に背中をこすりつけ、背中に付いてるファスナーを器用に開けた。
そして時計たちを前足で挟んで、そのファスナーの中へと入れる。

297 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:04:46.49 ID:6rh99YNW0
( ^ω^)「お?フカフカだお!」

(´・ω・`)「これは気持ちいい・・・まるでネコバスのようだ」

川*゚ -゚)「なんでこんなスペースがあるんだ?」

ギコ猫は背中に時計たちを入れると、トコトコ歩き出した。

ミ,,゚Д゚彡「俺はもともとティッシュケースだったんだぞゴラァ」

( ^ω^)「ティッシュケースって何かお?」

299 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:07:21.08 ID:6rh99YNW0
(´・ω・`)「ティッシュっていう、ふわふわした紙を入れておくための容器みたいなものだよ」

ミ,,゚Д゚彡「それを俺の持ち主だった奴が、俺にからくり仕込んで、彼女にプレゼントしたんだ」

川*゚ -゚)「ほう・・・かなり精密にできているようだが・・・」

ミ,,゚Д゚彡「そいつはからくり人形の職人だったのさ。器用な奴だったよ」

川*゚ -゚)(・・・いつか私もからくりを仕込んでもらえないだろうか・・・そしたら・・・)

301 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:08:13.09 ID:6rh99YNW0
( ^ω^)「ともかく、ツンちゃんの彼氏たんに感謝だお!」

(´・ω・`)「さすがは、僕たちのツンちゃん、見る目があるう!」

( ^ω^)「ツンちゃんサイコー!!」

(´・ω・`)「ツンちゃん!ツンちゃん!」

( ^ω^)「ワッショイ!ワッショイ!」

(´・ω・`)「ワッフル!ワッフル!」

川*゚ -゚)(こいつらなんでテンション上がってんだ?)



('A`)「・・・あいつら、一体どこに詰められたんだ?なかなか出てこないな・・・」

307 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:14:10.12 ID:6rh99YNW0
時計たちを背中に収納したギコ猫は、やがて空き地を出て、道路までやってきた。

ミ,,゚Д゚彡「・・・どうやら、相当遠くまで連れて来られたみたいだな」

川*゚ -゚)「電池は持ちそうか?」

ミ,,゚Д゚彡「まあ・・・俺様は省エネ設計だからな・・・まだ大丈夫だとは思うが・・・」

川*゚ -゚)「いざとなったら、こいつらの電池を外して使え」

(;^ω^)「恐ろしいことを、さらっと言っちゃってくれてるお・・・」

(;´・ω・)「どっちが先に犠牲になるんだ・・・」

川*゚ -゚)「ふふふ・・・」

308 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:14:49.43 ID:6rh99YNW0
ミ,,゚Д゚彡「おっと車には気をつけないとな」

ギコ猫のそばを車が通り抜ける。

( ^ω^)「車ってなんだお?」

(´・ω・`)「ん・・・乗り物さ。ものすごいスピードで、行きたいところへ連れて行ってくれる」

( ^ω^)「すごいお!」

川*゚ -゚)(ぜひ乗ってみたい・・・!)

309 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:15:54.85 ID:6rh99YNW0
ミ,,゚Д゚彡「ふう・・・だいぶ歩いたぞ・・・」

( ^ω^)「ちょっと暗くなってきたお」

(´・ω・`)「夜がやってくる」

川*゚ -゚)「ギコ、平気か?」

ミ,,゚Д゚彡「さすがにちょっときついな・・・これだけ歩いたのははじめてだし・・・それより部品に負担がかかってないか心配だ」

川*゚ -゚)「少し、休め」

ミ,,゚Д゚彡「わかった」

ギコ猫は道路から離れた茂みに、腰をおろした。


300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/11(金) 21:08:03.07 ID:b6Oc2jy90
思ったんだが
時計が振動で動くならまだしも
砂時計が砂噴出したり人形が動いたりって普通うわやめせdrftgyふじこlp;@

302 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 21:11:58.29 ID:6rh99YNW0
>>300
あわわ・・その辺はうわやめせdrftgyふじこlp;@

一応ここの時計やからくりたちは、自分達に付けられている機能は、自分達の意思で動かせるって設定。

砂時計は・・うん砂を自動で入れ替えられる機能があるんだ・・(´;ω;`)テラクルシス

304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/11(金) 21:12:49.13 ID:b6Oc2jy90
>>302
魔法の世界って設定ってことだなwktk


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