( ^ω^)ブーンは目覚まし時計のようです
- 65 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:35:41.80 ID:fV/bhU2V0
- ξ゚听)ξ「まったく、なんなのよ隣の奴・・・」
ツンが勢いよくドアを開けて、帰ってきた。
ゴキブリは物音に気付くと、壁時計から離れ、さっと冷蔵庫の下にもぐりこんだ。
ξ゚听)ξ「ずっと目覚ましが鳴ってうるさいだなんて、あたしいつもすぐに止めてるわよ。頭おかしいんじゃないの」
ツンはブツブツと言いながら、冷蔵庫からビールを取り出し、プシュっと開けると、トクトクとコップに注ぎ始めた。
- 66 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:36:47.96 ID:fV/bhU2V0
- ξ゚听)ξ「あーあ、今日も疲れた。どっこいしょっと」
コンビニの袋からつまみを取り出して口に入れ、ビールで流し込む。
ξ゚听)ξ「タカシにメール打っても返ってこないし・・・あーあ自然消滅狙ってんのかなあ、アイツ・・・」
ξ゚听)ξ「あ、そうだ! さっき買ってきた新しい腕時計してみよっと!」
ツンはそう言うなり、紙袋から小さな箱を取り出した。
綺麗に包装されている箱を開けると、中からはいかにも高価そうな腕時計が出てきた。
ツンは鏡の前へ立ち、その腕時計を付けると、嬉しそうにポーズを取った。
- 67 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:38:11.54 ID:X/khzA2M0
- ξ゚听)ξ「やっぱ高かったけど、買ってよかったな。前のキズが付いちゃったし」
ξ゚听)ξ「さてと、お風呂は入ってこよっと」
腕時計を外してテーブルの上へ置く。
ξ゚听)ξ「あれ? 壁時計が落ちてる・・・なんでだろ?」
ツンはベッドの上に落ちた乾電池を拾い上げ、壁時計に差し込むと、元の位置に戻した。
ξ゚听)ξ「時間を合わせて・・・これでよし、と。さ、お風呂は入ってこよっと」
- 68 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:40:50.48 ID:X/khzA2M0
- ('A`)「ん・・・・・?」
( ^ω^)「おかえりだお」
('A`)「なんか6時と7時のあたりがズキズキ痛むな・・・」
(´・ω・`)「君の止め具が衝撃で外れて、落ちたことは覚えてるだろ?それで電池が外れたんだ。それからゴキブ・・・おっと」
( ^ω^)「いろいろ大変だったんだお」
川*゚ -゚)「だが望みどおりほこりはとれたぞ」
- 69 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:41:21.51 ID:X/khzA2M0
- ('A`)「そうか・・・迷惑をかけてすまなかった・・・」
(´・ω・`)「まあ無事でなによりさ」
('A`)「それと、なんか体中がギトギトするんだが・・・?」
(;^ω^)「・・・き、気のせいだお!」
('A`)「そうか」
川*゚ -゚)「・・・・・・・・」
- 70 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:42:14.10 ID:X/khzA2M0
- (´・ω・`)「・・・ハッ! そんなことより・・・・おいお前! テーブルの上のお前だよ!!」
(`・ω・´)「ん?」
('A`)「おっ新参か! いつのまに・・・」
川*゚ -゚)「壁が気絶してた間に来たんだ」
( ^ω^)「オサレな腕時計だお」
- 71 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:43:29.12 ID:X/khzA2M0
- (`・ω・´)「おっ、お前、目覚まし時計の割にはなかなか見る目あるな。俺の舎弟にしてやろう」
( ^ω^)「おっ?」
(#´・ω・)「おい! それが新参の口の利き方か!!」
(`・ω・´)「うっせえなあ・・・キズもんがガタガタ抜かすなや」
(#´・ω・)「ちょっと来い!! 体でわからせてやる!!」
川*゚ -゚)(面白い展開になってきた)
- 74 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:48:34.68 ID:X/khzA2M0
- ('A`)「まあまあお二人さん・・同じ腕時計なんだし、仲良くしようぜ・・・な?」
(`・ω・´)「ふん・・・まあこれからは俺がツンちゃんのナンバー1腕時計だからな。ナンバー2はおとなしく引っ込んでな」
(#´・ω・)「なんだと!!!誰がそんなこと決めたんだ!!俺とツンちゃんにはな、切っても切れない信頼関係があるんだ!!」
(`・ω・´)「ははは!信頼だってよ!面白すぎて、へそで茶が沸かせるぜ!」
(#´・ω・)「お前にへそなんて高貴なもんはないだろうが・・・!」
- 76 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:51:01.37 ID:X/khzA2M0
- ('A`)「まあまあ、そう熱くなるなよ・・・おっと、ツンちゃんが戻ってきたぜ」
ツンがバスタオルを巻いて風呂から戻ってきたので、時計たちは一斉に口をつぐむ。
ξ゚听)ξ「ふあ〜あ、眠い。明日も早いから今日はもう寝ようっと」
ツンは大きなあくびをすると、目覚まし時計をセットして、布団にもぐりこんだ。
(´・ω・`)(見てろよ・・・明日の朝、ツンちゃんの腕に巻かれるのは、僕のほうだ・・・)
ツンの寝息が、かすかに聞こえてきた。
- 77 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:54:59.63 ID:X/khzA2M0
- ―次の朝―
チュンチュン・・・チュンチュン。
( ^ω^)「ジリリリリリリリ!!!!」
ξ゚听)ξ「うーん・・・うるさい・・・」
パシッ!
( ^ω^)「・・・・・」
- 78 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 03:55:52.49 ID:X/khzA2M0
- ―5分後―
( ^ω^)「ジリリリリリリ!!!!」
ξ゚听)ξ「ああ、もう昨日は隣の奴のゲームの音がうるさくて夜中に起こされたのに・・・」
ツンはブツブツとぼやきなら、起き上がった。
( ^ω^)「リリリリリ!!!!」
ξ゚听)ξ「るっさいっての!!!!」
パシッ!パシッ!
( ^ω^)(いたいお・・・・)
(´・ω・`)(ドキドキしてきた・・・ツンちゃん・・・)
- 162 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:45:39.29 ID:qSGxwr3v0
- ―15分後―
ξ゚听)ξ「さあてと、そろそろ出掛けるかな」
ツンは空になった野菜ジュースをゴミ箱に放り投げると、ハンドバックを持って玄関へと向かう。
ξ゚听)ξ「おっと、腕時計つけるの忘れた」
ツンはリビングへ戻ってくると、化粧台の上へと置かれた腕時計を手にした。
ξ゚听)ξ「・・・そういえば新しいの買ったんだった。そっち付けて行こう」
手にした腕時計をベッドの上へ放り投げると、ツンはテーブルの上の新しい腕時計を腕に巻き、慌ただしく出て行った。
- 164 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:46:01.37 ID:qSGxwr3v0
- ('A`)「・・・おい腕時計」
( ^ω^)「・・・・・・」
川*゚ -゚)「・・・・・・・」
('A`)「・・・・・泣くなよ」
(´;ω;`)「な、泣いてなどいないっ!」
- 165 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:46:27.93 ID:qSGxwr3v0
- ( ^ω^)「新しいものなんて、すぐきっと飽きるお」
('A`)「そうさ、ほんの2、3日の辛抱さ」
( ^ω^)「またすぐ付けてくれるお」
('A`)「それまで、のんびり待とうや」
(´;ω;`)「・・・そうかな?」
- 166 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:46:47.89 ID:qSGxwr3v0
- ( ^ω^)「大丈夫だお」
('A`)「大丈夫さ」
(´・ω・`)「・・・・ありがとう」
- 167 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:47:23.67 ID:qSGxwr3v0
- 川*゚ -゚)「でもキズがついてるから、もう付ける気ないんじゃないか」
(´;ω;`)「!」
(;^ω^)「ちょっ、そんなことないお」
(#'A`)「砂時計、空気読めよ!」
川*゚ -゚)「うるさい。私は事実を言ったまでだ」
- 168 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:47:59.20 ID:qSGxwr3v0
- (;^ω^)「きっとまた修理してくれるお。僕のベルが壊れたときも、すぐ直してくれたお」
('A`)「そういやそんなこともあったな・・・」
川*゚ -゚)「目覚ましは生活必需品だからな。腕はもう代わりがいるじゃないか」
(#'A`)「だから空気読めって言ってるだろ!」
- 169 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:48:21.53 ID:qSGxwr3v0
- 川*゚ -゚)「お前らこそ思っても無いこと言うんじゃない。この偽善時計が」
(#'A`)「あんだと!秒針突き刺すぞコラ!」
川*゚ -゚)「やってみな」
(´;ω;`)「スクラップにはされたくないよおおおお!!」
(;^ω^)「新しい腕時計のせいで、みんな荒れてきたお・・・」
- 171 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:48:58.08 ID:qSGxwr3v0
- その時、ドアのほうでガチャガチャと音がした。
( ^ω^)「お? ツンちゃんかお? まだ帰る時間にはだいぶあるのに」
('A`)「早退でもしたんじゃね・・・・?」
(´・ω・`)「きっと新しい腕時計に飽きて、僕を付け替えに来てくれたんだ!」
川*゚ -゚)「それだけのために、わざわざ帰ることなどありえん」
(#'A`)「空気よ――」
壁時計がそう言おうとした時、
( ´_ゝ`)「フン・・・ちょろいもんさ」
男が一人、ドアを開けて部屋の中へ入ってきた。
- 172 名前:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/11(金) 14:49:50.08 ID:qSGxwr3v0
- (;^ω^)(誰だお!?)
('A`)(何だあいつ・・・・・?)
(´・ω・`)(きっと時計修理業者の人だ!)
川*゚ -゚)(・・・・・・)
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